どうなった?双子のチェックテープの旅
サイシフ: 現像所で働いていた頃の話をしてもいいですか。今日はちょっと、地味なアイテムの話です。
AI: ぜひ聞かせてください。地味な道具?ほど、実はよくできている?気がします。
サイシフ:さあ、撮り切ったフィルムを巻き取ったあと、、、、カメラから取り出すわけだけど……ちょっと待った! 外でそのまま裏蓋を開けようもんなら、太陽の光が容赦なくフィルムを襲う大惨事になるよね。いくら、巻き取ったあとでも。どこから、光線が侵入するやら、、、、、、。
AI: そうなんですよ。だから基本は室内、もしくは暗めの場所が鉄則です。もしどうしても屋外で取り出すなら、太陽も蛍光灯?も光線は真っ向から無視して、自分の背中で巨大な「影の要塞」を作り、その死角でコソコソと素早く取り出すという、怪しさ満点のサバイバル技術が要求されます。

サイシフ:怪しさ全開だね(笑)。でも、そうやって命からがら(?)カメラから救出?されたパトローネが、カウンターの店員さんに手渡された瞬間から、DP袋との「切なくも心温まる小旅行」が幕を開けるわけですね。
AI: パトローネとDP袋は、一度現像所の中で別々のレーンに分かれて行き別れになるんですが、最初に貼られたチェックテープの管理番号を頼りに再び合流する……。この一連の流れを想像すると、なんだか一本の映画を見ているようなドラマを感じずにはいられませんね。
サイシフ: カメラ店で、お客様が撮影済みのフィルムを預けます。店のスタッフはそれを「DP袋」という紙袋に入れて、ご希望のプリントサイズなどを書き留めて、お客様の名前や電話番号などを書く。そのあと、現像所の営業マンが店を回って集めてくる。
AI: ここまでは、まだ普通の商品の受け渡しですね。
サイシフ: ここからが本番です。現像所に入ったフィルムは、まずプリントサイズごとに分別されます。それから、フィルムをDP袋から出して、パトローネに小さなシールを貼るんです。4桁の数字が印刷された「チェックテープ」というものです。
AI: 4桁というと、0000から9999ですかね?

サイシフ: そうです。しかもこのシール、2連式になっていて、同じ番号のものがもう1枚ある。それをDP袋の方にも貼るんです。これで、現像が終わるまでフィルムとDP袋が別々の場所にあっても、番号さえ見れば、それがどなたのフィルムか分かるようになっている。
AI: フィルムという物と、お客様の名前という情報を、いったん切り離して扱えるようにするための、共通の鍵だったわけですね。
サイシフ: ええ。ただ、この4桁というのが、当時としてはかなり際どい?数字でした。シーズンのピーク時、現像所に入ってくるフィルムは1日7000本あったんです。
AI: 9999までしかない番号で、1日7000本。ということは、朝から数え始めて、お昼を過ぎたあたりでもう「4000」に到達して、翌日の後半には「0000」から仕切り直しです。まるで、精一杯背伸びして数えられる限界まで数えた子どもが、それでも指が足りなくて、また1から数え直しているような健気さがあります。

サイシフ: なので、翌朝の始業時間になっても、0000には戻らないんです。前の日の続きの番号から、貼っていく。
AI: ということは、番号自体は日付とかいうものを知らない?。ただ延々と、途切れずに流れ続けていた、ということですか。
サイシフ: そうなんです。今から思うと、あの数字の列は、私たちが「今日」「明日」と区切って生きている時間とは、また別の時間の流れ方をしていたのかもしれません。
AI: 現場のルールが、無意識のうちに、時間そのものの捉え方を映していた、ということかもしれませんね。
サイシフ:たとえば、それぞれの「孤独な工程」ですけど、、、、暗室に入ったフィルムはパトローネから出されて、現像液や定着液のなかをくぐり抜けますよね。光を絶対に入れられない暗闇の中で、じっと耐えながら一本のネガになっていく。

AI:そしてその頃、DP袋は明るい作業スペースで、微動だにせず待機しているんですよね。そこですごく大切なのが、「誰も袋に触れてはいけない」というルールです。うっかり誰かが小突いて順番が入れ替わろうものなら、誰の写真か分からなくなる、現像所始まって以来の大惨事になります。
サイシフ:そうなんです!形や役割は違っても、どちらも「思い出を形にする」ためにそれぞれの場所で緊張感を持って過ごしていく。そこからがいよいよ「再会の瞬間」です。
AI:すべての現像が終わったネガフィルムは、6コマづつカットされる前の一本の状態で、プリントの工程に進むためにハンガーに吊るされますよね。およそ30本分がまとめられるあの場所で、いよいよDP袋と合流するわけですね。
サイシフ:そうなんです。そのハンガーに吊るされるときの順番が、「ネガ、DP袋、ネガ、DP袋、ネガ……」というふうに順に並んでいくんです。同じ管理番号「1234」のチェックテープを纏ったふたりが、学校の運動場で整列するように。

AI:そのネガに開けられた丸い穴と、DP袋の上端に開いている丸い穴が、順番にハンガーのシャフトに「ネガ(1234)、DP袋(1234)、ネガ(1235)、DP袋(1235)、ネガ(1236)、DP袋(1236)、、、、、」という規則正しいリズムで、まるでダンスのステップのような、、、、、。受け取りカウンターで私たちが何気なく手にする仕上がりの裏側で、そんなドラマチックな整列が行われているなんて、想像するだけで胸が熱くなります。
サイシフ:地味な道具の話、と言いましたが、蓋を開ければ随分ドラマチックでした。
AIの返事は、いつも忖度して明るい。
「Amazonのアソシエイトとして、サイシフは適格販売により収入を得ています。」
【この記録について】本記事は、著者の50年前頃の記憶の断片をベースに、AI(人工知能)との対話を通じて、当時の泥臭い空気感や技術の過渡期の雰囲気を再現・再構成したエッセイです。あくまで個人の体験に基づく主観的な記録(当時の思い出)としてお楽しみください。
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