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「“ごめんね”って、母に言われた瞬間、胸がつまった」
――十全総合病院で見た、“距離があった親子の心が重なった日”
80代の母は、長年ひとり暮らしをしていた。
「迷惑かけたくない」が口癖で、
子どもたちとは年に一度、年賀状を交わす程度の関係だった。
ある日、転倒して救急搬送され、**十全総合病院(西条市)**に入院。
連絡を受けた娘が、十数年ぶりに母と再会した。
「“ひとりで生きてきたつもりだったけど、寂しかったんよ”」
病室に入るなり、娘は言葉を失った。
母は思っていたよりも小さく、弱っていた。
しばらく沈黙が続いたあと、
母がかすれた声でこう言った。
「…ごめんね。ひとりで平気って言いながら、
ほんとはずっと、寂しかったんよ」
「“なんで気づけんかったんやろう”って娘がつぶやいた」
帰り際、娘はナースステーションで泣いていた。
「ずっと“元気そう”って決めつけてた。
母さんが寂しいなんて、考えたこともなかった。
…なんで気づけんかったんやろう」
認定調査で聞いた「“会いに来るだけ”が救いになるケース」
調査中、MSWがこう語った。
「高齢の独居患者さんが、ご家族と再会できるだけで、
QOL(生活の質)が目に見えて上がることがあります。
“ただ会いに来る”――それだけで、人生が変わるんです」
十全総合病院には、
**“遅すぎない再会を支える医療”**があった。
「“ありがとうね、顔見れてよかった”って母が微笑んだ」
数日後、母は静かに旅立った。
最期に娘の手を握り、こう言った。
「ありがとうね。顔見れてよかった。
…ほんまに、ありがとう」
十全総合病院は、
“人生を締めくくる再会をくれる病院”だった。
