標準管理規約とは何か?管理規約との違いと、理事会が知っておくべき使い方
分譲マンションの管理について調べていると、
必ずと言ってよいほど出てくる言葉が
「標準管理規約」です。
一方で、理事会役員の方からは、
標準管理規約って、必ず守らなければいけないもの?
うちのマンションの管理規約と何が違うの?
管理会社に「標準管理規約どおりです」と言われたが、それでよいの?
といった疑問をよく聞きます。
この記事では、
標準管理規約の位置づけと、理事会としての正しい向き合い方
を整理します。
標準管理規約とは何か
標準管理規約とは、
国土交通省が作成・公表している「管理規約のひな形」です。
分譲マンションの管理規約は、
区分所有法に基づいて各マンションごとに定める必要がありますが、
一からすべてを考えるのは容易ではありません。
そこで、
法律との整合性
過去の判例
実務上の課題
などを踏まえ、
「一般的にはこのように定めるのが望ましい」
という形で示されたものが標準管理規約です。
また、標準管理規約は時代の移り変わりに合わせて、ほぼ毎年何かしらの変更が加えられています。
標準管理規約は「守る義務」があるのか
結論から言うと、
標準管理規約の全項目をそのまま守る義務はありません。
標準管理規約は法律ではなく、
あくまで参考となるモデルです。
そのため、
マンションの規模
築年数
居住実態(居住用・賃貸併用など)
によっては、
標準管理規約をそのまま当てはめると
実態に合わないケースもあります。
重要なのは、
「標準管理規約と同じかどうか」ではなく、
「合理的かどうか」という視点です。
但し注意点として、
区分所有法等関連法規に定められているルールがある場合、
それらに違反することはできません。
例としては総会の開催要件などがあげられますが、
これだけで記事1本分ぐらいの分量になるため、今回は割愛致します。
管理規約との違いを整理する
ここで、
標準管理規約と管理規約の違いを整理しておきます。
標準管理規約
国が示した「ひな形・考え方」管理規約
各マンションで総会決議により定められた、実際に適用されるルール
つまり、
実際にマンション内で効力を持つのは
管理規約のほうです。
標準管理規約は、
管理規約を見直す際の「物差し」や「参考資料」
として使うものだと考えると分かりやすいでしょう。
なぜ管理会社は「標準管理規約では~」と言うのか
理事会で検討をしていると、
管理会社から
「標準管理規約では~と定められており・・・」
と言われる場面があります。
このように言われた場合の多くは、正論を述べているものの、
それだけで納得してしまうのは注意が必要です。
例として、私が理事会に対して標準管理規約を基準に説明する場合、
国の考え方であるため、無難な解答が出来る(説明責任を果たしやすい)ことが主な理由になります。
そのため、
標準管理規約が「そのマンションにとって最適かどうか」
は別の話であるケースも多数あります。
あなたのマンションにとって考えるとどうか?
という視点で考えてみてください。
理事会が知っておくべき「標準管理規約」の使い方
理事会として重要なのは、
標準管理規約を「正解集」として扱うことではありません。
例えば、次のような使い方が有効です。
現行の管理規約が、現在の標準管理規約と比べてどう違うか確認する
なぜ違いが生じているのかを整理する
その違いが、今のマンションの実態に合っているかを考える
このプロセスを踏むことで、
「なぜこのルールなのか」を
理事会自身が理解できるようになります。
総会に上程する際の注意点
管理規約の改正を行う場合、
最終的な決定は総会で行われます。
そのため、前回の記事でも触れたとおり、
理事会での事前整理が極めて重要です。
なぜ見直しが必要なのか
標準管理規約のどの考え方を参考にしたのか
改正しない場合のリスクは何か
こうした点を整理したうえで、
一つの案として総会に上程し、賛否を問う
という流れが基本になります。
標準管理規約を「主体的に使う」ということ
標準管理規約は、
管理会社に任せきりにするための資料ではありません。
理事会や区分所有者が、
自分たちのマンションのルールを考えるための道具
として使うものです。
マンション管理を
「よく分からないから任せるもの」
にするのではなく、
「理解したうえで主体的に判断できるもの」
にしていくために、
標準管理規約は、
非常に有効なヒントを与えてくれます。
おわりに
標準管理規約を知ることは、
専門家になるためではなく、
判断の土台を持つためにあります。
理事会役員として、
あるいは区分所有者として、
「なぜこのルールなのか」を説明できる状態を目指すことが、
マンションの適切な維持管理と、
将来の資産価値につながっていきます。
本記事が、
管理規約や理事会運営を考える際の
一つの整理材料になれば幸いです。
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