【テレビドラマ】19番目のカルテ/田中泯
テレビ放送自体をリアタイで観ることがほとんどなく、気になる番組は録画あるいはTverやサブスクでの配信で後から観るということになるわけだが、実際はのんびり観ていられる時間というのもほぼ週末に限られてしまうため、当然追いかけられるタイトルもせいぜい1~2本が限界という状況の中、この夏はアニメで言えば「ダンダダン」と知らないうちに2期が終了していた「阿波連さんははかれない」、テレビドラマではマンネリ化に負けずに製作された「放送局占拠」と「19番目のカルテ」を観ていた。
ダンダダン
阿波連さんははかれない
放送局占拠
19番目のカルテ
「19番目のカルテ」は主演が松本潤と小芝風花ということで、小芝風花は私の中で「波よ聞いてくれ」の印象が強烈。おそらく初主演映画の「魔女の宅急便」は劇場で鑑賞したのだがこれは当時、浅野忠信に注目していた関係上小芝風花の印象はあまり強くない。なので、「波よ聞いてくれ」の演技の痛快さがそのままこの人の印象になってしまっている。
波よ聞いてくれ
魔女の宅急便
松本潤に関しては、おそらくこの人の作品て今までに観たことがないと思う。
なのでこの作品しか知らないのだけど、ちゃんと役柄どおりの柔らかい雰囲気を出していて好印象。
それよりなにより、嵐で歌ってた姿をうっすら知っている程度の情報からすると、ずいぶん貫禄がついたなと(笑)、またそれなりに年齢を感じるなと、いや全然悪い意味じゃなくて、ちゃんと大人の姿になってるのが見えて微笑ましい限り。
他にもファーストサマーウイカあたりは、自分のやっていたタイプの音楽の大先輩が彼女が所属していた「BiS」というアイドルユニットと合体して作品をリリースしていた関係上何度か東京まで観に行ったし、最近はすっかり役者として評価されているようで、たしかにクセはありつつも、表現力はかなり高いなという印象。
BiS階段
岡崎体育だとか生瀬勝久だとか、かなり攻めたキャスティングの番組だとは思うのだが、私的にはなんと言っても田中泯なのだ。
日本を代表する舞踊家であり、土方巽を祖とする暗黒舞踏を経由してスタイリッシュに展開した現在のコンテンポラリーダンスの先達である。
土方巽
山海塾
単に私が観ていないだけかもしれないが、田中泯があまり大々的にフィーチャーされたテレビドラマは記憶にない。
映画は彼のドキュメンタリーもあるし、いろんな作品にちょこちょこ出ているし、最近だと「Perfect Days」で踊っていたのが強烈だった。
この「19番目のカルテ」の最後数話において、田中泯の本領発揮というシーンがいくつもあった。
以前、いわゆるコンテンポラリーダンスの人たちの舞踊と共演したり、間近で体験したことが何度もあるのだが、指先や毛髪の揺れにまで神経を張り巡らせ、コントロールして凄まじい緊張感の中で彼らは踊る。
このドラマの中での田中泯は、脚本のある芝居をしながら、その踊りと同様の繊細さ、緊張感を見事に体現していたと思う。
特に、手である。
長い腕、大きな手、節くれだった指。
画面上ではそれが遠目で映されたりアップで映されたりして、必ずしも彼の全身を捉えているわけではないのだが、全身が映っている場面でさえ、腕から指先までの動きを完全にコントロールしているのが見て取れる。
まさに舞踊家としての真骨頂である。
こういうタイプの芸術家は、表舞台に出ない傾向がある中、この人はこうして様々な人とも共演し、メディアにも出演する面も革新的だと言える。
田中泯 / 中村達也(ex. BLANKY JET CITY)
面白いなぁ。
朴訥とした語り口が脚本を詩に変え、動きの全てを舞踊として表現する。
隠れているだけで、じつはこういう表現者は日本にたくさんいるんじゃないだろうか。
田中泯の存在はきっとそういう人たちを表舞台に引きずり出すきっかけになるんじゃなかろうか。
きっと彼の真意はまったく違うだろうけど、私的にそう考えると日本のエンタメはどんどん深く面白くなると思うのだ。
