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身近な平和は、心の平安から

中国古典「菜根譚」から

忙しさの中で、ふと心が波立つことがあります。
他人の投稿に焦りを感じたり、自分だけが取り残されたような感覚になったり。
今の時代、私たちの心はいつも外の情報にさらされ、静かで穏やかな場所を見失いがちです。

そんな時、思い出す言葉があります。

「禍(わざわい)は心多きより禍なるはなし、唯(ただ)平心なる者、始めて多心の為に禍なるを知る」

菜根譚

これは、中国古典『菜根譚』の一節。意訳すれば、

「災いというのは、心があれこれと多くのことを思い悩むことから起きるものだ。心が平らかで落ち着いている者だけが、初めて“多心こそが災いのもと”と気づくことができる」

という意味です。


多心とは「欲」や「比較」から生まれる

あれもこれもと欲を出しているうちは、決して心の平和は訪れません。
「もっと評価されたい」「もっと稼ぎたい」「もっと誰かに認められたい」……。
こうした気持ちが芽を出すことは、人間として自然なことです。

しかし、それが過剰になればなるほど、

  • 焦り

  • 嫉妬

  • 被害意識

  • 攻撃性

といった“心の波風”が立ち始めます。

SNSを見ていると、まるで他人の成功が自分の失敗のように錯覚してしまうことがあります。

「自分には何もない」
「こんなことをしても意味がない」

そんな気分になった時こそ、この言葉を思い出してほしいのです。


比べることで起きる“心のいさかい”

私たちは、無意識のうちに競い合っています。
見栄のため、安心のため、あるいは自分の立ち位置を確認するために。

しかし、比べることは、自分の価値を下げる最も強力な罠です。

比較の中で生まれる「嫉妬」は、やがて「自分が正しい」と思い込む頑固さを育てます。
そしてそれは、他人への不寛容に変わり、人間関係のいさかいを引き起こすのです。

家庭の中でも、職場でも、学校でも。
“心が落ち着いていないとき”にこそ、言葉が鋭くなったり、態度が乱暴になったりしがちです。

心に余白がないと、人に優しくなれません。


平心をつくる「余白」のすすめ

“平心”とは、静かで穏やかな心の状態。

けれど、情報にあふれた現代では、放っておけば「多心(=心が忙しすぎる状態)」になってしまいます。

では、どうやって平心をつくるか?
その鍵は、“余白”を意識的に作ることにあります。

  • スマホを見ない時間をつくる

  • 朝の10分だけ何もしない時間を持つ

  • 深呼吸をする

  • 空を見上げる

  • 紙に書き出して、頭の中を“見える化”する

こうした小さな行動が、心にスペースをもたらします。

余白ができれば、他人の言葉や態度にも反応しすぎずに済みます。
そして、他人を攻撃する必要もなくなります。


「自分の心を整える」ことは、身近な平和への第一歩

私たちが本当に欲しいのは、他人より勝つことではありません。

安心して過ごせる空間。
信頼できる人との関係。
そして、自分自身への肯定感。

それらはすべて、“落ち着いた心”から生まれます。

身近な人と笑い合える時間も。
子どもの声に優しく耳を傾けられる余裕も。
職場での柔らかなやり取りも。

自分の心が整っていなければ、育てることはできません。


最後に

『菜根譚』の言葉にある通り、

「多心は禍を生む」

だからこそ、“平心”をもつことが、人生において最も静かで強い防御力になるのだと思います。

誰かと比べて焦るより、自分の内側を整えることに集中しましょう。SNSやマスメディアを切って、静かな時間を送る。

その静かな強さが、あなたのまわりに穏やかな空気を広げていきます。

心の平安が、身近な平和を育てる事に繋がります。

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