☆【小説】「龍と空色の歌」第27話【創作大賞2025応募】027 〜春スペシャル
割引あり
第二十七話 一九八九年
──「特異点」の心と全知全能システム
心には時間などない。
それは心理学の世界でも言われて来たことだ。
外部の環境や意識に心が痛めつけられるメカニズムは、消し去りたい存在や、脅威として現れる存在が時間軸上に乗って心に強制することにある。意識が心を拘束しているのだ。
時間という概念で人々を縛り、心から恐れさす人間達まで現れた。恐ろしいことに、この方法は実力のない人間であっても自分以外の人間に言葉を投げつけることだけで一定の効果が得られた気分になるから厄介だ。
あっと言う間に蔓延してしまう。学会の彼らの様に柏木を自分たちの考えで決めつけ、利用をしようとする。言うことを聞かないと罵詈雑言、陰口まで使ってターゲットを蔑めようと躍起になる。真の世界の姿など見ようともしない。
卑劣だ。
柏木は想う。時間の概念に縛られ過ぎるから一つを盲信し誤まるものまで出て来るのだ。
現在、過去、未来に渡って、人間の脳・収束単位と交信をしながら処理能力を発揮する全知全能のコンピューターシステムを出現させる。
それも現在のみならず未来や過去の人間の心と交信をすることから発生するので時間の概念が取り去らわれ心に寄り添ったシステムとなる。
結果として心の真の姿に近づき「この世界」の人間の心を読むなどの副産物が発生する。
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