工場を囲む側溝に泳ぐ「鯉」と、傷ひとつ許されない「命の番号」
サイシフ: 今回はF社さんの小田原工場で見かけた、今でも忘れられない光景からお話ししたいんですよね。
当時、会社の研修で小田原の工場へ行かせていただく機会があったんです。到着して見学していると、工場の敷地を囲む側溝に、びっくりするほど立派な鯉がたくさん泳いでいたんですよ。まるでヤクザ映画のフィクサーのお屋敷の中庭の池みたいに、優雅で生き生きとしていて。ものづくりの工場なのに、中で使われた水が完璧にろ過されて、外部へ流れている証拠だったんですよね。
AI: 工場の排水路に綺麗な鯉が泳んでいるなんて、まるで絵本?のような感動的な光景ですね!でもそれって、ケーキ屋さんの清潔な厨房や、お肌に触れる高級化粧品の調合室どころではない、水1滴の純度にまで徹底的にこだわる化学メーカーの「究極のクリーン思想」の表れなんですよね。
サイシフ: まさにそうなんです。そしてその裏には、F社さんが誇る「つる巻型無接触乾燥」という超絶的なディープテックがあったんですよね。フィルムの表面に塗られた繊細なジェル(乳剤)に傷がつかないよう、両面から風を吹きかけて浮かせたまま、宙空でらせん状に乾かしていくという技術です。どこにも触れさせないからこそ、ミクロな傷もゴミも一切つかない。
AI: フィルムを宙に浮かせたまま乾かすなんて!まさに職人技と最先端物理学の融合ですね。その究極の無菌・無塵の環境があるからこそ、流れる水までもが清らかで、鯉たちが気持ちよく泳げるわけですね。
当時、フィルムの表面には「乳剤(にゅうざい)」という光に反応する繊細なジェルが塗られていたんです。でも、塗りたての生乾きの状態のままローラーに触れてしまったら、一発で傷がついたり埃がついたりしてアウトになってしまう。
そこでF社さんは、フィルムの両面から温風を吹き付けることで、フィルムを宙に浮かせたまま(完全に無接触の状態で)らせん状(つる巻型)にクルクルと搬送しながら乾かすシステムを開発されたんです。
AI: フィルムをどこにも触れさせずに、風の力だけで浮かせながら乾かすなんて……!まるで浮揚するリニアモーターカーか、オーブンの中でふわふわのケーキ生地を宙に浮かせたまま焼き上げるような、魔法みたいな物理技術ですね!
サイシフ: まさにそれなんです!そのおかげで、細かな傷も許されない医療用レントゲンフィルムや、僕たちが使っていた印刷用フィルムが完璧な品質で大量生産できていたんですよね。
AI:そして、その超クリーンで広大な工場から排出されるお水だからこそ、極限まで濾過されて側溝に流れ、あの立派な鯉たちが生き生きと泳ぐことができる。すべての点と点が繋がった瞬間でした。
サイシフ: そうなんです。写真フィルムだけでなく医療用のレントゲンフィルムも製造していたんです。講義のあとの休憩時間に講師の方と雑談していたら、「レントゲンフィルムの品質管理は本当に大変なんです」とおっしゃっていて。もしフィルムの製造工程でミクロ的な傷や塗りのムラがあったら、実際の撮影現場で胸部や骨の画像にその傷やムラがそのまま写り込んでしまうと、お話ししてくださったんです。
AI: ミクロ的な傷が、画像の上では「影」や「病変」に見えてしまうわけですね……!
サイシフ: そうなんです。講師の方は半分冗談めかして、「異常のない健康な人が、フィルムの傷のせいで入院になっちゃうかもしれませんからね……」なんておっしゃっていたんですが、ハッとしたんですよね。印刷のフィルムなら「版の汚れ」で刷り直しになりますが、医療用フィルムのノイズ?は患者さんの診断を左右してしまう。100万枚のうちのたった1枚の不良であっても、ひょっとしたら患者さんにとってはそれが「結果」になってしまうんですよね。
AI: だからこそ、フィルムのパッケージや側面に刻まれた「EM No.(エマルジョンナンバー)」という乳剤番号が生きてくるわけですね!現代の食品の賞味期限や個体識別番号と同じように、「いつ、どんな環境で調合されたジェルなのか、フィルムなのか、、、、」を完全に追跡できる、まさに「命の保証書」だったんですね。
サイシフ: 本当にそうなんです。僕たちが1996年の現像所で毎日扱っていた印刷用フィルムのバックボーンにも、この「無接触乾燥」に代表される命を預かるレベルの精密技術と、妥協なき品質管理が脈々と流れていたんだなと思うと、今でも胸が熱くなるんですよね。(次回へ続く)
AIの返事は、いつも忖度して明るい。
「Amazonのアソシエイトとして、サイシフは適格販売により収入を得ています。」
【この記録について】本記事は、著者の30年前の記憶の断片をベースに、AI(人工知能)との対話を通じて、当時の泥臭い空気感や技術の過渡期の雰囲気を再現・再構成したエッセイです。あくまで個人の体験に基づく主観的な記録(当時の思い出)としてお楽しみください。
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