僕の性癖をこじらせた男たち。初代セーラームーン四天王の話。
セーラームーンって、本来もっとキラキラしたアニメのはずなんですよね。
月。リボン。変身。友情。恋。
本来なら、そういうきらめきの記憶として残る作品だったはずなのに、僕の中でずっと尾を引いてるのは、セーラー戦士たちだけじゃない。
むしろかなりしぶとく残ってるのは、敵側にいたあの4人なんですよ。
ジェダイト。ネフライト。ゾイサイト。クンツァイト。
あの男たちのせいで、たぶん僕の性癖はかなり早い段階でこじれた。
優しい男が好き、とか。かっこいい男が好き、とか。
そんな素直で健やかな話では、もう済まないところまで行ってしまったんですよ。
冷たい男に惹かれる。
危うい男もいい。
情のある悪役が放って置けない。
綺麗なのに性格が悪い男がいい。
静かで格上で、簡単には手が届かなそうな男がいい。
なんなんですか、これ。
でも、たぶん全部あの4人のせい!
しかもやっかいなのが、四天王ってただの「好きな敵キャラ」では終わらないんですよね。
刺さる。狂わされる。こじれる。
下手をすると、好きを通り越して「こんなふうになりたい」まで混線してくる。
男に狂わされてるのに、同時に美しさや気高さに憧れまで抱かされる。くぅっ。
たぶんこれは初恋じゃない。
もっと根深くて、もっと人生に尾を引くやつ。
なので今回は、初代セーラームーン四天王が、どうやって僕の性癖と美意識と面倒な好みをめちゃくちゃにしてきたのか、その話をします。
ジェダイトで、まず「若くて冷たい男」に終わる

ジェダイト、ほんとうに罪が重い。
四天王のトップバッターとして何がそんなに強いかって、まず若いんですよ。 そして何より、どうしようもなく顔が良い。見た目が最高すぎる。
あの少し波打った金髪に、人を見下すような冷たくて鋭い瞳。 首元まできっちり閉まったストイックな軍服風の衣装が、彼の高慢さをこれ以上ないほど引き立てている。
田舎でのほほんと生きていたクソガキだった僕にとって、異世界の同性だったわけで、衝撃だったんですよね。
若くて、顔が良くて、冷たくて、有能ぶっていて、プライドが高くて、でもどこか完成しきっていない。
これがダメっ!
完成された支配者じゃない。 余裕たっぷりの大人の男でもない。 もっと青くて、もっと尖っていて、もっと危うい。
だから刺さる。
ジェダイトは、ただ冷徹な敵幹部というより、「自分は有能で、自分は特別であるべきだ」と思っている若い男の、危うい自意識そのもの みたいなところがあるんですよね。
で、その危うさがそのまま色気になってる。 これが、本当に良くない(つまり最高)。
たぶんジェダイトにやられた人って、人生のかなり早い段階で 「若くて冷たい男」 に弱くなる回路を開かれてると思う。
僕は今も開きっぱなし!笑
しかもジェダイトって、冷たいけど完成品じゃない。 そこがまた最悪なんです。
ただ強くて冷たいなら、まだ遠くから眺めるだけで済む。
でもジェダイトは、崩れそうなんですよ。
プライドの高さも、尖り方も、若さも、全部ひっくるめて「この人いつか折れるのでは?」という危うさがある。
強くあってほしい。 でも壊れそうでもある。 その矛盾がたまらない。
いや、そんなもん見せられたらもう終わりなんですよ。 若くて冷たいのに、完全無欠ではない? 無理です。好きです。
しかも最後がまた最悪で、敵に倒されて華々しく散るんじゃない。 組織の中で見限られて、処分される。
この終わり方、めちゃくちゃ刺さるんですよ。
若くて、美しくて、高慢で、有能であろうとしていた男が、最後は自分の属していた側から切り捨てられる。
この残酷さ、あまりにも性癖に悪い。
やめてくれ。「若き失敗作の美」みたいなものを見せるな。刺さるから。笑
このジェダイトの登場から幕引きまで、衝撃的だったの僕だけかなぁ。
ネフライトは、なるちゃんを巻き込んで僕を完全に終わらせた

そしてネフライト。この人はダメです。ほんとうにダメ。
ジェダイトで「若くて冷たい男」に終わらされたあとに、ネフライトで何が起きるかというと、悪い大人な男なのに「情」があるという最悪の沼が始まる。
ただの美形なら、まだ傷は浅かった。
でもネフライトは違う。
ちゃんと敵なんですよ。
ちゃんと危険で、ちゃんと悪い側の空気をまとってる。
なのに、その奥に情を見せてくる。
見えちゃダメなんですよ、そんなもの。
しかもここに、大阪なるちゃんが絡んでくる。
そうきたか!?ですよ!
うさぎの親友の、あのなるちゃんです。
これがもう、本当に反則。
二人の恋路をなんでか知らないけど、幼い僕はめちゃめちゃ応援してました。笑
ただ敵幹部としてかっこいいだけじゃなくて、なるちゃんと心を通わせていくことで、ネフライトの中にある情とか揺れとか、人間っぽさが見えてしまう。
そこを見せられたら終わりなんですよ。
だってこっちはそこから先、勝手に期待してしまうから。
この人は変われるんじゃないか。
本当は優しいんじゃないか。
救えるんじゃないか。
いや、救われてほしいんだけど? みたいなことを勝手に思い始める。
ネフライト、そういう男なんですよね。
しかもこの人のまずいところは、最初から優しくないところです。
ここ、めちゃくちゃ大事。
最初から優しい男に揺れるんじゃない。
冷たいし危険だし、簡単には手が届かない。
でもその中に、たしかに情がある。
だからこそ刺さる。
なるちゃんに向ける目だけ少し違う、とか。
あの子を守ろうとするときだけ、敵としての顔とは別のものが見える、とか。
そういうの、ほんとうにやめてほしい。
キャー! そんな一瞬だけ見せる情とか、いちばんダメなやつですけど!?
しかも「みんなには見せないけど、なるちゃんには揺れる」みたいなことをするんですよね!!
ネフライトに狂わされた人って、その後かなり高確率で
「悪い男だけど、自分の前では少しだけ揺らぐ」
という構図に弱くなる。
冷たいままでいい。
でも、完全に冷たいままではいてほしくない。
その一瞬のほころびが見たい。
その感情の揺れに、自分だけは触れてしまいたい。
このへん、もう恋愛というより救済願望と執着と妄想のミックスなんですけど、でも四天王ってそういうところありますよね。
そしてネフライトの最後がまたずるい。
完全なハッピーエンドじゃない。
救済が間に合ったとも言い切れない。
でも、そこには確実に情がある。
この「届きそうで届かなかった」感じ。
これが、ずっと尾を引く。
はい来た。報われない情。
好きになったら終わるやつ。知ってた。知ってたけど無理。
ネフライト、
「報われなかった情のある男が好き」
という業を植えつけてくるんですよ。
そんなもの、子どものうちに知っていいわけがないだー!
ゾイサイトは、強くて可憐で嫉妬深くて、何より美しい

で、問題はここからなんですよ。
ゾイサイトです。
この人、ほんとうに危険。
なにが危険って、ゾイサイトは僕の中の「好き」だけじゃなく、たぶん僕の中のなりたいまで揺らしてきた。
綺麗。
華やか。
でも穏やかじゃない。
気位が高い。
感情が激しい。
嫉妬もする。
意地も悪い。
性格がいいとは言い難い。
最高なんですよね。
ここで人生がだいぶ終わった気がする。
たぶんゾイサイト以前の「綺麗な人」って、もっと優しくて、もっと無害で、もっとおとなしいものとして認識されていたと思うんですよ。
でもゾイサイトは違った。
綺麗な人は、別に優しくなくていい。
むしろ性格が悪くても、その棘ごと魅力になる。
これを教えた罪、重すぎる。
しかもゾイサイトって、ただ強くて美しいだけじゃないんですよ。
まあまあ強いのに、けっこう抜けてる。
そこがまたたまらない。
完璧なクールビューティーじゃなくて、感情で動くし、詰めが甘いところもあるし、嫉妬で顔が曇る。
その「できるのに不安定」な感じが、めちゃくちゃ人間臭くていい。
ゾイサイトは、美しいのに安定していない。
華やかなのにヒリヒリしている。
余裕がありそうで、実は感情の振れ幅が大きい。
つまり、綺麗な刃物なんですよ。
触れたら切れそう。
でも触れたい。
近づいたら傷つきそう。
でもその痛みごと欲しい。
こんな感覚、ゾイサイトで目覚めた人かなり多いと思う。
そしてゾイサイトのやばさは、嫉妬深さにもあると思うんですよね。
ネフライトに対してもムキになるし、クンツァイト様がベリルに傅いていることにも、どこか面白くなさそうな空気を出す。上司ですよ?笑
あの感じ、たまらない。
「あ、この人、綺麗な顔してめちゃくちゃ嫉妬するんだ」
「あ、この人、強いのに感情でぶれるんだ」
そこが刺さる。
キャー! その嫉妬、好き! その感情の荒れ方、好き!
綺麗で気位高い人が嫉妬でぐらつくの、こんなの好きになるに決まってる。
そしてもうひとつ大きいのが、ゾイサイトって「好き」だけじゃなくて「私はこの人になりたい」まで行かせる力があるところなんです。
いや、僕なんですけど。僕なんだけど。
でもこのへんから心の中の女が暴れてるんですよ。
こんなふうに綺麗で、こんなふうに気位が高くて、こんなふうに感情が激しくて、でも誰より華やかでいたい。
好きと憧れが完全に混線してくる。
もう後半は「この男が好き」だけじゃない。
私はこの人になりたい。
その領域まで行く。
ゾイサイト様、私も一生、跪いていたかったです。
いや違う、跪きたいし、同時にあの美しさそのものになりたい。
何? この感情。いやん!
これがゾイサイトの怖さです。
しかもクンツァイトと並んだとき、さらに終わる。
美しく尖った年下。
静かで支配的な年上。
この並び、圧が強すぎる。
子どもに見せていい関係性じゃない。
そして最後・・・
ゾイサイトが逝くとき、クンツァイト様の胸の中で死ぬんですよね。
美しく死にたいって。
あれ、ゴールデンタイムのアニメでやってよかったんだろうか?
ただ倒されました、じゃない。
ただ退場しました、でもない。
愛されていたことも、失われることも、看取られることも、全部乗ってる。
やめて。そんな最期、好きになるしかないじゃん。
看取られる美しい男、ずっと記憶に残るに決まってる。
ゾイサイト単体でも十分危険なのに、そこへ
執着
嫉妬
主従っぽさ
看取られる/看取る
みたいな要素まで入ってくる。
どうしてそんなことするんですか?
ゾイサイトに狂わされた人はたぶん、その後ずっと
中性的な美形
気位の高い人
綺麗なのに棘がある人
感情が激しい美しい人
に弱くなる。
あともしかしたら、こんな風になりたいと思った(何かが芽生えた)男児を多数生んだのではないのかな。間違いなく僕はそれです。
だいぶ面倒な欲望の入口もここです。
はい、終わり。
クンツァイトで、「静かな上位者に見下ろされたい」が完成する

そしてクンツァイト。
この人は強い。
あまりにも強い。
何がって、空気が。
若さも焦りも見せない。
感情を撒き散らさない。
静か。
余裕がある。
格がある。
そして冷たい。
この「静かな上位者」の魅力を知ってしまうと、本当に戻れない。
ジェダイトみたいな青さもない。
ネフライトみたいな揺れも前面にはない。
ゾイサイトみたいな激しさも表では見せない。
でもその代わり、簡単には崩れなさそうな男としての色気がある。
これが強すぎる。
クンツァイトの何がそんなに刺さるのか。
たぶんそれは、
自分の感情や欲望をちゃんと制御していそうなのに、その奥には重いものが沈んでいる
感じなんですよね。
表面は静か。
でも空っぽじゃない。
むしろ、見せないだけで内側にはかなり重いものがある。
それを感じさせるから強い。
しかもゾイサイトとの関係まである。
ここが本当に大きい。
クンツァイトは、ただの完成された悪役じゃないんですよ。
静かな上位者でありながら、ゾイサイトを抱きとめる男でもある。
あのゾイサイトを受け止める側にいるのがクンツァイト様、という構図がもう強すぎる。
強くて、静かで、格があって、支配的で、感情を見せすぎない。
でも、ときどきその静けさの奥に喪失や執着がのぞく。
こんなの、刺さらないわけがない。
クンツァイトにやられた人はたぶん、その後ずっと
年上感のある男
落ち着いた強者
静かな支配者
感情をあまり見せないのに重い男
に弱い。
しかもこの弱さ、ただ「かっこいい」で済まないところまで行く。
従いたくなる。
見下ろされたい。
選ばれたい。
クンツァイト様、それはもうダメです。
そんな目で見られたら、こちらの人生の主導権が全部そっちに行きます。
静かなのに支配力がある男、ほんとうに危険。
危ない。かなり危ない。
でも、四天王ってそういうところまで来るんですよね。
クンツァイトは、そういう最終形です。
四天王の「好きの役割分担」が完璧すぎる
で、結局なにがそんなに恐ろしいのかというと、四天王って全員ちがうんですよ。
ジェダイトは、若くて冷たい未完成の美。
ネフライトは、情が漏れる危険な美。
ゾイサイトは、美と毒と嫉妬が直結した美。
クンツァイトは、完成された格を持つ美。
四天王は、
男に何を求めるかのパターンを全部見せてくる。
若さ。
危うさ。
情。
毒。
嫉妬。
美。
格。
執着。
支配。
喪失。
こんなものを、あの年齢で浴びてしまったら、そりゃ好きの基準もおかしくなる。
ただ優しいだけじゃ物足りない。
ただかっこいいだけじゃ浅い。
冷たさがほしい。
危うさもほしい。
情もほしい。
執着もほしい。
できれば少し傷もほしい。
そういう、かなり面倒な「好き」が育ってしまう。
でも、わかるんですよ。
だって四天王は、その面倒くささにちゃんと形を与えていたから。
彼らはただの敵役じゃなかった。
もっと根源的だった。
僕が何に惹かれてしまうのか、その原型そのものだった。
あれは初恋じゃない、もっと長く効く呪いだった
初恋って言うと、ちょっと可愛すぎる気がするんですよね。
四天王に抱いたものって、もっとねじれていて、もっと面倒で、もっと長く効く。
懐かしいで終わらない。
今の僕の好きとか美意識とか、場合によっては性癖まで掘り返すと、かなりの確率であの4人の影がある。
若くて冷たい男に弱い。
情のある敵に弱い。
綺麗で棘のある人に弱い。
静かな強者に弱い。
そしてたぶん、好きだけじゃない。
ときどき、ああいうふうになりたいまで混ざってくる。
全部、あそこから始まっている気がする。
だから初代セーラームーンの四天王は、ただ魅力的な敵キャラなんじゃない。
こちらの感受性を、かなり早い段階で取り返しのつかない方向に導いた男たちなんだと思う。
そしてたぶん、その影響はいまだに消えていない。
むしろ大人になった今のほうが、よくわかってしまう。
あの頃、僕はただ「かっこいい」と思っていたんじゃない。
もっと深いところで、
こういう男に抗えないのかもしれない
と体に覚えさせられていた。
四天王は、そういう男たちだった。
あなたにとっての「好き」の原型は誰でしたか?
よかったらコメントで教えてください。
同じように四天王に狂わされた人の声、ぜひ聞きたいです。
