【407】伊勢海老がやってきた日─家族で楽しんだちょっと特別な天ぷらの日─
先日、母が市場へ行ってきました。
帰宅すると、嬉しそうに
「まだ、生きてるよぉ」
と言いながら見せてくれたものがありました。
それは…伊勢海老です。
しかも、本当に生きていました。
私は思わず、
「えっ!?」
と声を上げてしまいました。
普通の海老ならスーパーで見かけたことはありますが、まさか動いている伊勢海老を目の前で見る日が来るとは思いませんでした。
母はもちろん食べるつもりで買ってきたのですが、そこで私は気づきました。
「ところで、誰が調理するの?」
私は怖くて触れません。
勿論、妹も怖くて触れません。
母も張り切って買ってきたものの、さばく担当ではありません。
しばらく家族で顔を見合わせた結果、名乗りを上げたのは弟でした。
軍手を装着し、伊勢海老と向き合う弟。

その様子は怖くて見ていられなかったので、私と妹は、弟にすべてを託して隠れていました。
なんだか勇者のようでした。
おかげで無事に身を取り出すことができました。
頭は出汁を取って味噌汁に。
身は天ぷらになりました。
その日の夕飯は、
・ピーマンの天ぷら
・ナスの天ぷら
・とり天
・伊勢海老の天ぷら
という豪華な天ぷら祭りになりました。

伊勢海老の身は家族みんなで一口ずつ。
たくさん食べたわけではありませんが、
「伊勢海老を食べたね」
という特別感は十分でした。
生きた姿を見ていたからこそ、食卓に並ぶまでにたくさんの命や人の手が関わっていることを改めて感じました。
命に感謝しながら、家族みんなで美味しくいただきました。
そして何より、頭で出汁を取った味噌汁が絶品でした。
普段なかなか味わえない贅沢な香りと旨味。
最後まで美味しくいただくことができました。
それにしても、生きた伊勢海老を見た時の衝撃は忘れられそうにありません。
次に市場へ行くことがあったら、 「私は伊勢海老が怖くて触れないから、有頭海老くらいにしてね」 と母にお願いしておきました。
母は、 「そうねぇ。怖くて触れないもんね」 と笑っていました。
そして我が家では、今回も弟が大活躍。
ありがとう、弟。

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