『週刊 ゆきおとこ』 第77号
第 77号 2026/6/22 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― シェリー 『一つの言葉』 より
貴女への崇拝を
受け入れてはくれぬか? それは
星を慕い求める 蛾の願い
黎明 夜を待ち侘びる願い
人間の悲しみの 遥か彼方の
何者かに憧れる 思い
■ 連載夜話 ― 『ジェットドリーム』
~ 特別な真夜中に
【あなたのオープニング】
オープニング曲 :「ミスター・ロンリー」 by フランク・プゥルセル
今日という一日の最後を飛び立って
今では あの街の喧騒も はるか雲の下へと置いてきました
遠く なつかしく見える灯は さて いつの記憶のものでしょう
今宵の空のスチュワードは
旅路をしずかに見守る月の明かりと
そして 星々はさらに雲海に煌めいて
この夜間飛行を 安らかに導いてくれています
最高の夜に あなただけのジェット気流に乗って
あこがれの旅へとテイクオフ
今夜のフライトのお供をするのは
パイロットの ○○○(あなた)
そして 不思議の国の王子たちが
旅先のご案内役をつとめてまいります
【トロント】
オンタリオ湖北西 カナダ最大の都市 トロント
― ツンドラの極寒を逃れた北緯43度の街は
ちょうど 札幌市と同じくらいの緯度にあります
ヨーロッパ大陸 特にフランスからの移民が流入しはじめて
大勢の人が集ったこの土地を
先住民のヒューロン族は 「York」 と名付けました
それが 時代を経て
今では 人は New-York に集まっています
という話は なかなかよい蘊蓄だと思えませんか?
さて 人口 900万人の トロント
巨大な金融業界の都市でもあり また
アメリカ東海岸 特にニュー・ヨークに一番近いとあって
共に世界経済の中心にある街です
その一方で
名前を "トロント" と変えた頃からは
アイルランドのジャガイモ飢饉による難民が大量に流入しました
今では黄金の街ですが
かつては 究極の貧困層で溢れていた時代もあったのです
さて この旧ヨークと新ヨークを結ぶ
その名も 「メープル・リーフ」 と呼ばれる
アムトラックの長距離列車が今でも存在します
トロント・ユニオン駅を出発して
NY・ペンシルベニア駅まで 12時間
しかも 途中には ナイアガラの滝が拝めたりしますから
この列車の旅は おすすめです
【今夜のアルバム】

Drums – Donald Bailey
Guitar – Kenny Burrell
Organ – Jimmy Smith
Saxophone – Stanley Turrentine
Midnight Special
さて カバンひとつ
汽車に飛び乗った
それは 特別な真夜中のこと
誰にも邪魔されない 特別な
さて どこへ向かうつもりか だって?
列車はみんな レールの上を走ってるじゃないか
だから
みんな決まったところにしか行かないさ
おれの時刻表も それでいい そのまんまで
A Subtle One
どんな気分か だって?
それは何とも言えないね
まずは切符がない だから切符を買わなきゃ
それから 腹ペコだ
カバンは持ってきたが こいつの中身も空っぽ
腹も空っぽ ついでに気分も空っぽ さ
さて それで
オレのカバンと腹は いつ満たされるのだろう?
Jumpin' The Blues
気分だけでもジャンプしろ! って 無責任な声
そう言われると 今にもここから飛び降りたくなる
誰かが背中を押す
押されたら この旅から押し出されてしまう
でも近頃それでもいいか とも思うようになった
途中下車とはカッコ悪いが 飛び降りるのなら大歓迎
転がり落ちて
肘を擦りむいて
遠くへ逃げていく煙を眺める
命があることを確かめて
さあ そしたら
そこから自由が始まる てものだ
Why Was I Born
どうして俺は生れてきたか て?
毎晩一人になると 必ず誰かが尋ねてくる
おれが答える
「行き先を迷うためさ」
もう一人のオレが答える
「こいつは迷子が好きなのさ」と
気づけば オレはいつも知らない道を探っている
地図も無い だから
手探り 抜き足
道を聞くにも 訊ねる相手が分からない
だから
おれは生まれつきの迷子 ってわけさ
One O'Clock Jump
さて 時計が 夜の一時を一発打つ
待っていても 一発だけだ
だから 待たないことにしている
それがオレへの合図さ
さあ 椅子から立ち上がれ と
誰かがおれのケツを叩く まるで競馬の騎手のように
おれが走り出す ダートの土を蹴り上げながら
いつのまにか
ライバルとやらが オレのケツにくっついてくる
だが こいつらは ライバルじゃねえ
でもこいつらは オレのことを ライバルだと思ってる
勝手にしやがれ
【あなたのエンディング】
エンディング曲 :「夜間飛行」 by レーモンド・ルフェーブル
さて 夜は
すっかり 夢の中へと溶け込んでいきます
遠くに聞こえた歌は 幻でしょうか
それとも 明日の予告編でしょうか
そんな素敵な物語が きっと
あなただけの旅の始まりとともに 扉を開けて待っています
さあ あともう少し
不思議のつづきを あなた自身の夢の中で
今夜 お送りしたアルバムは
ジミー・スミスで 『ミッドナイト・スペシャル』
フライトのお供をいたしましたパイロットは
わたくし ○○○ でした
■ 掌編① ― 白夜の妖精 ―
地平線が白む 夏
夜が途切れたことを確かめて
極彩の妖精たちが 一斉に羽化する
青い山脈にたつ雨雲に見守られながら
潮に洗われる海藻の微笑み
香り立つ甘い花弁の欠片から
木の葉の滴り
せせらぐ柔らかさの中
鹿が踏む落ち葉の下から
アスファルトに響くハイヒールの踵
広げられた新聞と
入れたてのコーヒーカップ
忙しく鍵を掛けられた自転車
信号を待つひと
くるま
追い抜いてゆく路面電車と
海峡を渡る連絡船
火花を飛ばして打ちつけられる 玄翁
高炉の炎は 赤い舌を伸ばし
朝のオーブンは パンを焼く
当たり前を繰り返し強要されたランドセルと
時計を見ながら走り去るOL
休む事に疲れたダンサーが激しく踊り
男どもの酒場は 朝まで眠らない
しかし ここの妖精たちは 「夜」 には生きられない
短い夏が 閉じられようとする
ずいぶんと待たされた北極星
無残に切り落とされた羽を踏みつけて
天上の舞台にさっそうと登る
酒場は閉店し
閑とし
解雇されたダンサーたちの くゆらせる紫煙が揺れる
時計の止まったバスターミナル
片方脱げたハイヒール
干からびたコーヒーカップ
用無しの風に舞う新聞紙
倒れた自転車
従う者のいない信号が "進め" と "止まれ" を繰り返し
その横を
レールだけになった路面電車が通り過ぎる
水門は閉じられ
火を失った灯台が 主人の帰りをいつまでも待っている
老人の匂いを残した亡霊たち
ひそひそ話しか聞こえないパン屋と
煙が途絶えた 影だけの煙突たち
はげ山が一つ
黒い海と
灰色の空
■ 掌編② ― 夜明け前に ―
もうすぐ 夜が明ける
― 東の空が チリチリ 朝を追い立ててきた
ヒクイドリたちの囀りを合図にして
コウモリたちも 闇への帰り支度を始める
さて 今夜の獲物たちを 今一度 横一列に並べてみよう
他人の歌で踊る事しか取り柄のない 気取ったブルーシャツ
自分の生きざまをクールだと思い込んでた 鄙もの
キャリアのすべてを イチしか出ないダイスで摩りつくした 失望の淵の羊
自分の絵の天邪鬼さを自慢していた 天才画家
恋人と 家族と 言葉を同時に失った ハンサムなご主人
人を殺したことの無い 殺人狂の軍人2名
弁護士を弁護する弁護士
生まれてすぐさま この世の9割がペテンだと悟った 赤子
上出来の夜の 売られた魂の 血の杯に ― 乾杯!
人は いつまで ソレを「私」に譲るつもりなのだろう
昇華されず あるいは
神の目を免れんと地に潜り コソコソ
大きな声で話せないでいるものたち
図書を知らず
字が読めず
真理に迷い よって
その当てられた光の正しさの種類を言い当てる事もできない 子供たち
船は流されたと信じていたもの
実は動かず
故郷が お前達を置き捨てて 走り去ったことに気が付かず
しかし 時はすでに おそし
もう 偽りの幸せを手に入れたものたちの
安らかしに思えた夢の時間は 過ぎ去った
また再び 赤と青の太陽が昇る
無言が暴れ 踏み荒らす雑踏の
炎に包まれた霊柩車が行きかう ただ
嫉妬だけを積み重ねて 咆哮するものたち
よって汝ら 明晩ふたたび「私」の瞳にすがり
汝ら 終わらぬ懺悔を大声で叫び続けるであろう
「あの頃は良かった」 と
明星がちょうど地平線に消えたころ
夜は こう言い残して 栖へ帰っていった
■ 詩訳 ― 狼 北へ 原作 柳田國男 ―
死助の方より 走れる原
木の葉散り尽くす 秋のくれ
向こうの峯より 何百の狼が群れ来る
恐ろしさ 絶えず 樹の梢にのぼる
その下 おびただしき足音して
北の方へ行けり
それより遠野郷には 狼 すくなくなれり
■ 連コラ ― タイトルは最後に決まる [25] ―
* * * *
徒刑の鎖につながれた シベリアを
ソヴィエト社会主義のシベリアに 創り変えよう
― スターリン
圧力をかけろ!
殴れ!
搾り取れ!
アフガンツィーの黒いチューリップのように
煤けた 真っ黒な空を見上げた
2001 ―― ミールは どこへいった
* * * *
コンパートメントの中には シアノバクテリア
スプリッギナが 壁や天井の陰で ところ狭しと蠢いていて
簡易ベッドのシーツの下では エディアカラがはい回っている
誤解を招くような塵は 何一つ落ちていない 琥珀色のワックスが光る通路
AK47を肩に ブルーグレーの兵士
流し目で客室を睨みながら スローモーに何度も往復している
トンネルを抜けると 眠れない街が窓の外に現れた
朝の風景すべてが 赤いルビーのような光に包まれている
9時18分
駅からは 学生っぽい若い男女が同室になった
二人ともヒッピーで 両者の耳たぶには 赤いルビーの星が揺れる
「 この街では 今も、ニコライ2世の幽霊が出るのよ 」
と 女の子が言う
「 それは ひょっとして こんなヒゲを生やしてて
"愛こそすべて" とか言ってるのかい? 」
本人らだけに分かるジョークなのか
二人はケタケタと ロシア語で笑った
私は笑えなかった
さっきから
赤いパッチのSORBと
赤い首輪のシャライカが
私たちのコンパートメントの前で 何度も立ち止る
酔っ払ったような目のシャライカ
言いがかりをつけるように 鼻を鳴らすが
リードの主は3人の外国人を見ると
今夜は何事もなかったと報告するために 控室に向かって消えた
従業員のフリをした 太った女
作業服の胸には GRU 双頭の鷲のエンブレム
一度もこちらを見ず
通路にモップを掛けながら いなくなる
続いてやって来たのは ネイビーブルーのFSB
幼さが残る青い眼が コンパートメントの中を除き込む
「早く寝ろ、消灯だ」
と ネイビーブルーの帽子の奥で命令する
「 ここは沈黙の街よ 早く寝ないと ニコライ2世が出るわ 」
3人は ランタンの火を落とし
油臭いムイロのにおいが残るシーツに潜った
灰色がかった紺色の闇が コンパートメントの隅々まで漂う
まだ 誰かに監視されているような気がしてならない
私は 密告される事を恐れるように 夢におちた
黄金虫のような戦車が 巨大なルビーを砲撃している
脚が骨になったロバ それに乗った小さな男
第1次世界大戦 レニングラードの掩蔽
韃靼人が 熱した銀で司教の目を焼く
無言の ジャララバードの帰還兵
それから 注射器が 弾丸のように降ってきた
その一つが 私に当たった
注射針の中のヘロイン が 私に注入される寸前
目が覚めた
ディムコボのキリンの角が 私の腕をつっついていた
悲鳴のような汽笛がひとつ
8月の雪が舞うなか 赤いテールランプの灯火
おお! どこへ行ってしまったのか?
私の 黄金の 春の日よ
あとに 粉雪が沈黙した
* * * *
マイアミ・ビーチ
M16
鉄を打て !!!
赤星勲章 煙
煙
煙 3本足の重低音
煙
レーニン勲章 鎌と槌
レーニン勲章 鎌と槌 ブルブル
AK47 AK47 AK47 AK47 AK47 AK47 AK47
労働赤旗勲章 ブルブル
十月革命勲章 ウラル
ウラル ―― もうすぐさ
人民友情勲章 ウラル ウラル 白樺 白樺 白樺 白樺
第1等祖国戦勲章 ウラル 白樺 白樺 白樺 白樺 白樺 白樺
ウラル
血の上の教会
祖国功労勲章
聖アンドレ勲章 錆びたトカレフ
それより ウォトカ ウォトカ ウォトカ
* * * *
鵞鳥が ガア ガア ガア
やっこさん ガリガリと 歌を書く
朝から 晩まで 歌を書く
眉に皺よせ 知恵をしぼって
歌を書く
さあて ギターがポルカを弾きだした
もう暫くの辛抱だわ やがて
ほっと 息がつけるのよ
* * * *
この世のおわり
世界のおわり
月は 雪花石膏のシャンデリアのように輝いてる
『ブルハン・ニザム・シャーⅡ』 だってさ
つまり ここでは
君が拾ったのが ダイヤモンド てこともある
* * * *
リンゴの花 ナシの花
朝靄をゆく 若いカチューシャ
鳥よ 乙女よ 歌よ
遠い国境の兵士に
届けておくれ
彼は 聴いただろうか
彼は 思い出すだろうか
愛すべき祖国を守る 彼は
リンゴの花 ナシの花
朝靄をゆく 若いカチューシャ
鳥よ 乙女よ 歌よ
遠い国境の兵士に
届けておくれ
― update 2026.6.22
■ 古典鑑賞 ― 「草の雨」 與謝蕪村 ―
與謝蕪村 (1716-1784) の俳句には 静寂がある
だから
ココロを乱す 五月雨「さみだれ」 ではなく
「さみたれ」のほうが 美しい場合も
(a) さみだれや 仏の花を 捨てに出る
(b) さみたれや 仏の花を 捨てに出る
誰かの命日 仏壇の花を捨てに出たら 雨だった
心みだれるか?
いや さみたれ の しんみり感のほうがいい
(a) さみだれの うつほ柱や 老いが耳
(b) さみたれの うつほ柱や 老いが耳
うつほ柱 とは 雨どいの柱の垂直部分 ― 今の建築には無い
老いが耳の静かさからは さみたれ がいい
(a) さみだれの 大井越へたる かしこさよ
(b) さみたれの 大井越へたる かしこさよ
ココロの冷静さ「かしこさ」に掛かるなら さみたれ
大井川の激しさを強調するなら さみだれ
(a) さみだれや 大河を前に 家二軒
(b) さみたれや 大河を前に 家二軒
仲が悪い二軒の家だから ここは さみだれ かな
もはや 二軒とも誰も住んでいないなら さみたれ だけど
(a) さみだれや 名もなき川の おそろしき
(b) さみたれや 名もなき川の おそろしき
これは 心が さみだれるほど 小川が おそろしく増水してるのか?
あるいは 怪談のような不気味さの さみたれ か
私は (b) の怪談風のほうが好きですけど・・・
(a) さみだれや 美豆の寝覚めの 小家がち
(b) さみたれや 美豆の寝覚めの 小家がち
美豆(みづ)とは 淀の木津二川付近の歌枕
― 平安時代に皇室の牧場があったとされる
しとしと 雨音に目がさめたけれど まわりはほとんど家もない
そんな寂寞感からは さみたれ
さて 蕪村の俳句には ほかにも色々な雨の表現が出てくる
草の雨 祭りの車 過ぎてのち
ここの祭りは 葵祭 (五月十五日)
葵祭の車といえば 六条御息所の愛車破損事件・・・
しかし そんな事は昔のこと と 今も静かに雨は降る
いやいや 今も 草葉の陰で恨んでいるのが見えたか?
この俳句は 実は ココロ静かじゃないのかも
五月の雨に 「さみだれ」を使わず 「さつき雨」とした蕪村
湖へ 富士をもどすや さつき雨
私は この「さつき」は 花のサツキ ではないかと思う
雨の日 琵琶湖の湖畔で サツキの花を見た時に
同じく雨の日の 富士のふもとに咲くサツキの花を思い出したのだ
何か 映画のオープニングのような俳句
さつき雨を 本来の意味である 「田植雨」 に置き換えてみると
(a) 小田原で 合羽買うたり 皐月雨
(b) 小田原で 合羽買うたり 田植雨
一気に 小林一茶の俳句のようになった・・・
(a) さつき雨 田ごとの闇と なりにけり
(b) 田植雨 田ごとの闇と なりにけり
早乙女のワークソングである田植え歌が聞こえてきそう
一日中働いたけど 田植えが終わらない・・・
さいごに 何も言わない 雨
宵よいの 雨に音なし 杜若
「さみたれ」 すらもつかないと あまりに淋しい雨になる
杜若からは端午の節句を つまり 子供を連想するが
音もなく雨はふる とは その声がしない 静かさ
つまり 子供を亡くした五月の雨 を俳している
■ 朝4時の詩歌 ― 五月雨 ―
ながめに 苦しや 時鳥
夢にも
近づきたか や
声 ききたか や
かれて 咲いた
海棠と うつりしは
かの人と知るぞ
袖の夜も あけざる よし
( 2023.5.11の再掲)
■ ジジ雑庵 ― 黴 ―
梅雨 ― 黴雨
「ツユ」 の 季節的な嫌な響きは この カビのイメージからか
カビは真菌 ... DNA核(カプセル)がある
つまり 少々の敵(細菌、ウィルス) には強い = しぶとい
カビの何が問題かというと カビ毒
― マイコトキシン ― これは人体にとって有害物質
なぜ カビは梅雨時なのか?
カビの発芽条件 : 20℃~30℃
湿度60%~ 70%がベスト
有機物がエサ 酸素は必須
カビは胞子で増殖する そして 休眠もする
― 胞子の状態では 熱や乾燥につよい
胞子の寿命は 数か月 長いもので1~2年
カビには 良いカビ と 悪いカビ (人間にとって)
ペニシリン
1928年 フレミング博士 が発見
青カビの一種 ペニシリウム・ノタツム(P. chrysogenum)
― ぶどう球菌よりも強い
麹
コウジカビ
黄色は日本酒・醤油・味噌
白は焼酎
黒は泡盛 に
― みんな 私の役に立っている
カツオブシ
アスペルギルス属やユーロティウム属
おもに水分を抜く仕事をする
より強いカビ (カビ毒の強さ)
白カビ(綿状) (ケカビやクモノスカビなど)
< 青カビ(ペニシリウム属)
< 黒カビ(クラドスポリウム)
< コウジカビ(アスペルギルス属)、同じ黒カビのスタキボトリス属
スタキボトリス属 ... 最強クラスの毒
(マイコトキシン 特にトリコテセン系)を吐く
アスペルギルス属 ... 発がん性物質である「アフラトキシン」を生成
さて どうすれば カビを防げるのか?
カビキラー
水酸化ナトリウムが カビ細胞の表面バリアーを分解
次亜塩素酸塩が カビ細胞自体を酸化・分解
風呂場の銀イオン
イオンの還元が カビの細胞膜を破壊する
一般に 加工食品には 添加物が加えられている
たとえば 食パンの「保存料」では
pH調整剤や酢酸Na
乳化剤(脂肪酸エステルなど)
いろいろ噂されている イースト・フード
パン酵母(イースト菌)が カビ菌よりも強いから という説
― ホントかな?
主成分の 塩化アンモニウム は イーストのエサ
だから イーストを増やせばいい という論理か?
― 生物的 経験的に どうも納得できない
* * * *
小学校時代の給食のパン
食べ残した場合は 「パン袋」 に入れて家に持って帰った
しかし これを机の中に忘れて帰ると
翌日 あるいは 月曜日には
パンは無残にも 青カビだらけになった
こんな経験は 私だけではナイハズ ・・・
さて その私の小学校時代 (実話)
S という
マッド・サイエンティストの卵のような
好奇心旺盛な
小学生の私にとって とてもクールな友達がいた
ある日 二人で
この給食のパンを放置したら どうなるんだろう となった
放課後
教室の掃除道具箱(ロッカー)に 食パンを一枚 放置して帰った
しかし数日 あまり変化がなかった
なので こんどは 湿った雑巾を食パンに掛けて帰る
すると 翌日
期待どおりに 綿毛のような白いカビが浮いてくる
― さらに もっと濡れた雑巾を掛けて帰る
翌日 こんどは 緑色のカビが現れた
― 期待どおりの展開に 二人の顔には笑みがこぼれた
数日くりかえすうちに
食パンは 見事に緑色に覆われた
さらに 数日後
― 緑の草原に 黒い何ものかが ぼつぼつと現れはじめた
このころから Sは 毎朝
掃除道具箱(ロッカー)の戸を開けるたびに
雄叫びを上げるようになる
うひゃ~ 〇〇 見てみぃー!
そして 食パンはついに 真っ黒になった
― 緑の草原は 黒に喰われたのだ!
それから数日後の朝 Sが
まるで殺人事件の現場を目撃したかのような 悲鳴をあげた
うぎゃぁ~!!!
黒カビの上に 赤いヤツが現れた!
しかし ここで 担任の先生が言った
「 みんなの健康のため カビの観察はもう終了しなさい 」
これにて 好奇心の大航海は 幕切れ
あの時の二人は どこへ行ったんだろう ・・・
