春を告げる名古屋桜巡り|香積院の一本桜と徳川園の美(名古屋)
はじめに
名古屋の街に、ソメイヨシノの開花が告げられました。まだつぼみがほころび始めたばかりの、初々しい春。ですが、今日の私の目的はソメイヨシノだけではありません。この時期にしか出会えない「シダレザクラ」や「早咲きの桜」の美しさを求め、愛機とともに街へ出かけました。
特に印象深かったのは、昭和区の杁中(いりなか)にひっそりと佇む古刹と、東区にある広大な大名庭園。歴史が息づく二つの「和」の空間で出会った春の表情を、写真とともにご紹介します。
香積院
撮影の始まりは、昭和区にある香積院(こうじゃくいん)です。貞享4年(1687年)に建立されたこの古刹には、源頼朝ゆかりと伝わる山門(多聞寺の山門を移築したもの)があります。その重厚な山門をくぐった瞬間、目の前に現れたのは、樹齢約120年を誇るシダレザクラの大樹でした。






ソメイヨシノよりも一週間ほど早く、毎年3月20日前後に見頃を迎えるこの一本桜は、まさに名古屋に春を告げる存在だと感じました。花をたっぷりとまとった枝がやわらかく垂れ下がり、春の光を受けて淡くきらめく様子は、息をのむほどの美しさでした。



鶴舞公園
続いて訪れたのは鶴舞公園。ちょうどシダレザクラからソメイヨシノへとバトンが渡されるタイミングでした。ソメイヨシノはまだ1割ほどの咲き始め。満開までは、もう少し時間がかかりそうでした。



名古屋市市政資料館
地下鉄を乗り継ぎ、名古屋市市政資料館へと向かいます。重厚な赤レンガの建物に映える、鮮やかなオオカンザクラ。こちらの桜は、先週あたりがちょうど見頃のピークだったのかもしれません。ここは建物自体の佇まいがとにかく素晴らしいので、ついつい桜と一緒にファインダーに収めたくなる、フォトジェニックな場所ですね。


名城公園
その後、名城公園へ。新しく姿を現した「IGアリーナ」を背景におふけ池の北側へ進むと、ここでもシダレザクラが、咲き始めたばかりのソメイヨシノを優しく見守るように咲いていました。





なごや観光ルートバス「メーグル」
名城公園から最後の目的地である徳川園への移動には、なごや観光ルートバス「メーグル」を初めて利用しました。地下鉄だと駅から少し距離がある場所でも、メーグルなら「徳川園・徳川美術館・蓬左文庫」バス停が園の目の前にあります。そろそろ足が疲れてきた私にとって、このアクセスの良さは本当にありがたかったです。
なごや観光ルートバス「メーグル」は、名古屋駅(バスターミナル11番のりば)を起点に、名古屋城や徳川園、栄など、市内の主要観光スポットを巡る観光向けのルートバスです。おおむね1時間半ほどで1周し、効率よく移動できるのが魅力。1日乗り放題の「1DAYチケット」は大人500円で、沿線施設の割引特典もあります。火曜〜日曜の運行(月曜運休、祝日の場合は翌日)なので、利用を考えている方は曜日だけ少し注意が必要です。
今回は市バス・地下鉄で使える「ドニチエコきっぷ(620円)」を使用。メーグルでもそのまま使え、提示するだけで徳川園の入園料が300円から240円に割引されるのも嬉しいポイントでした。
徳川園
風格ある「黒門」をくぐると、そこで迎えてくれたのは、まさに今が盛りといわんばかりに咲き誇るトウオオカンザクラ(唐大寒桜)でした。ソメイヨシノよりも一段と鮮やかなピンク色が、歴史ある大名庭園の風景に美しく映えていました。
香積院で感じた凛とした「静」の美しさに対し、こちらは心が浮き立つような「動」の華やかさ。久しぶりに訪れた庭園の情緒を慈しむように、一コマ一コマ、丁寧にファインダーに収めました。







庭園をゆっくり歩くのも、久しぶりでした。



おわりに
ようやく自宅に帰り着いて、ドサッと椅子に腰を下ろしました。香積院から徳川園まで、名古屋の歴史と春を追いかけて歩き回った一日。最後の徳川園では、立派な庭園を前にして実は足がガクガクしていたのですが、いい大人になってこれほど夢中で写真を撮り歩いたのだと思えば、なんだか心地よい疲れに感じられます。
源頼朝ゆかりの山門が守る静かな桜と、尾張徳川家の威容を今に伝える豪華な庭園。性格の違う二つの和の風景を同時に味わえたのは、本当に贅沢な経験でした。
今、パソコンを立ち上げて、今日撮った写真をチェックしながらこの記事を書いています。あの場所で流れていた時間をゆっくりと噛みしめながら、一日の終わりを楽しもうと思います。
Sakak
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