【完全保存版】NISA・iDeCoで育てたお金、どう受け取る?FP咲良が教える「出口戦略」年代別ロードマップ【永久保存版】
こんにちは!
FP(ファイナンシャルプランナー)の田中咲良(さくら)です。
もしあなたが、このシリーズを第1回からずっと追いかけてくださっていたなら、本当に、本当にお疲れ様でした。そして、心からの「おめでとう!」を送ります。
あなたは、
* 口座開設という「最初の一歩」を踏み出し、
* オルカンという「最強の相棒」を選び、
* 自動積立という「仕組み」を完成させ、
* 暴落を乗り越える「マインド」を学び、
* ポートフォリオを組み、クレカ積立で「効率化」も極めました。
もう、あなたの資産形成の「土台」は、日本でトップレベルに堅牢なものになったと、FPとして保証します。
さて。
自動積立の設定が完了し、あなたのNISA口座は、もう「ほったらかし」の状態に入りました。
でも、あなたの心の中に、こんな「最後の疑問」が残っていませんか?
「咲良さん、分かった。仕組みは完璧だ」
「でも…この育てたお金って、一体、いつ、どうやって受け取るのが一番おトクなの?」
「ゴールが分からないマラソンは、ちょっと不安かも…」
その感覚、素晴らしいです。そして、完全に正しい。
資産形成は、「始める」ことと同じくらい、「どう終えるか」が重要です。
「出口戦略」を知っているかどうか。
それが、あなたがこの先30年間、市場の嵐が来ても「本当に安心して」ほったらかし投資を続けられるかどうかの、最後のアンカーになります。
今日は、このシリーズの「最終回」として、
* NISAとiDeCoの「受け取り方」の決定的な違い
* iDeCoの節税効果を最大化する「受け取り方」
* NISAで育てた資産を「枯渇させない」最強の引き出しルール
* 年代別に、私たちが今何をすべきか
という、投資の「終わり方」の全てを、ステップバイステップで解説します。
少し未来の話も含まれますが、知っておくだけであなたの「今の安心感」が劇的に変わるはずです。
●【大前提】NISAとiDeCo、ルールの違いが「戦略」の違い
まず、私たちが育てている2つの「最強の器」、NISAとiDeCoのルールの違いを、もう一度だけ「出口」の視点でおさらいします。
| 比較項目 | つみたてNISA | iDeCo(イデコ) |
|---|---|---|
| 引き出し | いつでも自由に可能 | 原則60歳まで不可 |
| 非課税期間 | 無期限 | 60歳〜75歳で受取開始 |
| 出口の悩み | 「いつでも売れる」からこそ、
「いつ売るか?」で悩む | 「60歳まで売れない」から、
「どう受け取るか?」で悩む |
| 戦略 | ライフイベントで決める | 税制優遇で決める |
そう。
NISAは「自由」だからこそ戦略が必要で、iDeCoは「不自由(60歳ロック)」だからこそ戦略が必要なのです。
まずは、ルールが明確な「iDeCo」の出口戦略から片付けてしまいましょう。
●【iDeCoの出口戦略】最強の節税効果を「受け取り時」にも活かす方法
過去の記事で、iDeCoは「掛け金が全額所得控除」になる、最強の「盾(たて)」だとお話ししました。
実はiDeCo、「受け取る時」にも、とんでもない税制優遇が用意されています。
受け取り方は、大きく2つ(+併用)あります。
① 一時金(退職金扱い)
* 60歳になった時点で、「一括」で全額を受け取る方法。
② 年金(公的年金扱い)
* 60歳〜75歳の間で、「5年〜20年」などに分割して、毎年少しずつ受け取る方法。
「え、どっちでもいいの?」
いいえ。あなたの「60歳時点での働き方」によって、どちらが有利か、明確に分かれます。
受け取り方①:「一時金」の場合(退職所得控除)
一括で受け取ると、そのお金は「退職金」として扱われます。
そして、日本には「退職所得控除」という、他の所得と比べて異常なほど税金が優遇される仕組みがあります。
<退職所得控除の計算(ざっくり)>
* iDeCoの加入期間が20年以下: 40万円 × 加入年数
* iDeCoの加入期間が20年超: 800万円 + 70万円 × (加入年数 - 20年)
(例)あなたが29歳から60歳まで「31年間」iDeCoに加入した場合
800万円 + 70万円 × (31年 - 20年) = 1,570万円
なんと、1,570万円までなら、iDeCoでどれだけ資産が増えていようと、受け取るときの税金がほぼゼロになるのです。(※実際にはこの控除額を超えた分の1/2に課税)
(例)iDeCoの資産が1,500万円になっていた → 税金0円
(例)iDeCoの資産が2,000万円になっていた → ほぼ税金がかからない
【注意点】
この「退職所得控除」の枠は、会社から貰う「退職金」と合算されます。
もしあなたが、会社から2,000万円の退職金を貰い、iDeCoでも1,500万円を受け取ると、控除枠をオーバーして税金が発生します。
(※対策として、退職金とiDeCoの受け取り年をずらす、などのテクニックがあります)
受け取り方②:「年金」の場合(公的年金等控除)
分割で受け取ると、そのお金は「公的年金(国民年金・厚生年金)」と同じ「雑所得」として扱われます。
これにも「公的年金等控除」という優遇枠があります。
【注意点】
この枠は、あなたが将来貰う「公的年金」と合算されます。
もしあなたが、厚生年金も多く貰える人で、iDeCoも年金で受け取ると、合算額が控除枠を超え、税金だけでなく「国民健康保険料」や「介護保険料」まで跳ね上がる可能性があります。
【咲良の結論(20代・30代向け)】
* 非常に多くのケースで、「一時金(退職金)」で受け取る方が、税制メリットを最大化できます。
* しかし、これはあなたが60歳になる時の「会社の退職金制度」や「公的年金の受給額」によって変わる「未来の最適解」です。
「じゃあ、今、私たちがやることは?」
答えは、ただ一つ。
上の「退職所得控除」の計算式を思い出してください。控除額は何で決まっていましたか?
…そう「iDeCoの加入年数」です。
私たちが今やるべきことは、
「iDeCoに1日でも早く加入し、『加入年数』をとにかく長く稼いでおくこと」
これに尽きます。
(※掛け金は最低額の月5,000円でもOK。加入年数さえ稼げば、60歳での選択肢が劇的に広がります)
iDeCoの出口戦略とは、「未来」の戦略ではなく、「今」加入年数を稼ぎ始めることなのです。
●【NISAの出口戦略】「無期限・非課税」だからこそ守るべき3つのルール
さて、iDeCoの出口は「税金」との戦いでした。
一方、NISA(新NISA)は、
* 運用益は、いつ売っても非課税
* 非課税期間は、無期限
です。
税金のことを一切考えなくていい。まさに夢の制度です。
だからこそ、難しい。
「いつでも売れる」という自由が、私たち投資家を「欲望」と「恐怖」の罠にハメるのです。
過去の記事で、「暴落時に恐怖で売る(狼狽売り)」は最悪の行動だと学びました。
しかし、NISAの出口戦略には、もう一つの罠があります。
それは「ちょっと利益が出たから、と欲望で売ってしまう」ことです。
* 100万円が120万円になった!
* 「よし、20万円利益が出たから売って、旅行に行こう!」
これは、資産形成の観点からは、NG行動です。
なぜなら、NISAで育てている「オルカン」は、「複利の力で雪だるま式に増える、"金のガチョウ"」だからです。
あなたは、たった20万円の利益(卵)のために、将来もっと大きな卵を産んでくれるはずだった「金のガチョウ」のお腹を、自ら裂いてしまったのです。
NISAの非課税枠は、一度売却しても「翌年に復活」しますが、それはそれ。複利の効果は、売った瞬間に途切れてしまいます。
では、どうすればいいのか?
FP咲良が推奨する、「金のガチョウ」を殺さずに、その恩恵を最大限に受けるための「NISA引き出しルール」を3つ、お伝えします。
NISAルール1:売るタイミングは「価格」ではなく「目的」で決める
これが、NISA出口戦略の「核」です。
あなたがNISAを始めた「目的」は、何でしたか?
「なんとなく」ではありませんよね。
* 目的A: 15年後の、子供の大学進学費用 1,000万円
* 目的B: 20年後の、住宅購入の頭金 1,500万円
* 目的C: 30年後の、豊かな老後資金 3,000万円
NISA口座のお金は、この「目的」が訪れた時に、その「目的」に必要な分だけ、初めて引き出す(売却する)のです。
* 15年後、子供が大学に進学する。→ 1,000万円分を売却。
* 20年後、家を買う。→ 1,500万円分を売却。
それ以外のタイミングでは、
たとえ株価が2倍になろうと、売らない。
たとえ株価が半分になろうと、売らない。(むしろ買い増し)
「価格」を見て売買するのは「トレード」です。
私たちは「目的」のために資産を育てる「長期投資」をしているのです。
このルールを守るだけで、あなたは「狼狽売り」も「利益確定売り」も、両方防ぐことができます。
NISAルール2:老後資金は「定率(4%ルール)」で崩す
最も多くの人が「目的」とするであろう、「老後資金」。
仮に、あなたが65歳で引退し、NISA口座に3,000万円の資産が育っていたとします。
どうやって引き出しますか?
* NGな崩し方(定額):
* 「月10万円(年間120万円)ずつ崩していこう」
* これだと、もし66歳の時に「暴落」が来たら、資産が大きく減っている(例:2,500万円)のに、同じ「120万円」を引き出すことになります。
* これは、資産が底をつく(枯渇する)スピードを早めてしまいます。
* OKな崩し方(定率):
* 「その年の資産総額の、"4%"だけ"を引き出す」と決める。
* これを「4%ルール」と呼びます。
* (例)
* 65歳:資産3,000万円 → 4%の120万円を引き出す。残りは2,880万円。
* 66歳(暴落):資産が2,500万円に減少 → 4%の100万円を引き出す。残りは2,400万円。
* 67歳(回復):資産が2,800万円に回復 → 4%の112万円を引き出す。
なぜ「4%」なのか?
これは米国の有名な研究で、「全世界株と債券のポートフォリオから、毎年4%ずつ引き出しても、30年以上にわたって資産が枯渇する確率はほぼゼロだった」というデータに基づいています。
景気が良い時は「多く」引き出し、景気が悪い(暴落)時は「少なく」引き出す。
この「定率」で崩す方法こそが、NISAで育てた「金のガチョウ」を長生きさせ、卵(=生活費)を産み続けてもらうための、最も合理的で効率的な「収穫」の方法なのです。
NISAルール3:「必要な分だけ」売る
NISAは非課税期間が「無期限」です。
これは「あなたが死ぬまで、非課税で運用し続けていいですよ」という意味です。
65歳で「4%ルール」で引き出しを始めたとしても、残りの96%は、NISA口座の中で非課税のまま「運用され続け」、複利で増え続けます。
NISA口座は、もはや「貯金箱」ではなく「一生モノの、非課税の"打ち出の小槌"」なのです。
使う目的がないのに、わざわざこの「打ち出の小槌」からお金を引き出し、税金のかかる「課税口座」や、金利0%の「銀行預金」に戻す理由はありません。
売るのは、「必要な時」に、「必要な分だけ」。
これが、NISAの恩恵を骨の髄までしゃぶり尽くす、最後のルールです。
●【年代別ロードマップ】私たちは今、どこにいるのか?
さて、「出口」の理論は完璧です。
では、最後に、29歳の私たちが「今」何をすべきか、未来の地図で確認しましょう。
【20代・30代】=「種まき期」 兼 「ほったらかし期」
やるべきこと
* 生活防衛資金(現金)を、何よりも優先して確保する。
* NISA口座(+余裕があればiDeCo)で「全世界株式100%」の積立設定を完了させる。
* クレカ積立・ポイント再投資の「自動化」を完了させる。
やらないこと
* 出口戦略のことを、忘れる。
* 暴落が来ても、何もしない(自動積立を続ける)。
* 利益が出ても、何もしない(目的が来るまで売らない)。
はい。
20代・30代の私たちの「出口戦略」とは、皮肉なことに「出口のことを一切考えず、ひたすら"今"の積立(入金力)を続けること」なのです。
【40代・50代】=「育成期」 兼 「調整期」
やるべきこと
* 積立は、可能な限り継続。
* 「出口(=リタイア)」が具体的に見えてくる。(例:65歳で引退)
* 60歳が近づいたら、NISA資産の「一部」を、リスクの低い「債券ファンド」や「現金」に少しずつ移し替え(リバランス)、引退直前の暴落で資産が激減するリスクを抑えることを「検討し始める」。
* iDeCoの受け取り方を、「一時金」か「年金」か、会社の退職金制度と照らし合わせてシミュレーションし始める。
【60代以降】=「収穫期」
やるべきこと
* iDeCo: 60歳到達。税制メリットが最大になる方法で「受け取る」。
* NISA: 65歳到達。いよいよ「4%ルール」発動。生活費として必要な分だけ「定率」で売却(収穫)を開始。
* 残りのNISA資産: まだまだ非課税で「運用」を続け、金のガチョウを育て続ける。
●まとめ:ゴールを知った今、「ほったらかし」は最強の戦略になる
今日は、投資の「出口戦略」という、最も遠い未来の話をしました。
* iDeCoの出口: 「税金」との戦い。今やるべきは「加入年数を稼ぐ」こと。
* NISAの出口: 「自分」との戦い。今やるべきは「目的」を明確にすること。
* 最強のルール: 老後は「4%ルール」で、資産を長生きさせる。
* 20代・30代の戦略: 「出口を忘れ、ひたすら積立を続ける」
「出口戦略」を知ることは、未来の不安を消すためであると同時に、
「今、私たちがなぜ"何もしない(ほったらかす)"べきなのか」
その理由を、論理的に補強するためでもあります。
「4%ルール」で受け取る未来が待っているから、「今」の暴落で売る必要はない。
「目的」が来るまで売らないと決めているから、「今」の利益確定に意味はない。
ゴールまでの「地図」を手に入れたあなたは、もう何も迷うことはありません。
このnoteをそっと閉じ、証券口座のアプリも閉じ、あなたの「今」を全力で楽しんでください。
あなたの「仕組み」が、30年後のあなたのために、今日この瞬間も働き続けてくれていますから。
【咲良からのご挨拶】
この「初心者向け!堅実な資産形成術」の基本シリーズは、今回で一旦完結です。
ここまで読んでくださったあなたの行動力が、5年後、10年後、必ずや素晴らしい「資産」という果実になっていることを、FPとして心から願っています。
このnoteでは、今後も「ふるさと納税」や「保険の見直し」、あるいはNISAの「成長投資枠」の少しマニアックな使い方など、あなたの資産をさらに効率化する「ハック」を発信していく予定です。
もし、このシリーズが、あなたの人生の「お金の不安」を「安心」に変えるキッカケになれたなら、ぜひ「スキ」と「フォロー」で教えてください。
それが、私が次の記事を書く、何よりのエネルギーになります。
一緒に、賢く、堅実に。
そして、自分らしい豊かな人生を歩んでいきましょう。
本当に、ありがとうございました。
田中 咲良

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