毎週ショートショートnote【じゃない不倫】〜シャッターの向こう側〜
気づけば74歳。
妻に先立たれ、友人も次々と旅立ち、
和男は孤独を埋めるようにパパ活アプリを始めた。
月に1度、お茶をする19歳の葉月。
趣味のカメラで和男を撮るのが好きだった。
「写真の学校へ行きたいんです」
その夢を聞いた和男は、老後資金として残していた貯金から学費を工面した。
数か月後、同居する娘の真由美が詰め寄る。
「お父さん、援交?それとも不倫?」
「どっちも違うよ」
「騙されてるだけ!」
娘に反対され、和男は葉月と距離を置いた。
3年後、1通の案内状が届く。
『写真展開催のお知らせ』
会場を訪れると一番奥に、コーヒーカップへ手を伸ばす自分の写真が飾られていた。
作品名は――
『恩人』
和男は思わず目頭を押さえた。
