コンビニの父、逝く——50年で変わった日本の食卓と、銀鮭1,100円の今
詩吟
豊洲の灯から五十年
コンビニは魚を運び続けた
銀鮭千百円の食卓に、父が遺したもの
訃報
5月25日、セブン&アイ・ホールディングスは、元会長兼CEOで名誉顧問の鈴木敏文氏が5月18日に心不全で死去したと発表した。93歳。「コンビニの父」と称された人物の、静かな退場である。
1974年5月、東京・豊洲
52年前、鈴木氏は東京江東区の小さな酒屋を改装した日本初のコンビニ、セブン-イレブン1号店を開いた。
当時、日本の家庭は魚屋・八百屋・米屋から食材を買って調理するのが当たり前だった。「夜の店が明るい」というだけで、人々は不思議に集まった。
それから半世紀、コンビニは日本の食卓を作り変えた。鮭おにぎり、銀鮭弁当、冷凍切り身——魚の出口が、漁港から駅前24時間店舗へと延びた。鈴木氏が築いたのは、店ではなくサプライチェーンそのものだった。
50年後の食卓
そして今、SCI=0.73。スーパーの銀鮭は1kg1,100円に達し、消費者は静かに代替へと移っている。円158円台。長期金利2.7%台。鈴木氏が広げた流通網は、円安と金利上昇の風を、いま全身で受けている。
5月11日から25日まで、FIS(Fish Information & Services)の週次価格は1,050〜1,100円のまま動いていない。値上げできず、しかし下げる理由もない。この静かな膠着こそが、SCI=0.73の意味するところだ。
鈴木氏の口癖は「お客様のために」だった。当時、それは在庫一つを変えるための言葉だった。50年経って、その言葉は、銀鮭1,100円という重さの前で、どう聞こえるか。
静かな敬意
コンビニの父が、いなくなった。彼が遺した流通網は、今日も魚を運び続けている。明日もそうだろう。
批判や評価は、あとから来る。今日は、ただ、その仕事に敬意を払う。
▼本日の水産セクター(参考)
|銘柄 |終値 |騰落率 |
|----------|-------|------|
|極洋(1301) |4,480 |+2.87%|
|ニッスイ(1332)|1,338.5|+2.01%|
|ニチレイ(2871)|1,797.5|+1.38%|
|ヨコレイ(2874)|2,623 |+0.76%|
|東洋水産 |11,110 |+1.00%|
参考マクロ
• SCI:0.73(5月25日時点・チリ産銀鮭H&G 1,050〜1,100円/kg・2週連続不変)
• 出典:Japanese Frozen Market Prices, FIS
• ドル円:158円台後半
• 日本10年国債利回り:2.7%台
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄への投資推奨ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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