☆【小説】「龍と空色の歌」第23話【創作大賞2025応募】023 〜春スペシャル
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第二十三話 一九八九年
──影なる存在〜全知全能システム
── 一九八九年、新宿。
柏木は招聘された海外での研究プロジェクト期間を終え、先月帰国した。大学の研究室に戻りプロジェクトで開発したシステムであるDEAPsで収集したデーター分析を進めている。
柏木は連日、データー分析作業をしている。
一日で二十時間近くかけることもある。ほとんど眠っていない。
大学に入り浸りだ。
生物の細胞内のミクロの世界の活動の実態の研究は科学がいくら進んだとはいえ表面を齧った程度と思った方が良い位なモノかもしれない。
例えばDNA分析であってもそれまで研究してきた中で特徴的な極く一部分を対象にしていて、細かく光が当たっているというよりは統計分析で過去のデーターとの比較で結論を導いている。予測は確率論と、分析する主観に支配され実際には何が起きるかはわからない。
構造の研究には限界がある。柏木は細胞、特に脳細胞の構造ではなく動作に着目して研究をして手法を編み出した。人間の脳細胞内で起きている動作現象の波動関数の収束の際に発生する脳波。この振舞いを記録しデーター化したものをコンピューターで解析する。
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