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「遺漫YUIMAN」26「8マン」

「8マン!おねがい あたしをゆるすといって」
「エ 8マン…ゆるしてちょうだい」
(「8マン」平井和正・桑田次郎)

平井和正さんが亡くなってもう11年になります。平井さんは「ウルフガイ」「幻魔大戦」で知られますが、最初のヒット作は原作を手掛けた漫画「8マン」でした。
8マンは殉職した刑事東八郎の意識と記憶をもつスーパーロボットです。鋼鉄の体に閉じ込められた人の魂は、ロボットというよりサイボーグです。正義のために悪と戦いますが、悪を倒してすべて解決という明朗快活な物語は少ないです。
光線兵器の巻の水沢博士は、夫の復讐のため国際ギャング団のボスを殺そうとします。8マンは彼女に人殺しをさせまいとします。彼女は死の間際に改心し、8マンに許しを請います。8マンは許すと言い、彼女は安らかに死んでいきます。しかし、彼女を救うことができなかった8マンは自分を許すことはできないのです。
魔女エスパーの巻の小島ナミは、事故によりもう一つの人格が生まれ、超能力を得ます。魔女人格は両親の仇を殺そうとし、8マンはそれを防ぎます。魔女人格は消えますがナミも死にます。彼女は死の間際に、8マンに許しを請い、安らかに死んでいきます。しかし、彼女を救うことができなかった8マンは自分を責めるのです。こんな物語が60年以上前に少年漫画として描かれていたのです。平井さんは「ウルフガイ」でライトノベルの元祖として評価されていますが、漫画のレベルアップにも大きな功績があると思います。人を救えない自分を許すことができない主人公を平井和正さんはこの後も書いていきます。その呪縛は平井さんの後期の作品「月光魔術団」の鷹垣人美と「幻魔大戦deep」の雛崎みちるによって解放されたと思います。
「8マン」はアニメ化され、原作者自らが脚本を書いています。現在(2026年1月)Youtubeで公開されています。日本のテレビまんがが手塚治虫や平井和正の物語で始まったということは、今に至る日本アニメにとって大きなことだと思います。最初期から青少年向けドラマの萌芽があったということです。


 

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