ワザワイ転じて山芋ウナギ ~とある女子高生の奇妙な回想録~ 序章
書いておこうと決めたものの、さて、何から書き始めたらいいのか・・・
取り立てて顔がいいわけでもなく、スタイルが特別いいわけでもなく、誰にでも好かれるような愛嬌もなく、世の中を水のように変容させながら上手く立ち回る手法も持っておらず、頭は悪くないと思うけど、常にトップを走るような秀才でもないし、一度見たり読んだりしたものをすべて記憶できるような特殊能力もない。
記憶や記録を残せるようなアスリートになるような身体能力もなし、TVに呼ばれるほど趣味に没頭し人生を捧げるほどのヲタクさにも及ばないし、特に文才もない。
賞なんてのも、中学生の時に美術の時間に描かされた『市の交通安全ポスター』で銀賞を取ったことぐらいで、それ以外に記憶がない。
推しのアーティストを思う気持ちは負けないと思うけど、多くのファンは同じように思っているだろうし、自分が一番想う気持ちが強いと思っている人も多いはず。中には驚くほどの情報通がいて、特にお隣りの国では好きが行き過ぎて、好きなアーティストの国民IDを盗み取るようなハッキング技術や、部屋に侵入したり移動場所や宿泊先を入手してしまうよう情報収集力を持つファンまでいる。犯罪になるような事象は別として、どうやって情報収集しているのかレクチャーして欲しいくらい。
と、こういう自分が何故PCに向かって文章を書いているのか?
そんなどこを切り取っても凡人の自分が、人に言ってもきっと信じてもらえない、只の妄想だろうと言われそうなことを書こうとしている。
今でもあれは夢か幻だったかと思うことがあるし、証拠が残っていると言ったとて、夢遊病的に自分が寝ている間にやったのでは?と言われたら、それを否定するだけの材料がない。
それでも、あの種々雑多な出来事を自分の脳だけが引き起こしたとは考えにくいし、あんな古の話や知識なんて見聞きしたことは全くないし、何よりも・・・自分があんなに関西弁を喋れるワケがない(笑)のだから、あれは確かに起こったことだと思う。それも含めて今の自分。
人間の記憶は、時間が経つと少しずつ書き換えられたり、微妙に変化するという。
ならば、日々過ごす毎日に上書きされてしまう前に、まだ記憶が強く残っている間に、今、ある意味自分の時間がある間に、出来るだけ覚えていることを残しておこうと思う。
でも本当は、誰にも話せなかったことだから、自分と同じ経験をした人がいたら、その人がどんな経験をしたのかすごく聞いてみたいし、すごく話をしたい。そして、本当は何だったのかをすごく知りたい。
もし分からなくても経験を共有できたら、もしかしたらそれだけでも・・・なんて期待を持つと、自分の性格上、自分勝手に落胆してしまう確率大なので、それは横に置いておいて記していくことにしよう。
