☆【小説】「龍と空色の歌」第8話【創作大賞2025応募】008
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第八話 オフィスへ
翌朝、墨絵はいつもより一時間も早く目が覚めた。
いつもは遅刻ギリギリなのに今日は余裕だ。なぜなら不思議な夢を見て目が覚めたからだ。
広いホールに見たことのない舞台で、不思議なダンスのステップを刻んでいる。音楽も聴いたことのないテンポの曲だ。変な夢。これは現実?と 思った瞬間に目が覚めた。
洗面台に向かって、歯を磨こうと自分の顔を見る。何か忘れている気がする。昨日はアポを取ったデザイン会社に向かって──
墨絵は、なんだか、とても記憶の深いところから、忘れてはならない何かが忍び寄ってくるのを感じた。何かやり忘れている。
そうだ、主任だ。主任に連絡をしなくては。
墨絵はスマートフォンを取りに部屋に戻り電話をかけた。──昨日、アポを取った会社に行った。成り行きでお酒を飲んでしまった。帰りは、えっと、どうしたっけ。なんだか 少し頭が痛い。
呼び出し音が繰り返され、その後話し中になる──
間を空けて、もう一度かけたが話し中だ。なんだか、とてつもないことを忘れている気持ちになってきた。
このまま地球が終わってしまう、それを止める鍵を昨日、やっと手に入れたのに手許に無い、そういう感じだ。
荒唐無稽だ。でも、なんでこんな気分になるんだろう。やっぱり頭痛がする。
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