息子がくれた、人生でいちばん優しい誕生日
この1か月ほど、私は過酷な時間を過ごしました。
息子は友達から 心理的操作(Manipulate) を受け、 心を揺さぶられ、恐怖を植え付けられ、 「学校へ来るな」というメッセージまで送られました。
その日から、息子は学校へ行くことが怖くなり、 不登校が深刻化していきました。
息子は心を壊し、 学校の名前を聞くだけで怒鳴り、 その裏には “恐怖” しかありませんでした。
私は毎日学校に連絡し、 ドクターにも相談し、 「あなたの対応は100%正しい」と言われました。
息子が自分の意思で「お母さんの家に泊まる」と伝えた日
週に1回、息子は息子の父親の家に泊まることになっているのですが、息子は、父親に不登校の気持ちを理解されていない、と感じてからは、自分から元旦那に 「今日はお母さんの家に泊まる」と連絡していました。
それは、息子が自分の意思で選んだ行動でした。 自分の心を守るために、 「お母さんの家にいたい」と自分の言葉で伝えたのです。
しかし、それが元旦那には気に入らなかったのでしょう。
イギリスでは、不登校は親の責任とされ、 罰金や刑罰の対象になることさえあります。 でも、私たちのケースは違いました。
彼は、私と息子を引き離そうと、 行政に連絡を入れ、 行政の力を利用して 「息子を母親から離すべきだ」という方向へ動かそうとしました。
突然、行政からの連絡が増え、 私の育児を疑うような質問が続きました。
それでも私は、 行政、学校、ソーシャルワーカー、医療機関—— 関わるすべての方と誠実にコミュニケーションを取り続けました。自分軸をしっかり保ちながら。冷静に。ただ淡々と。
息子の心理状態を丁寧に説明し、 息子の心の安全を守るために必要なことを一つひとつ伝え、 息子にとって最善の方法を選び、 行動してきました。
この心理状態を理解できたことは、私に心理学を教えてくださった衛藤先生のお陰だと本当に感謝しています。
私は、誰の言葉にも揺さぶられず、 ただ息子の心だけを見て、 息子の未来だけを考えて、 毎日を戦ってきました。
それでも、息子は七夕を楽しみにしていた
息子の誕生日は七夕。 2週間ほど前から、ずっとそのことを楽しみにしていて、 プレゼントのリクエストは止まりませんでした。
不登校中にも、 数々の社会福祉や学校とのミーティングに私と一緒に出てくれました。本当に過酷でストレスだらけの日々。 学校へ行くことすら怖いはずなのに、 学校で行われたミーティングには「お母さんと一緒なら行くよ」と言って足を運んだ。
ミーティングが終わると、 息子はぐったりして、 帰ってきたら体を横にするしかなかった。
私は行政から「出席率が低い」と、絶えず来る連絡に応え、 状況を説明し、 ありのままの私を見てもらい、 息子を守るためにできることを全部やってきました。
どれだけ元旦那が行政に話を捻じ曲げて「母親が息子を学校に行かない様に仕向けている」と言ったり、息子にも同じことを言い続けたり、 どれだけ嘘をばらまいても、 私は気にしませんでした。
息子の健康状態と、息子が行政に奪われないこと。 それだけが私の最優先だったからです。
そして今日、息子が私をキッチンから追い出した
今日、息子が突然こう言いました。
「入ってこないで!」
そろそろメンタルが限界なのかと思いました。
あまりにも長い時間がかかるので、 「まだ?」と声をかけても、 「まだ」としか返ってこない。
もういい加減にしてほしいと思いながら、 こっそりキッチンに入ると――
そこには、 私の誕生日を祝うために風船を膨らませている息子の姿 がありました。

その光景を見た瞬間、 胸の奥が熱くなり、涙があふれました。
息子は、私を守ろうとしていた
この1か月、 息子は自分の心が壊れそうになりながらも、 私と一緒にミーティングに出て、 自分の恐怖と戦い、 そして今日、 私の誕生日を祝おうとしてくれた。
風船を膨らませるその姿は、 ただの「準備」ではなく、 息子が自分の力で愛を表現しようとした瞬間 でした。
私はその姿を見て、心の底から思いました。
この子は、こんな状況でも、 人を愛する力を失っていない。 そしてその愛を、私に向けてくれている。
🌸 補習校がつないでくれた光
——息子の誕生日の奇跡は、皆様のおかげです。
現地校が不登校になった時、 私たちを支えてくれたのは日本人補習校でした。
補習校という存在、 息子の友達、 保護者の皆さん、 先生方。
そのすべてが、 息子の心を支え、 私の心を支え、 私たち親子をつないでくれました。
運動会で息子が見せた“光”
先週の補習校は運動会でした。 現地校へ行くことすら恐怖でいっぱいの息子が、「 補習校は行きたい」と言ってました。ただ、先週は運動会の日で、大勢が集まる場所が、比較的苦手な彼は、運動会に出るのは、絶対嫌だ、と言ってました。
運動会の数日前、 息子の髪をいつも切ってくださるK子さんに会うために、 「ついでに補習校も行くよ」と言った。髪の毛に人一倍うるさい息子は、K子さんの腕前、お人柄にとても深い信頼を寄せています。幼い頃、肩までかかる長い髪を、絶対切りたくない、と言ってましたが、その髪も、K子さんが息子の気持ちを聞きながら切ってくれた。
彼女の優しさは、まっすぐに息子の心に届いた。
運動会当日
運動会に着いた息子は、 はじめは絶対に参加しないと言っていた。
でも、幼児部から中学部まで、 家族のように支え合う補習校の子どもたちが 一生懸命に頑張る姿を見て、 息子はずっと拍手をしていた。
その拍手は、 息子の心がまだ折れていない証だった。
そして運動会の終わり頃、 息子が言った。
「お母さん、一緒に出たい」ー親子二人三脚だ。
私は涙がこぼれそうになりながら、 息子と二人三脚を走った。
補習校の皆様が、私たちの二人三脚を“涙で”撮ってくれた
その時、 AOIさん、YUKIさん、 息子が中一の時にお世話になった担任の先生 が、 私たちの姿をビデオや写真に撮ってくれていました。
私は写真を撮って、と頼んでいないのに
知らないところでみんなが 支えてくれてました。
でも、撮ってくださった方が こう言って送ってくれました。
「見てて泣けてきちゃって……」
その言葉を聞いた瞬間、 胸が熱くなり、涙が止まりませんでした。
補習校という場所が、 どれほど温かく、 どれほど人間関係が豊かで、 どれほど私たち親子を支えてくれているか—— その瞬間にすべてが詰まっていました。
そして、 息子に気さくに声をかけてくださる保護者の皆様。 気難しい息子の髪を、 いつも優しく丁寧に切ってくださるK子さん。
本当に、皆様ありがとうございます。
あなたたちがいたから、 息子は光を失わずにいられた。
あなたたちがいたから、 私は折れずにいられた。
息子が今日、 私の誕生日を祝うために風船を膨らませ、 “Mum” のマグカップを選び、 カードに 「いてくれてありがとう いっつもサポートしてくれてありがとう」 と書いてくれたその行動。

それは、 私と息子だけで生まれたものではありません。
皆様の支えがあったからこそ、 息子は愛を失わずにいられた。
皆様の温かさがあったからこそ、 息子は人を信じる力を取り戻せた。
皆様の優しさがあったからこそ、 息子は今日、私に「ありがとう」を伝えることができた。
親同士の争いを越えて、私自身が成長したい
——そして今回、思いがけない“変化”が起きた。
私は長年、 元旦那にも、 そのお姉さんにも、 息子のために良い関係を築こうと努力してきました。
どれだけ傷つけられても、 どれだけ誤解されても、 私は諦めませんでした。
でも、異国で経験した辛い思い、苦しい経験、文化の違い、そしてmanipulation。
イギリスに、ここに居てる意味あるかな、と
疑った日もたくさんあった。
息子から酷い対応が返って来たとき、家に帰って来なかったとき、本当に 一人で、ここに居て意味あんのかな?って思った。
でも、息子と息子の父親、叔母の関係は しっかりとサポートし続けてきた。
私は息子と日本に行けないが、私は息子と息子の父親、叔母さんとの休暇、ホリデーを許可しただけではなく、一緒に喜んであげた。
なぜなら、 息子の人生にとって、親族との関係は大切だし、彼のメンタルにもベストだと思うから。
でも、悲しいかな—— 伝わる人には伝わり、 受け取る人は自然と受け取る。これでも悪口を吹き続ける人もいる。
そして今回、 思いがけないことが起きました。
息子が私の誕生日プレゼントを買う時、 カードを選ぶ時、 はじめに「コスメを買ったら?」と提案してくれたのは、 あの元旦那のお姉さんでした。
でも息子はこう言ったのです。
「お母さんはあんまりそういうの興味ないと思う」
そして息子は、 “Mum” と書かれたマグカップを選んでくれました。
きっと息子は、 私が休んだ姿をほとんど見たことがないのでしょう(笑)
その選択が、 私の胸をぎゅっと締めつけました。

そして—— そのプレゼント選びに付き添ってくれたのが、 長年私に敵対心を向けてきた彼女でした。
私はその話を聞いた時、 胸の奥がじんわりと温かくなりました。
もしかしたら—— 私が積み重ねてきた言動が、 ようやく彼女に伝わったのかもしれない。
そして、 年齢を重ねた彼女自身も、 もしかしたら私と同じように、 「成長したい」と思っているのかもしれない。
そう思ったら、 胸が少し軽くなりました。
明日、 私は彼女に感謝のメッセージと共に、 そっと花束を渡そうと思います。
今日、私は世界に向けて伝えたい
子どもは、親を導くことがある。 そしてその瞬間、親もまた新しく生まれ直す。
私は今日、再出発を決めました。 息子と一緒に、もう一度、光の方へ歩いていきます。
