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車はいらない?「持たない」を10年続けて分かった、本当のコスト【年151万円の固定費】

「子どもができたら車は必要でしょ」「通勤に使わないのに、持ってないの?」

車を持たない生活をしていると、こう言われることがよくあります。世の中には「車は持って当たり前」という空気があります。

でも、私はこれまで一度も車を所有したことがありません。元メガバンカーとして家計の数字を見てきて、そしてカーシェア中心の生活を10年続けてきて、はっきり言えることがあります。

多くの家庭にとって、車は「移動手段」ではなく「高価な固定費」です。

この記事では、車の本当のコストを数字で分解し、「持つ・持たない」をどう判断すべきかを整理します。感覚ではなく、金額で考えられるようになるのが目標です。


車のコストは「本体価格」ではなく「維持費」で考える

車を検討するとき、多くの人は本体価格に目を向けます。300万円か、400万円か。しかし、車の本当の負担は、買った後に毎年かかり続ける維持費です。

車を持つと、これだけの費用が毎年発生します。

  • 駐車場代

  • 自動車税・重量税

  • 任意保険料

  • ガソリン代

  • 車検・整備費

  • タイヤ・オイルなどの消耗品

そして忘れてはいけないのが、減価償却です。300万円で買った新車が5年後に100万円でしか売れないなら、その5年間で200万円、つまり年間40万円が"消えている"ことになります。目に見えないので意識されませんが、これも立派なコストです。


【シミュレーション】所有 vs カーシェアの年間コスト

抽象論では実感が湧かないので、具体的な数字で比較します。都内でミニバンを所有する場合と、カーシェアを使う場合です。後者は、私自身の実際の支出です。

所有すると年間約151万円。一方、月1回ほどの旅行や帰省でカーシェアを使う私の実支出は、年間約33万円です。

差額は、年間約118万円。

都内在住・週末しか乗らない、という条件なら、この差は毎年発生し続けます。「週末に乗るために、年118万円を追加で払っている」——そう言い換えると、重さが伝わるはずです。


【FIRE視点】この差額を40年続けると、いくらになるか

ここからが本題です。この差額は、単年では118万円ですが、資産形成の視点で見ると、桁違いのインパクトを持ちます。

仮に30歳から70歳までの40年間、この差額(年118万円)を投資に回したとします。

  • 単純に積み立てるだけ:118万円 × 40年 = 約4,720万円

  • 年利4%で運用した場合約1億1,000万円

車を「所有」ではなく「共用」にして、浮いた差額を運用するだけで、40年後に1億円規模の差が生まれる計算です。

もちろん、これは都内・低頻度利用という条件での試算です。それでも、「なんとなく車を持つ」という選択が、これだけの機会損失を生みうるという事実は、知っておく価値があります。車は、家計における最大級の「意思決定」なのです。


車を持つメリットも、正直に評価する

ここまで数字で厳しく見てきましたが、車に価値がないと言いたいわけではありません。お金では測れないメリットは、確かにあります。

  • 移動の自由度が上がる(特に地方や公共交通が弱い地域)

  • 小さな子どもや高齢者がいる家庭では、移動が格段に楽になる

  • 公共交通が届かない場所へアクセスできる

  • レジャーや旅行の幅が広がる

  • 天候や荷物を気にせず動ける

これらは実際に価値があります。問題は「車を持つこと」自体ではなく、「その価値に、年151万円を払う理由があるか」を考えずに持ってしまうことです。


「持つべき人」と「持たなくていい人」の境界線

車の要否は、収入や性格ではなく、居住地 × 使用頻度で決まります。

持ったほうが合理的な人

  • 地方・郊外で、公共交通が生活をカバーできない

  • 通勤・送迎・仕事で、週4〜5日以上運転する

  • 子育て中で、日常の移動に車が不可欠

こうした「生活必需品」として車が要る人は、持つべきです。その場合も、維持費の低い軽自動車や中古車を選ぶことで、固定費を抑えられます。「持たない」が正義なのではなく、コストを意識して選ぶことが大切です。

持たなくていい人

  • 都市部在住で、電車・バスが発達している

  • 車の利用が月1〜2回程度

  • 徒歩圏に生活インフラ(スーパー・病院・学校)が揃っている

このタイプなら、カーシェアやレンタカーのほうが、圧倒的に合理的です。今のカーシェアは整備が進んでいて、保険・ガソリン・メンテナンス込み。ナビもETCも標準装備で、「所有に近い体験」が乗った分だけの料金で手に入ります。


まずは「買う」前に「借りる」を試す

もし今、車の購入を迷っているなら、順番を逆にしてみてください。

いきなり買うのではなく、まずカーシェアやレンタカーで生活してみる。 そのうえで、「月4〜5万円以上使っている」「これでは足りない」と実感してから、初めて購入を検討する。これが、失敗しない順序です。

多くの人は、この検証をせずに「みんな持っているから」で買ってしまいます。年151万円の固定費を、検証なしで背負うのは、あまりにもったいない。


まとめ:車は「固定費」として重い。だが、それだけではない

  • 車の本当のコストは、本体価格ではなく維持費(都内ミニバンで年約151万円)

  • 所有とカーシェアの差額は年約118万円。40年運用すれば1億円規模の差になりうる

  • ただし、地方・子育て・高頻度利用なら、車は合理的な必需品

  • 迷ったら「まず借りて試す」。買うのはその後でいい

車を「固定費として、なんとなく持つ」のは、家計にとって重い選択です。まずは数字で、自分にとっての要否を確かめてください。

ただ、最後に一つ付け加えておきます。ここまでの話は、あくまで車を「固定費」として捉えた場合の判断です。資産形成をやり切った先で、車を「移動手段」ではなく「人生を楽しむための選択」として選ぶなら——それは、また別の話です。お金は、貯めるフェーズと使うフェーズのバランスでできている。その話は、いずれ別の記事で。


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