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【文字起こしと考察】イオンモール熊本 爆発事故 記者会見──情シス・インフラ視点で読み解く「想定外」とBCPの課題

2026年7月29日に行われた、イオンモール熊本の爆発事故に関するイオン株式会社・イオンモール株式会社の記者会見。前回の記事では、会見内容をテーマ別に整理したダイジェスト版をお届けしましたが、今回は現場の緊迫感や質疑のリアルなやり取りをそのままお伝えするため、「会見の文字起こし」を掲載します。

なお、本記事は録音データをもとに独自に文字起こしを行ったものですが、音声が不明瞭な箇所等が含まれる可能性があり、完全な正確性をお約束するものではありません。あらかじめご了承ください。


【2026年8月1日 訂正のお知らせ】
公開後にいただいたご指摘を受け、録音データを再確認のうえ、以下の点を中心に訂正いたしました。

  • 回答者の判別が難しい箇所があったため、「記者」「会社側」で統一

  • 省略されていた質疑応答の有無を再確認し、不足していたやり取りを追加

  • 人的被害の数字整理、タンク位置の表現、フードコートの位置情報など、事実関係の正確性を向上

タイトルも「全文文字起こし」から「文字起こし」に変更しております。 ご指摘いただき、ありがとうございました。

【2026年8月6日 追記:事故原因に関する最新報道について】
本記事は2026年7月29日に実施された記者会見の文字起こしであり、当時の状況と発言をそのまま記録したものです。

会見時点では「爆発原因は未確定(消防の正式見解待ち)」とされていましたが、その後の8月5日〜6日の報道により、経済産業省や警察・消防の調査で「施設に供給されていたLPガスが爆発した可能性が高い」との認識で一致したことが明らかになっています。また、ガスを供給していた企業からも関係当局の調査に全面的に協力する旨の発表がありました。

これにより、会見時の質疑応答で焦点となっていた「ガス爆発の可能性」については、国や関係機関の調査レベルで濃厚となっています。 ただし、本記事のテーマである「なぜ多重の安全対策(遮断弁や検知器など)が機能しなかったのか」「なぜ避難後に人が館内に残ってしまっていたのか」という、設備運用やBCP(事業継続計画)の根本的な課題については、現在も調査が続いています。

当時の緊迫した現場の状況や、未確定な状況下での経営陣の認識・初期対応を知るための記録として、会見内容をお読みください。

【2026年8月12日 追記:避難後の再入館について】
本記事は7月29日時点の記者会見の文字起こしですが、その後、8月11日にイオン側から新たな公式発表がありました。

会見当時は「再入館は許可していない」「(入ったとすれば)ルールからの逸脱行為」と説明されていましたが、その後の内部聞き取り調査の結果、車通勤者の帰宅困難などを理由に、現場の判断で貴重品回収などのための「一時入館を認める事実があった」ことが判明しました。これを受け、同社は従業員が勤務時に貴重品を携帯できるようルールを変更する方針を示しています。

以下の文字起こしは会見当時の発言をそのまま記録していますが、その後の調査で事実関係(特に再入館の経緯)が大きく更新されている点にご留意ください。読者の誤解を防ぐため、該当する質疑箇所には(※筆者注)として最新の事実関係を補足しています。

記者会見 文字起こし(2026年8月1日 訂正 )

■日時: 2026年7月29日

■出席者:

  • 吉田 昭夫 — イオン株式会社 社長(会見では「イオンの吉田」と発言)

  • 大野 恵司 — イオンモール株式会社 社長

【会社側 冒頭説明】

会社側: はい、それでは本件についてご説明をいたします。昨日発生いたしましたイオンモール熊本の爆発事故により、尊い命を失われた方々がおられる事態を招きましたこと、大変重く受け止めております。慚愧の念に堪えません。お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様に深くお詫び申し上げます。また、負傷されたお客様には多大なご心痛をおかけしております。一日も早いご回復を願っております。関係するすべての皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。

現在も建物内には取り残されている方々がおられ、救出活動が続いております。今は一刻でも早く救助されることを心より願っております。救助活動が続いている状況ではありますが、お亡くなりになられた方々、ご遺族の皆様、負傷された皆様に対し、当社として誠心誠意対応していく所存でございます。

現時点で把握しております経緯をご説明させていただきます。7月28日当日は夏休みということもあり、約3,000名のお客様にご来店をいただいておりました。16時27分ごろの地震発生直後、館内放送および従業員たちの巡回により、まずは揺れが収まるまでの安全確保を行いました。揺れが収まった後、屋外への避難誘導を実施いたしました。17時頃に、お客様および専門店並びにグループ従業員がイオンモール熊本の平面駐車場に避難をいたしました。その後、約50分後の17時50分ごろ、イオンモール熊本の南側中央部付近において爆発が発生いたしました。警察・消防へ即座に連絡をし、関係当局との協力のもと、当ショッピングセンターの専門店並びにグループ従業員約2,700名(これがイオンモール熊本に勤務する総数でございます)の安否確認に努めました。

現時点において当社として把握しておりますのは、3名の安否確認ができておりません。人的被害については、お亡くなりになられた方3名、心肺停止の方1名、当日負傷により緊急搬送された方4名を確認しております。現在も救助活動にあたってくださっている警察・消防・自衛隊をはじめ、関係機関の皆様に心より感謝を申し上げる次第でございます。

当社は本件を当社施設で起きた事故として重く受け止め、自衛隊・消防・警察をはじめ、関係機関の皆様のご指示に従いながら、被害に遭われた方々の救済に必要な支援を最大限行ってまいります。このような結果となりましたことを深くお詫び申し上げます。この後、質疑に入らせていただきます。

【質疑応答】

記者: 今回の爆発によって亡くなられた方、心肺停止の方、救急搬送された方がいらっしゃるということですが、それぞれの属性を伺えますでしょうか。また、3,000人のお客様がいらしたということですが、お客様の被害はなかったということでしょうか。さらに、従業員の方が迅速にお客様を避難させたとのことですが、避難のルールや基準がありましたら伺えますでしょうか。

会社側: 属性については専門店の従業員様でございます。我々としてはお客様は全員避難誘導完了ということで、いわゆるイオンモール熊本のテナントさんとして勤めていただいている従業員の方々ということです。3,000名という数字は、その時間に館内にお見えになったお客様の数と認識いただければと思います。夏休みということもありまして、通常の平日よりはかなり多くのお客様がお見えの状態だったとご理解いただければと思います。マニュアルについては、地震が発生した段階でまず避難を開始します。従業員およびテナントさんにもご協力いただきながら、テナントさんは自分のお店の近くのお客様をまず誘導していただく。我々の方でもトイレや館内の各部分を確認した上で、お客様を外に誘導したというのが状況でございます。基準については、震度3でも4でも必要となる対応については実施しております。火災・地震の訓練は定期的にしております。

記者: 地震発生が午後4時半でした。そこから爆発まで1時間半弱ありましたが、その間、現場に残っていた従業員の皆さんがどんな作業をしていたのか詳しく教えてください。残って作業するという判断は従業員判断だったのか、責任者からの指示だったのかも教えてください。また、今回のケースは災害時の訓練に入っていたのでしょうか。

会社側: 本日、現地に入り実際に避難誘導をしたマネージャーとミーティングをして確認をしてまいりました。避難誘導については約30分で従業員を含めてほぼ誘導ができたということであります。亡くなられた方がなぜそこから1時間館内にいたのかは我々としては認識しておりませんが、「一旦避難は完了したけれども、車のキーや帰る支度を取りに戻った」という発言もありました。ただし確認が取れているものではありません。社内ルールとしては「一旦避難した者は中に入らない」というのがマニュアルのルールになっています。
(※筆者注:8月11日の公式発表にて、実際には車の鍵や身分証などの回収要望に対し、個別に一時入館を認めていた事実が確認されました。)

ガスの設備についてですが、ショッピングセンターはガスを使います。都市ガスが使えるところは都市ガスを導入しておりますが、熊本はLPGを使っておりました。専門業者で施工していただき、基準をクリアした状態で設置されているものと認識し、2005年の開店時から使用しております。

記者: 爆発の原因について、ガスが漏れていたという報道もありますが、どう把握されていますか。過去にガス漏れ事案はありましたか。

会社側: 現場の状況からガス爆発の可能性が高いという見解も出ておりますが、消防から正式な見解が出ておりませんので現段階で確定することはできません。我々が持つ情報は全て消防と共有し、原因究明に最善の努力をしていきます。過去にガス漏れ事案はございません。

記者: 爆発現場付近にフードコートなど、ガスが漏れる可能性がある施設はありましたか。考えられる要因として推測されているものがあれば教えてください。

会社側: 今回の爆発があった場所そのものには飲食店はなく、供給管の経路の途中になります。フードコートはずっと東側にあり、飲食店は北側に位置しています。そこに対して供給管が走る構造です。原因の推測については、消防の見解をきちっと確認してからにすべきと考えており、今はお答えできません。

記者: 熊本においてはガスというのは飲食店の調理や空調に利用していたものとなるんでしょうか。LPガスのタンクはどこにあったんでしょうか。災害時の漏れへの対策(遮断弁など)はどうなっていましたか。

会社側: その通りでございます。タンクは建物の外、敷地南側の道路沿い、ショッピングセンターに入る導入路のあたりにございます。丸いタンクです。遮断弁や安全装置はあり、供給タンクのところや飲食店内に個別についています。一定の揺れ等があると作動する状態です。ただ、今は人命を優先した上で、どういう状況だったのか消防と一緒に原因を追求する段階です。

記者: 遮断弁の基準(震度いくつで下りるかなど)は把握されていますか。ガスを用いた発電設備はありましたか。

会社側: 明確な基準は今答えられませんが、定期自主点検は2026年3月12日、法定点検は2026年6月10日に行なっております。自主点検は年1回、法定点検は種類によって4年ごとなどです。発電設備については導入しておりません。

記者: 前回の2016年の熊本地震を受けての耐震化や対策はどうでしたか。今回の爆発リスクはマニュアル等で予見されていましたか。

会社側: 10年前の熊本地震で被害を受けた際、新耐震基準に基づく設計施工で復旧させており、国の耐震基準をきちんとクリアした建物であると理解しています。今回のような供給ガスによる爆発事故は過去にも東日本大震災の時にもなく、この規模の爆発は初めてのケースであり、想定しきれませんでした。

記者: 現在の現場でどのような救助活動が行われているのか、施設の損傷状況(何箇所で爆発したかなど)を教えてください。また、今後の対応体制はどうなりますか。

会社側: 今日、現地の救助活動をしていただいている皆様の対策本部にもお邪魔をさせていただき、非常に灼熱の中、昼夜を問わず救出活動をしていただいております。自衛隊の方、警察の方、本当に頭が下がる思いです。損傷は2階部分が非常に大きく、南側の一角に集中して大きくえぐれているような爆発の仕方をしております。集中的に壊れているのは1箇所です。今後の体制としては、現地対策本部と幕張の本社でも対策本部を立ち上げ、連携して対応してまいります。

記者: タンクの容量はどれくらいですか。地震発生時に緊急遮断装置は正常に作動したのでしょうか。地震発生から爆発までにガスの供給が継続していたのかも教えてください。タンク内の残ガス量は把握されていますか。 会社側: タンク容量は9,367キログラムです。遮断装置が作動したか、供給が継続していたか等は現在調査中です。地震当時の残量や現在の残量についても、今の時点では把握できておりません。専門機関に情報を提供して特定してもらう形になると思います。今は人命救助を最優先としております。

記者: ガスの配管は震度7を想定した仕様でしたか。防災拠点になっていると承知していますが、町と協定を結び防災拠点になっているが、経産省から補助を受けてバルクタンク(LPガス災害バルク供給システム)を設置していたか。災害時の避難所としての可能性や今回発生したことについてどうお考えですか。 会社側: 基本的には新耐震基準を満たす設計を採用しております。バルクタンクシステムにつきましては、申し訳ありませんが、現時点では把握しておりません。これまでも当施設は一時避難所や物資供給拠点として務めてまいりましたが、今回こういったことがございましたので、一斉点検を直ちに始めております。

記者: 「予見ができなかった」とのことですが、事実として亡くなられている方がいます。ガス管が外れ充満して火がついたことについてどうお考えですか。 会社側: 予見できれば対策を打ちたかったですし、こんな事故を起こしたくはありませんでした。我々の施設で人命を失うということの重さを切に感じており、冒頭申し上げたように慚愧の念に堪えず、心より深くお詫び申し上げます。まずは人命救助に全力を挙げ、同じことを起こさないようにどうしていくかが次に大切になると理解しております。

記者: 一旦避難した人は中に入らないということですが、戻った可能性もあるとのこと。なぜ従業員が入ってしまったのでしょうか。誰かが許可したのでしょうか。

会社側: 今日現地で避難誘導したマネージャーと直接話してまいりました。かなりパニックになっており、お客様もものすごい数の方が外に出る中で、人の動きを制御したり止めたりという行動をとるのが難しかったとのことです。みんな避難するのに精一杯で、人が戻ったりしたことの認識はその時点ではできなかったということでありました。「中に入っていいよ」というアナウンスはありません。
(※筆者注:館内一斉アナウンスはなかったものの、その後の調査で現場レベルでの個別の一時入館許可があったことが判明しています。)

記者: 社長が直に現地に入られ、崩れた建物を見た感想はいかがですか。 会社側: 崩れた建物を見たときは非常に衝撃的な感想を持ちました。救助にあたってくださっている方の環境を見て、どれだけお礼を申し上げても足りないぐらいの労力を使っていただいていると感じました。

記者: 専門店の従業員さんというのは、イオンモールの社員とは違うのでしょうか。誘導はどのように行われましたか。店舗数はどれくらいですか。従業員の内訳を教えてください。 会社側: ショッピングモールの中には226店舗のテナントが入っており、それぞれ色々な会社の方が入っております。従業員は3つの区分があります。専門店(テナント)の従業員、イオンモールを運営しているイオンモールの社員、もう一つはイオン九州(地元の会社でGMSを運営している会社)の従業員です。マニュアルではイオンモールと専門店の従業員が連動する形になっており、専門店の従業員さんは自らの専門店や最寄りの通路を歩いているお客様に一番近い避難経路を指示して誘導します。イオンモールの従業員は全体を把握するという形です。お客様の誘導は約30分ぐらいで終えて、落ち着いて誘導できたと聞いています。

記者: 地下を通って館内に入っている配管について、今後どう考えていますか。配管の耐震基準について詳しく教えてください。 会社側: 実際に今回こういうことが起きておりますので、我々の施設の安全性をきちっと担保することがまず必要だと思っています。配管の耐震性などの専門的な領域については、この場で正確に答えられることができません。基本的には専門業者に発注し、国の基準をクリアした形で施工しています。各自治体とも、一時避難所や物資供給といった災害時のサポートについて、どこをきちんと確認していくべきか進めてまいります。

記者: 安否確認の方法について教えてください。 会社側: 震度5以上の地震などがあると、システムから従業員に安否確認を発報します。「大丈夫だ」と返ってきたらチェックし、リターンがない場合は直接電話をしていくというステップでやっております。当日出勤していない人も含め、所属する約2,700人全員に対して行いました。

記者: 爆発した具体的な場所を示せるところはありますか。館内の配管はどう通っているのでしょうか。 会社側: 図面上の中心部の南側、下のあたりで損傷がひどいのでこの辺りではないかと考えております。これが1階か2階かについては消防が調査中です。館内の配管ルートについては今日はご用意しておりません。地下を通って館内に入り、上に上がる構造です。

記者: 当日は3,000人のお客さん、出勤していた従業員を合わせるとどれくらいが館内にいたということですか。爆発時にどれくらいの従業員が残っていたという認識でしょうか。 会社側: 当日出勤の従業員はローテーションがあるので1,300〜1,500人程度で、合計で4,500〜4,600人ぐらいかと思います。お客様の誘導が30分で済み、爆発まで50分ありましたので、当初は全員避難が完了したという認識でした。しかし安否確認が取れない人がおり、一部の人が何らかの理由で中に残っていたということです。理由はわかりませんが、一旦避難したあとに戻ってしまった人がいるのではないかと推測しています。亡くなられた方は実質、館内にいた方ということです。

記者: 安否確認システムで連絡が取れないと気づいたのは爆発の前でしょうか、後でしょうか。爆発の一報を受けた時は建物内に誰もいないと考えていたのでしょうか。 会社側: システムは避難時から動いていますが集計に時間がかかります。爆発の一報を受けた時はそこまでの全体把握はできておらず、現地対応を最優先にするよう指示しました。その後、対策本部が立ち上がり、SNSや現地からの電話や画像などで被害状況をリアルタイムに把握しました。最初は現地からの連絡が一番早く、その後SNSの画像が上がってきました。

記者: 10年前の熊本地震の被害後の復旧と対策について教えてください。当時、ガス設備に被害はありましたか。 会社側: 当時も建物が傷んだため、建物点検をして床もやり替え、補強した状態で営業を再開しました。耐震基準をクリアする状態まで持って行きました。10年前の震災時はガスは完全に止まっており、ガス設備に被害などは特になかったです。

記者: イオンモールではLPGを災害時に活用する想定はありましたか。 会社側: 熊本においては災害時に活用するという想定はありませんでした。

記者: お亡くなりになられた方と安否不明の方が合わせて7名ということになると思いますが、この方以外は残っていなかったという認識でしょうか。トイレで救助された方もいると伺いましたが。 会社側: 現地で確認した段階では、他に残っていないという認識でした。ただ、1名の方だけがトイレにいらして救助されたというケースがございました。この1名は、先の「緊急搬送4名」には含まれておりません。確認は取れていませんが、今の認識としては、死者3名+心肺停止1名+トイレで救助された1名+安否不明3名=計8名の方が爆発時に館内におられたという現状の認識でおります。それ以外は避難したということです。

記者: 施設の概要と、地震と爆発による損傷の割合を教えてください。また、全ショッピングモールのガス設備を見直すのか、個別の原因を精査するのか、どうお考えですか。 会社側: 敷地面積が207,000平方メートル、延床面積が120,000平方メートル、売り場面積が84,000平方メートル、駐車場が5,000台(2層)です。外側から見た状態としては爆発部分の損傷が大きく、地震による損傷はあまり見受けられませんでした。一部避難する時にガラス片などで怪我をされた方もいると伺っています。今後の対応としては、イオンモール熊本の原因究明と同時に、全国のイオンモールで緊急点検をスタートさせることを決めております。

記者: 爆発時に館内にいたのは専門店の従業員ですか。なぜ戻ってしまったのでしょうか。館内でガスの匂いはあったかどうかも教えてください。ガスの供給会社は全国で同じですか。選定プロセスはどうなっていますか。

会社側: 専門店の従業員様でございます。専門店の方だから残ったというわけではありません。ガスの匂いについては消防にも報告していますが、避難時から50分時間が空いており、避難の初期段階で匂いがしたという話は従業員からは聞いておりません。ガスの供給会社は地域によって違う地元の業者様です。開業当初から地元の業者様と取引しております。選定はいくつかのところにお声がけし、工事規模や価格などを査定して最終決定しています。現時点で社名の開示は難しいです。

記者: 営業が難しい店舗数は把握されていますか。

会社側: 特定の店舗というより、施設躯体そのものに負荷がかかっておりますので、広範囲にわたってやり替えないといけないと思います。基礎や梁の歪みなど、建物の半分ぐらいやり直す大掛かりな工事になるのではないかと想定しております。

記者: 死傷者の数の確認ですが、搬送された4人は地震の怪我であり、亡くなった方や心肺停止の方、トイレで救助された方は含まれていないということですね。

会社側: はい、入っていません。地震の影響で負傷し緊急搬送された方が4人、お亡くなりになられた方が3名、心肺停止の方が1名、トイレで救助された方が1名、安否確認が取れていない方が3名、という認識です。

記者: 県の災害対策本部の発表と人数が合わないようですが。

会社側: 我々のカウントと県が出されている数字のマッチングはしていないため、我々としては先ほど申し上げた数字がすべてでございます。

記者: 避難後、駐車場にいた時に爆発が起きたのでしょうか。駐車場に残っていた方への誘導はありましたか。

会社側: 基本的には平面駐車場に避難し、その後は自宅に戻られる流れになります。爆発時に駐車場に何名の方が残っていたかは把握できておりませんが、爆発時に駐車場にいて被害に遭われたという報告は今のところ受けておりません。爆発時にさらにそこから誘導するということはなかったかもしれません。

記者: 防災訓練はいつ行われましたか。外に出た後、中に戻らないようにする訓練はありますか。

会社側: 直近では2026年の5月27日に行なっております。避難後の中への立ち入りについては、現地のマネージャーに確認したところ、非常に入り口が多い中で、手分けして「戻ってはいけない」とアピールしながら回ったとのことでした。涙ながらに報告を受けました。

記者: 従業員の中に「揺れが落ち着いたから一旦戻るよ」と言っていたという話は聞いていませんか。

会社側: 聞いていません。もし聞いていれば絶対にダメだと止めたはずです。

記者: 一番ガスの供給量が多いゾーンはどこでしょうか。また、「戻るな」と説明している理由は何ですか。

会社側: 飲食ゾーン(レストラン)とフードコートになります。フードコートは2階の、いわゆるイオンスタイルの横にあるフードコートです。戻ってはいけない理由については、大きな地震(震度7のような)の後は余震(5ぐらい)が来るため、二次被害を防ぐためです。ルールからの逸脱行為があったかもしれませんが、現場の人間としては「入るな」と叫びながら手分けして走ったと聞いております。

記者: 戻った人がいたとすれば自己判断の可能性があると思うが、訓練やマニュアルの徹底が甘かったということになるのか。

会社側: 専門店を含めた訓練は年2回実施しており、ルールに沿った行動を取ってもらうことになっています。お客様の誘導については徹底されていたと思います。その後の従業員の行動は、ルールからの逸脱行為には該当すると思います。「徹底的でなかったのかと言われれば、そうかもしれません」。しかし現場では「入るな」と叫びながら手分けして走っていたと聞いております。
(※筆者注:8月11日の発表では「避難後の規定やマニュアルが無かったことが現場に判断をゆだねる結果につながった」とマニュアルの不備を公式に認め、今後のルール改定(勤務時の貴重品携帯)を発表しています。)

司会: よろしいでしょうか。それではこれにて会見を終了いたします。失礼します。

おわりに――「想定外」を次の安全設計へ繋ぐために

今回の事故は、法令や建築基準を満たし、定期点検をクリアしていた施設であっても、大規模災害時には予期せぬ事象が発生し得るという厳しい現実を突きつけました。 現場の対応や個人を責めるのではなく、設備・IT・人・運用が組み合わさったシステム全体の中で「どこに盲点があったのか」を客観的に検証すること。それこそが、今後のインフラ保全やBCPを真に実効性のあるものへと進化させる唯一の道です。今後の専門機関による詳細な調査報告を、引き続き注視していきたいと思います。

Sakak

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