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【映画感想文】Tomboy トムボーイ

 トムボーイとはボーイッシュな服装や振る舞いを好む女の子のことを指し、男性的な活動や趣味を好む傾向がある者のことを言う。

 転勤族であるロールは家族と共に新しい地へと引っ越してきた。彼女はミカエルと名乗り友人たちと関係を築いていくが、女の子であることは隠して過ごしていた。

 ロールは男の子に憧れを抱いているようであった。そして、自分も男の子のようになりたいと、意識か無意識か定かではないが、心のどこかでは思っているのではないだろう。それは自身のアイデンティティを確立していく過程で感じる願望や葛藤みたいなものだと考える。ロールは女の子でありながら男の子の要素も兼ねた自身のアイデンティティをミカエルとしての自分で表現していたのだと思う。

 一方、妹のジャンヌは女の子としての自己を理解しており、ロールと対比した彼女の描かれ方は印象的だ。

 リザにキスされ、恋心を寄せられていると気がついたロールは自分の男の子としての振る舞いが認められた(うまく男の子に擬態できた)と感じ、嬉しいような誇らしいような表情を見せる。それと同時に、自分が女の子でありリザをだましているということに対して葛藤を抱いているようにも見えた。

 ボーイッシュな恰好をしたいし、そのような振る舞いをしたいのは事実であるが、完全に男の子になることは不可能である現実が迫り、自分が築き上げてきたミカエルの生活が崩れてしまったのは切なく感じた。

 ミカエルでいることは何も悪ではない。ということは物語からも読み取ることができる。ロールが女の子であることを打ち明けなければならなかった時、ロールの母親も男の子っぽい恰好をすることに対して否定的であったわけではない。新しい生活をしていく上で現実問題、ミカエルとしてやっていけなくなることは分かっていたからだ。また、リザもトムボーイとしてのロールを受け入れる描写があり、彼女の未来は明るいことは予想できる。

 自分が表現したい性や振る舞いを社会や現実が許さない時、どのように生きるべきなのだろうか。そんなことを考えるきっかけになる映画であった。



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