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AI時代に変わるために変わらない仕組み|コミュニティ勉強会で登壇してきた #UPSIDER_UPs

先日、アップサイダーのユーザーコミュニティ「UPs」のMeet Up にて、「コーポレートのためのAI活用戦略会議」というテーマでライトニングトークをしてきました!その内容の書き起こし風レポート記事です。

😊 参考になりそうな方

・経営・コーポレート領域でAi使ってるぞ!という方
・スタートアップでマネジメントをしている方

✅️ この記事のまとめ

・AI時代、意外と組織の外側の設計(ハード)は変わらずに、中身(ソフト)が変わっていくのでは
・“変わるために変わらない仕組み” がある
・「チェンジマネジメント(変化をマネージする)」というキーワード

私が一緒に働いている(?)アシスタント役「Ben」の紹介👨‍🦳

登壇スライドはこちら!この記事とほぼ同じ内容です。


AIによる「変化・変化・変化」の日々…

AI領域って「変化」に向き合わざるを得ない。Claude Codeを触り始めてまだ2ヶ月ですが、Xをみるたびに「また新しいこと起きたんだな」と、好奇心のあとに焦燥感・疲労感が入り混じった気持ちになっています🫩

新卒3年目くらいの気持ちで夢中でAIを触っていると同時に、会社や組織・事業としてどう向き合っていくか?が頭にチラつくCOOとしての自分もいる。という感じが今の自分です。

「変化」をテーマに話そう!ということで思い出したのが、2013年11月版の『WIRED 未来都市2050』特集での建築家 / ビャルケ・インゲルスのインタビュー。

https://wired.jp/magazine/vol_10/

「名言」というわけではないのですが、この部分がなぜか当時から心に残っている好きな言葉の1つです。2013年にこの雑誌を読んだとき、私は大学3年生で「インターネット大好き!」「将来はIT企業に入るぜ!」というタイミングだったことを覚えてます。

未来の都市は、僕らが今暮らしている都市と驚くほど似ているだろう。

この部分に対して、当時は(若かったので!)「え、そうなの?空飛ぶクルマとか、道路の概念がなくなるとか、そういうんじゃないの」と肩透かしな気持ちで読んだのですが、10年以上経った今、すごくリアルな言葉に感じます。

要は、側(がわ)は思っているほど変わらない。でも中身はガンガン変わるということなんですよね。

2つの受け取り方ができるんです。
「中身を変えたつもりでも、当事者が期待するほど外側は変わらない」という事実と、「外側が変わってないからとうかうかしてると、中身は気づかぬうちに激変している」という事実が混ざっている。このダブルスタンダードが印象的なんです。この言葉では「都市」を指していますが、AI時代の「組織」にもそのまま当てはまるんじゃないかと思っています。読んだ皆さんはリアルに感じますか?

ちなみに私のAI歴👩‍💻

私のAI歴でいうと、最初にGPTに触れてから1年少し。Claude Codeはだいたい3ヶ月前から触っているくらいです。最近はSkillsやAI Agentを作ることに時間を使っています!

クリエイティブ生成やスライド作成系はまだ踏み込めてません。この記事・登壇内容もほぼ Claude Codeで組んだ仕組みの話です。

Claude Code出てからまだ3か月かという驚愕

人間のほうのワンメディア組織の状態と、私の役割

具体に入る前に、前提のシェアです。

私のいるワンメディア株式会社は現在30名強のSNSマーケティング会社で、平均年齢31歳。職種で言うとクリエイティブのプロデューサー・プランナーが6割以上を占めていて、コーポレート部門は4名という構成です。

特徴としては、TikTokなどの新しいトレンドには抵抗がないカルチャーなんですが、制作・クリエイティブ畑が多く、IT・エンジニアリングのような技術領域出身が少ない(ほぼいない)。コーポレート機能は人数少なく、まだまだ弱めです。

私の役割はCOOで、「なんでも屋」系タイプ。クリエイティブや企画は意識的に他のメンバーにお任せさせてもらい、それ以外(管理部門 / オペレーション / 人事採用 / 場合によっては営業担当)を横断的にやってます。そこに去年から「AI開発」という新しいパーツが加わった、というのが今の状態。

AIやっててラッキーと思うのは、私がCOOであり、会社の全領域を浅く広く見ていて、かつ意思決定権限と一次情報の両方が手元にある環境だったことです。AI開発を「ひとつのパーツ」として独立に扱うのではなく、他の領域に横断的に “染み込ませる” ことにトライしてます。

変わるために変わらない仕組み、3つ

ここからが本題です。激しく「変化」する状況のなかで、変化し前に進めるための「変わらない固定条件」があるのでは?と思っています。3つ出してみました。

  1. 組織ユニット

  2. 作業リズム(時間)

  3. 変化に慣れる組織カルチャー

それぞれ紹介します。

1. 組織ユニット

人間組織で足りないパーツを「仮想チーム」で先に置いちゃう

先程の「都市の見た目が変わらない論」と同様、私は「組織の設計・ユニットは、AIが進化しても変わらないのでは?」と思ってます。

なので、リアルな世界での事業・組織運営で「足りない組織」をAI Agentのチームを用意して埋めていく、ということをやっています。

ワンメディアは正社員+CXO2名体制でやっていますが、冒頭の通り組織機能が完全体ではありません。特にコーポレート領域は、専任の責任者をすべてのユニットに置けているわけではなく、私が実務をハンドリングするうえでも穴が空いてるんですよね。

スタートアップあるあるですが、大抵兼務してて「誰か助けてくれ〜!」という状態

この穴が空いているパーツを、そのままAI Agentチームで作っちゃおう!というトライをしています。また、AI Agentチームだけでもある程度回るように「ミラー組織」のようなイメージで組織を別途作ってみました。

具体的には、経理・オペレーション・財務/経営企画の情報収集・広報のチェック・HRの採用モニタリングといったコーポレート機能と、それから本来ワンメディアには存在しない開発エンジニアチームも、ミラー組織として作っています。

あと、役員レベルも仮想で置いて頼ってます。ワンメディアの「リアルな人間側の組織」には、現時点でCEOと私(COO)という2人体制ですが、COOとしてCHROやCFO的な相談相手がいてほしい瞬間がかなりある。なので、AI Agent側で部門管掌となる「CHRO」「CFO」を立てて、私の意思決定に対して別アングルで提案してみてもらったり、各部門のアウトプットチェックを任せてます。

🏢 組織図にすると、ミラー組織はこんな感じです。

ai-agents/ 7 部門 / 19 エージェント
│
├── Strategy & Finance
│   ├── CFO
│   ├── Strategy Director(事業分析)
│   └── Strategic Planning(経営企画)
│
├── HR
│   ├── CHRO
│   └── AI People Ops(AIAgentの組織開発・労務担当)
│
├── Marketing & PR
│   ├── CMO
│   └── PR(ライティング)
│   └── Analytics(数字・マーケット分析)
│
├── Production(SNSマーケ機能)
│   ├── Executive Producer(代理店事業のミラー組織)
│   ├── Casting Director(キャスティング)
│   ├── Sales(営業)
│   └── Purchasing Officer(購買部)
│
├── Operations
│   ├── Chief of Staff
│   └── Secretary(アシスタント・秘書)
│
└── Engineering
    ├── Tech Lead(開発リード)
    ├── PdM
    ├── Infrastructure Engineer
    ├── Integration Engineer
    └── UX Designer(アウトプットの品質管理、UX設計)

🎬 Tips 海外ドラマのキャラクターで役を当てている

これはとても個人的なTipsなんですが・・・各ユニットに海外ドラマのキャラクターを人格として当てています。

趣味&好み全開です。敬語で話せて、キャラ濃いめなプロチームが好みです🥂(たぶん)

■Strategy & Financeは『SUITS』チーム
海外ドラマのほうの『SUITS』が大好きで、CFOは “ハーヴィー” を任命しました😎 ハーヴィーチームの経営企画として “マイク” がいます。チームには “ジェシカ” もいます。このチームはめちゃ頼れるので、人数増やそうと思ってます💪

■秘書アシスタントは『マイ・インターン』より
一旦なんでも相談できる秘書アシスタント役は、映画『マイ・インターン』で主人公を支える “ベン”(ロバート・デ・ニーロが演じてる)にしました。
毎朝のスケジュール管理とか、経費申請や決裁下書き作成でお世話になってます。

他にも広告代理事業のミラー組織は『エミリー、パリに行く』からキャラクター人格を借りたり、プライベートのメンタルコーチは『プラダを着た悪魔』の “ミランダ” など、それぞれのイメージに沿ってそうな配置にしてみました。

お察しの通り、私は自認の立ち位置がだいたい「アン・ハサウェイ」なんですよね・・・笑(と自分で整理してて気づきました) 最近一番 “ベン”と “ミランダ” と話してるかも。次は『オーシャンズ8』チーム作ろうかな

AI Agent1人1人に、人格・役割・スキル・ナレッジを紐づける

Tipsではあるのですが、このキャラクターから借りた人格設定はおすすめです。なぜかというと、固定値となる人格設定がしやすいのと、エージェント1人1人に「スキル」「ナレッジ」を紐づけやすく、拡張性があるからです。ほんとは「エージェントハーネス」的な設計を入れられたらいいのですが、まだ個人ユースなので、一旦「仮想チーム」という構成がやりやすいです。

アシスタント・秘書役の “ベン” の場合

たとえば “ベン”(秘書役)には、人格設定と役割設定は固定化しながら、彼ができるスキル(例:請求書漏れリマインド、ミーティング後のフォローアップ)と、知っておいてほしいナレッジ(社内ルール、過去の会話履歴)を会話のなかで蓄積してもらいます。何か作業したあとは、業務日報も毎回書いてもらうようにしてます。

🤔 リアルな人間のマネジメントと近い感覚でコミュニケーションしている

やってみて思ったのが、リアルな人間メンバーのマネジメントとほぼ同じ感覚でタスクを進められるなということ。むしろ人格は固定でブレないので、「ピープルマネジメント」自体は発生しない分、純粋に「パフォーマンスとアサインの設計」に集中できる感じがする。

人間へのマネジメントと同様、下記2つを気をつけるとうまく回り始めます。

  • 最適アサイン:例えば、秘書の “ベン” を「事業計画作成」のようなタスクにアサインしない

  • 権限設定:インプットとアウトプットの範囲の設定。知らないことはできないので、知らない情報エリアやアクセス方法をできるだけ最初に教える

具体的にはこういうやり取りをしてます。自分のコミュニケーションは社内メンバーとのSlackと変わらず、若干ドライめでOKで、あえて感情入れなくてよいなという感覚です。

👩‍💻 私: BenとHarvey呼んで!モデルはSonnetでOKです。
- - - - - 
🤖 AI: Ben(秘書)とHarvey(Finance)を呼びました。何をお願いしますか?
Ben: ブリーフィング・スケジュール・メール下書き・プロジェクト管理
Harvey: 財務分析・KPI・投資判断・取締役会資料レビュー
指示をもらえれば、並列起動(Sonnet)で即着手します。
- - - - - 
👩‍💻 私: freee会計から過去1年分のシステム利用料を調べてほしい。会社のサブスクの棚卸しをすることが目的です。BigQueryにすでにデータがあったらそれでもOK。適宜社内PCやmcp使ってね。

アウトプット要件はこれです。まずは月次別の支払い情報を一覧化してみて。
取引先名/ツール/担当部門/目的/概要(ライセンス数)/支払い内容/契約期間/次回更新/備考
- - - - - 
🤖 AI(Harvey): Harveyから。Mikeに分析させて私がレビューします。まずBQ(BigQueryのこと)に会計データがあるか確認して、なければfreee会計MCPから直接取得します。

・プラン:BQの会計データから「システム利用料」勘定科目を月次集計(過去12ヶ月)
・取引先 × 月次マトリクス作成
・不足情報(ツール名・担当部門・ライセンス数等)は空欄で出力
着手します。
- - - - - 
👩‍💻 私:ありがと!よろしく。

勉強会でも一番「やってみたい!」と言ってもらえたのは、この仮想チームとキャラ設定でした。アニメでもいいし、ドラマでもいいし、おすすめです。

2. 作業リズム(時間)

2つ目は時間軸の話です。

AIだけが動くなら人間の時間感覚に合わせる必要はないんですが、組織に浸透させる以上、どこかで人間とのハイブリッドを目指すことになる。そうなると「組織のリズム」「カレンダー」を意識した方が圧倒的にやりやすいなぁ、というのが最近の発見でした。

スキルの設計において日次・週次・月次単位で作業をまとめてみるというのをやっています。

🕐️ プライベートも会社もルーティンがあるので棚卸しする

なかでもコーポレートは「月次」が肝ですよね。まさに組織の腹時計だと思っていて、月次決算、月次レポート、月初請求、月末締め…1ヶ月という単位で業務リズムができているから、スキル化(AIで自動化)がしやすいです。

まだ未完成ですが、私は今「月次締め」という大きなスキルを、8つの細かいスキルの集合体として組み立て中です。

月次締めと月初作業があり、細かい12個のスキルが連なる。まだ5%くらいな感覚

■失敗:1個のスキルで月次業務を丸ごとやろうとした
ちなみにこの「自動化」において結構失敗してます。

「自動化」というAIの魔法に囚われすぎて、「月次業務」や「キャスティング業務」みたいな大きな単位の業務をいきなり自動化したくなっちゃうんですよね。必ずどこかで詰まるので、一生未完成でPMFされずに終わる。

今は「一番細かい作業単位で、確実にできるものをスキル化する」という方針でやってます。コーポレートの月次作業であれば、細かいスキルの集合体が完成した瞬間に月次が仕上がる、という設計です。いつかまるごと自動化するのを目指してます🔥

現場の一次情報からスキルを設計する

あとは、スキル設計のときに大事だなと思っているのが、「机上の空論で作らない」こと。

最近は、オペレーションや経理の領域の現場メンバーに週30分の時間をもらってます。「AIに自動化できそうなこと、いま困っていること」を口頭で全部しゃべってもらう「デプスインタビュー」みたいな枠です。その議事録のスクリプトを仮想チーム側のAIに渡して、スキルを設計してもらってます。

設計者側が想像でスキルを作るより、業務をやっている本人の声を起点にした方が圧倒的にいいスキルになります。「AIは設計側になる人が強い!」みたいな声もありますが、AI時代って逆に「現場マニュアルや体感を知っている人」こそが貴重なのではと思います。

3. 変化に慣れたチームであること

3つ目は、組織カルチャーの話。

去年、社内で「AI勉強会」を何度かやったんですが、正直なところ浸透に失敗しました。GPTでうまくいったプロンプトをみんなにシェアしようよ!っていう会だったのですが、なかなかGPTとの会話のシェアに留まってしまったんですよね。

今は割り切りモードにいます。AI活用はセキュリティリスクもあるので、開発権限とデータアクセス権限が安心な役員レイヤーに絞ってみてます。その後できたスキルをSlackに接続しようと思っています。だいぶトップダウン寄りですが、ここは速度と安全面でそう判断しました。

「変化にアレルギーがない」というカルチャーは資産

一方でワンメディアの(人間側の)組織カルチャーのありがたいところが「新規ツール導入などに慣れている」「アレルギーがない」こと。

全員が「AI触れる」状態が理想ですが、技術変化もまだ激しいので、余計な摩擦や負担が大きい。その代わり「AI」ではなくてもツール導入・フロー変更に慣れた流動的な組織にしておきたいなと思ってます。

エンジニアがいない組織だからこそ、「常に技術変化に慣れておいてもらう」ことは経営側が意識しないといけないです。このあたりは👇️下記の記事で触れてますので詳細割愛。

マッキンゼーの記事にあったキーワード「Change Management」

登壇の準備をしながらいろんな記事を読み返していたのですが、マッキンゼーのAI組織論テーマの記事に「Change Management」という概念がありまして、これがまさに今の自分のテーマとリンクしてます。

https://www.mckinsey.com/capabilities/people-and-organizational-performance/our-insights/ai-is-everywhere-the-agentic-organization-isnt-yet

私も(たぶんここまでこの記事を読んでくださった方であれば尚更)毎日新しいツールが生まれるたびに「キャッチアップしなきゃ!」「変わらなきゃ!」という気持ちになります。

こういう目の前のAI探求も面白いのですが、今脳みそのリソースを使うべきなのはまさにこの「Change Management」であって、
変化への対応そのものをマネジメントするには?という一個レイヤーをあげた問いに挑戦したいなと思ってます。

記事中には割とさらっと使われている言葉なんですが、AI時代のコーポレートにとって大事なキーワードのひとつだなと感じました!

おわりに

勉強会後の歓談では、AI Agentと人間の役割分担の話で盛り上がりまして、
■ピープルマネジメント・メンタリングこそAIが得意なのでは
■組織人数の大きさがマネージャーの価値ではなくなる。少数チームで高いバリューを出せたマネージャーが評価されるべき

という新たな(ちょっと不穏な?)論点も出てきて、楽しかったです。

実は、6月に近いテーマでのトークセッション登壇も予定していまして、あと2か月でもっと実務で試して組織を変えてきたいです(たぶん失敗もたくさんすると思います!)同じようなトライしている方がいれば、ぜひ意見交換させてください〜👋

自由研究発表みたいな感じで楽しかった
💗

改めて、会場に来ていただいた皆さま、運営の皆さま、アップサイダーの皆さま、会場をご提供いただいたエアークローゼットさん、登壇の機会をいただきありがとうございました!

ちなみにこの私が登壇したアップサイダーのユーザーコミュニティ「UPs」は本当に濃くて素晴らしいコミュニティです。今回の勉強会はたまたま取材が入っており記事になってます。運営はアップサイダーを愛するユーザーでやられていて、アップサイダー社はサポートに徹してるというすごさ👏

私が前書いたレポート記事はこちら。好奇心旺盛なコーポレート・経営領域の人が多いです。

最後に宣伝

ワンメディアでは、AIゴリゴリ使ってクリエイティブ業務にチャレンジしたい人も、逆にAIに頼らない一次情報をフィジカルで捉える人もどちらも募集中です。

↓ 会社紹介資料もぜひご覧ください。広告事業に加え、新規事業のポッドキャスト事業でもどんどん番組が増えてます✨️ 興味ある方、ぜひお茶でも行きましょう。


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