勤務先に不妊治療のことを言いたくない私が、伝えるのを決めるまで
フルタイムで働いている女性にとって、不妊治療の負担はとてつもないものです。不妊治療の診察日は自分で自由に決められるものではありません。生理から12〜13日にきて、というような、自分では制御できない生理などの体の変化に合わせて通院する日が決まります。
フルタイムなら治療のために遅刻・早退・欠勤が必要となります。悩むのは、職場の上司に事情をどう説明するかと言うこと。私は諸事情より、不妊治療が本格的にスタートしたら上司に「不妊治療をする」ことを伝えることに決めました。ものすごい抵抗がありましたが、言うことに決めた理由をまとめます。
ちなみに、今の段階では伝えていません。伝えることになったら、またそのことについてもまとめられればと思っています。
2025/2/2追記。この記事を書いた約1.5ヶ月後に上司に伝えました。上司からは考えられる最高の回答と対応をいただきました。下記記事にまとめてます。
不妊治療だと言いたくない理由
職場に不妊治療をするからこまめに遅刻早退をすると伝えるとする。そして子供ができたら、不妊治療の結果よかったね、と職場に思われる。しかし、子供が出来なかったら? 不妊治療したのに子供が持てなかった人と思われる。そう思われると想像すると、辛すぎるんだけど…。
「不妊治療をします」と伝えることは、以下2つを宣言するのも同然です。
「私は子供が欲しいです」
「将来産休・育休を取ります」
「私は子供が欲しいです」
「私は子供が欲しいです」という気持ちを、職場に伝えなくてはいけない人はどれくらいいるでしょうか。不妊治療の不要な8割以上の人は伝える必要がないです。ですので、ほとんどの人が言わなくてよいことを、私は上司に言わなくてはいけません。
冒頭にも引用しましたが、できなかった時のことを考えると苦しいですね。「あの人は子供が欲しかったけど持てなかった人だ」と思われるのは、想像するとなかなか辛いです。「残念だったね」と軽く考えてくれるならまだしも、「子供を持つと言う最上級の喜びを味わえなかったなんて、人生を損しているではないか。なんて哀れな人なんだ」と思う人もいるのじゃないかと想像すると苦しいです。ネガティブに考えすぎではありますが。
「将来産休・育休を取ります」
私は別の職場で、昔産休に入る社員の代わりとしてバイトに採用されたことがありますが、その時の男性の上司と仕事中に、「○○さんは産休とらないでね〜(妊娠しないでね)」と冗談めかして言われたことがあります。
上司の考えを想像してみると、産休に入る社員の穴埋めはさぞ大変だったのでしょう。新たな人間を雇い、1から仕事を教え、さらに産休育休が終わる頃、あまった人材をどうするのか、ということが。大変な苦労だとは思います。
ですが、それを口にするのは、自分も2人の子供がいる男性として、人間として最悪です。子供がいない人が言うならまだ理解できますが、自分は子供を持ちながら産休をとらずにすんだという幸運な立場にいながら、他人には子供を持つことを許さないとする。非常に自分勝手な発言です。
それはわかっているものの、やはり職場の不利益になるのは真実です。その時の言葉が私の中では呪いのようになっています。
不妊治療をするということは、うまくいけば職場で産休・育休を取ることを意味します。私の職場は、育休産休実績の異様に少ない職場です。女性は子供がすでにいる人か、もっと若くて未婚の人が多数。子供を産む年齢の女性の既婚者が数名という特殊な環境です。なので、産休育休がうまくいくか、非常に怖いところです。
そんな環境で不妊治療を宣言することは、戦力外宣言を自分からすることになるのではないかと非常に不安です。私はこれから仕事をさらに覚えて、技術を高めて、職場の戦力にもなりたい、貢献もしたいと思っています。しかし、不妊治療宣言をすることで、時間のかかる仕事を任せてもらえなくなるのではないか、と自分のキャリアの将来を考えるとかなりの不安があります。
不妊治療を言わなくてはいけない理由
理由のない遅刻・早退が難しい勤務先
私の会社は、有休は1日単位でしか取れません。半休、時間休というものがありません。さらに私は今の職場は2年目で、1年の有休は11日。不妊治療を本格的に始めて治療をすべて有休でまかなったら、2〜3ヶ月でなくなりそうです。これを使うわけにはいかないので、遅刻・早退を使いたいところです。
問題は、遅刻・早退の理由は上司に話さないといけないところ。私の会社はかなり変なシステム?緩いシステム?で、なんと遅刻・早退は減給されません。遅刻・早退しても1日分の給与が補償されています。
これは自分の体調不良や、家族の体調不良に遅刻・早退してもなんの問題もないと言うことで、一見とても素敵な会社に思えます。しかし、だからこそ、理由の提出は必須です。必須と言われているわけではありませんが、何も言わずに遅刻・早退はできないということです。
これで時間単位で取れる時間休があれば、それは理由を言わなくてもよいはずです。私は本音では不妊治療を言いたくないので、時間休があるならそれをどんどん消費して通院したかったです。でもないので言うしかありません。
病院名を告げないこともできるが…
現在までに、不妊治療の検査2回と結果を聞くのに、3回早退と遅刻をしています。理由は「病院で検査を受けます」と伝えました。「体調大丈夫?」と気遣ってくれる上司に、「体調不良とかではないので大丈夫です」とは言ってます。
人によっては、体調不良のふりをして、しょっちゅう休むこともできるでしょう。もしくは、「病院です」と何科なのかを告げずにやりきる人もいるでしょう。しかし、私は人生でなるべく嘘をつきたくないと生きているので、かなり心苦しいです。
治療が始まれば、かなり頻繁に病院に行きます。上司としては、頻繁に病院に通っていたら、なにか深刻な病気なのか、など考えますよね。やはり何も告げずに頻繁な通院は、上司に不要な想像をさせ、非常に不安にさせると思います。上司の気持ちを考えても、今は体調不良がないことを伝えるためにも、言うしかないと思います。
それでも不妊治療をする理由
職場には子供が欲しいことを可能なら言いたくない。だから、不妊原因は今はないから完全に自分たちで妊活をしたい気もする。しかしそれでできなかったら、キャリアを選んだ自分を後悔するのだろうか?人からどう思われても全く気にしないなら、言ってしまえば良い。まだそう思えない。
後悔したくない
できるだけのことをして、子供ができなかったら、「やれるだけのことはやった」と思えるかもしれません。しかし、もし今できる状態であるのにせず、子供ができなかったら、「あのときキャリアをある程度諦めて治療をきちんとしたら、もしかしたら子供を持てたのではないか」と後悔するかもしれません。
しなかった後悔というのはなかなかに後を引きます。私が今現在でも、もっと若い時からマッチングアプリを使って婚活をしていれば、子供についてこんなに悩まなかったのではないか? と少々後悔します。ただ、若い頃に婚活をしなかったおかげで、今の夫と会えたので、しなくてよかったとも思うので複雑ですが。
夫が養子に前向きでないため、子供を持つには自分の体で妊娠するしかない
私は39歳ですので、妊娠の可能性が非常に低いです。一応妊娠に関する基本的な検査では、今のところ不妊原因は夫も含め見つかっていません。しかし、自然妊娠の確率は低い年齢です。子供を持つ確率を少しでも上げるには、不妊治療しか方法がありません。
私は20代のころから、結婚出産願望が強かったです。更に、養子を持つことにも前向きでした。養子を迎え入れるご家庭のことを非常に尊敬していました。私は「自分の血のつながった子供が欲しい」「自分のお腹で子供を育てたい」という願望がほぼゼロなので、自分で産むことができないのであれば、養子縁組ができれば、子供を育てることができる、と希望を持っていました。
しかし、夫となった人が養子に対して後ろ向きであるなら、その夢は叶わないです。養子制度は子供のためのものなので、否定的な家族がいるのなら、子供のためになりません。二人ともが前向きなのでなければ、諦めるしかないでしょう。
不妊治療を言おう、と思った理由
上司に重い病気だと誤解されたくない
上でも少し書きましたが、上司に病気ではないことを知って欲しいところがあります。ある程度の病気の感じを言わず、1ヶ月に4〜10回病院遅刻・早退があったら、私だったら重い病気ではないかと疑います。
今後も長く働き続けるためにも、上司に誤解はして欲しくないため、言うしかないと思っています。
ただ、これは言われた方の戸惑いもすごいと思いますので、言うのは私のエゴでもあると思います。まず、他の人には話して欲しくないとも言うので、秘密の強要でもあります。秘密はしんどいですよね。もしかしたら他の人に話してしまうかもしれないし、お互いにしんどい立場になります。
その上で、治療もしたいし、仕事も長く続けたい、積極的にやっていきたい、職場に貢献したい気持ちを、きちんと簡潔に伝えないといけないと思います。原稿をある程度作る必要があると思います。
あとは、厚生労働省が出している、職場の不妊治療への理解に関する資料も読み、概要を伝えることも必要かもしれません。
「不妊治療連絡カード」というものもあります。そういうものの利用も検討しなくてはなりません。
職場の若い女性が不妊治療をしやすくしたい
上記に散々書いたほど、私の職場は不妊治療を受けるのに、ものすごい不安があるところです。子供をとても欲しい気持ちと、この環境であることに、とても不安を覚えました。
ということは、私より若い女性社員たちが年齢を重ね、自然妊娠が難しくなる世代となった後子供が欲しいと思った時、私と同じ気持ちになるということです。それはなんとしてでも阻止したいです。自分が苦しんだことを、他人に同じように苦しんで欲しくない。職場に不妊治療を伝えることは、本当に嫌なので。
なので、私がすごい嫌な気持ちを持って伝えることで、「あ、そういうことがあるのか」と職場の人にまず知ってもらわなければなりません。現在は、そういう問題があることを認知していない段階だと思います。認知しないと体制も変えられませんから。
私としては、フレックス制がこの不妊治療の苦しみをだいぶ和らげると考えています。ある1日、午前午後の4時間ほど遅刻・早退したとして、別の日に2時間ずつ長く働いてトータルの勤務時間を同じにすれば、休みとして扱わない。すなわち、理由もいらない。この制度ができれば、不妊治療をしている人だけでなく、他の従業員も通院やちょっとした平日にしたい用事をしやすくなる。
私が不妊治療を伝えることで、そういうことがあることを知ってもらい、それの解決にはフレックス制の導入がありなのではないか、という方向に持っていけないかなあと考え中です。ダメでも、他の方法を考えます。いろいろな事例を集めてみます。
まとめ
現段階ではまだ伝えていませんが、95パーセントくらい伝える気持ちとなったので、その決意表明です。Xでこのことについてずっと葛藤していたので、そのまとめでもあります。
一時期、不妊治療をしたくないとまで思ったのですが、そのメインの原因が、職場に「不妊治療をします」と伝える必要がどうしてもあったことなのです。もし、フレックス制だったり、時間単位の有休が取れて、数時間の不在の理由を言わないので済むのなら、そこまで抵抗感はなかったです。また、専業主婦ができるのであれば、不妊治療へのハードルは下がったと思います。
私は今の仕事をとても大事に思っているので、仕事を辞める選択肢はない。しかし、子供がものすごく欲しくて、でも夫が養子に前向きでない場合は自分で治療をしてでも産むしかない。それをキャリアを選んで諦めたら、あとで後悔する気がします。できるかぎりのことはしたい。
キャリアを諦めず、そして子供を持つことも諦めないので、職場に不妊治療のことを伝えることに決めました。
ちなみに、このことに悩みすぎて、朝に夫にすべてを打ち明けて(冷静ではいられた)、涙が止まらなくて具合が悪くなって有休1日使いました。何しているんだ! そして以下の動画などを見てました。
そして最終的な目標は以下ですね。
私、今の会社好きなので、子供産んで管理職まで上り詰め、女性社員が仕事と不妊治療の両立を苦しまずにできるように会社を作り替えたい。男性は悩まないこの悩み、女性の負担も減らそうよ。
不妊治療を伝えることは、このことへの第一歩だと思って頑張ります。ああ、嫌だなあ。
