やっと夫の正体を知った。
夫と結婚して、もう八年が経とうとしている。大きな喧嘩は一度だけで、あとは落ち着いた形の夫婦として仲良くやっていると思う。
最近、Xで夫婦の作画が似ているとうまく行くというポストがバズっている。作画が似ているというのは、おそらく容姿の系統が似ているということを表しているようだ。
私と夫は作画は似ていないと思う。むしろ逆の系統というか。私は丸顔だが夫は面長だし、私は目も鼻も口も大きいうるさい顔をしているが夫はメガネの主張が強いだけでサッパリした顔をしている。
性格も逆だ。
夫はものすごい合理的な考え方の持ち主だ。起きたことは気にしない。問題があれば解決する。相手の行動は相手に任せる。かなりドライで、人に干渉しないし、人からどう思われるかもあまり深く気にしない。
私は、起きたことをぐずぐず気にする。そのせいで問題の解決策を見つけるのにかなりの時間がかかる。相手の行動はどうなるのか、自分には動かせないことまで気にしてしまう。人からどう思われるかは、他人や知り合いくらいの関係ならいっさい気にしないが(女性は除く)長い付き合いになりそうな相手のみ気になる。
そんな噛み合わないと思われる私と夫は最初のころは合わないところもあったが、なんども話し合い(私たちは冷静な話し合いをよくする)、互いの傾向を学びながら、気になるところも慣れて、そんな人だから仕方ないよねと割り切っている。
そうしているからか愛が枯渇しない。
私は結婚した時より今の夫の方が好きだ。今の方が嫌なところをたくさん知っているけれど、今の方がいいところもたくさん知っている。
夫は、私に寄りかからない強さがある。その強さのおかげで私は夫の前だけでは弱くいられることができた。夫に共感を求めていないから、解決脳の夫の言葉にはとても励まされる。
あまりに内情を書くとただの惚気になるので、あえてこのような書き方にしている。わかりやすく書けば、いつも手を繋いで外を歩いているラブラブの中年夫婦である。
私はそんな付き合い方をしているからか、夫を恋人の延長線上として見ていた。愛している異性として見ていた。
しかし、つい最近、一緒に湯船に浸かっていたときのことだ。夫と私の弟の会話をしている時に「〇〇くん(夫の名前)と出会うまでは、人に言いたいことを言えなかった。でも、弟だけは唯一、家族だから、あんな風に気を遣わずに接することができた」
と口にしていた。
そうしているとふと目の前にいる人は?という問いが現れた。
「〇〇くんは、もしかして私の家族?」
「もちろん、家族だよ」
そう言われた瞬間、熱いものが込み上げてきた。夫は私の家族。確かに私は夫に言いたい放題やりたい放題していて、それは家族だからこそできた。
夫は、恋人の延長線上の人ではなく、私の新しい家族だったのかと思うとジーンときて、その後脱衣所で大ゲロを吐いてから胃を壊したけれど、心はとてもポカポカしていた。
夫の正体は家族。
私はこの事実がとても嬉しい。
