SCI=0.73、5週連続。動いていないのは、銀鮭だけではない
詩吟
銀鮭五週、動かず
賃金もまた、止まる
来年四月、SCIの式が変わる
今週の問い
なぜSCI=0.73は5週連続で動かないのか。そして、それは何を意味するのか。
答え
SCI=0.73が動かないのは、分子(銀鮭価格)と分母(時給)が同時に止まっているからである。そして来年4月、政府の食品消費税1%案が実施されれば、この計算式そのものが書き換わる。
本論
構造① 分子も分母も、止まっている
SCIは「銀鮭1kg価格 ÷ 東京時給」で算出する独自指数。今週末時点で0.73、5月11日から5週連続変動なし。
分子側:FIS(Fish Information & Services)の週次価格は、チリ産銀鮭H&Gが1kg1,050〜1,100円のまま、5月11日から動いていない。
分母側:リスクモンスター社の賃上げ調査(5/31発表)では、過去1年で給料が「上がった」と明確に回答した層は15.4%にとどまり、73.0%は「変わらない(小幅な上昇を含む)」と答えている。賃上げ報道の音量と、現場の実感には大きな乖離がある。
つまりSCI=0.73の「不動」は、魚価が高すぎる問題ではない。魚価も賃金も、両方が止まっているという、より深い静止である。日経平均が66,000円台に達し、米イラン協議期待でマクロが沸騰する一方で、家計の最小単位は完全に動きを止めている。
構造② 来年4月、SCIの計算式が変わるかもしれない
政府は5月29日、飲食料品の消費税を2027年4月1日から1%に下げる案を検討中と報じられた(共同通信)。期間は2年間限定。1%分の年間約6,000億円を補助金で還元する「実質ゼロ」案も併存している。
実施されれば、消費者が銀鮭を買う時の税負担が現在の8%から1%に下がり、税込ベースのSCIは理論上低下する。ただし本体価格と販売価格の関係は流通段階や値付けで決まるため、実反映は単純な計算通りには進まない可能性がある。
ここで重要なのは、これが**「銀鮭が安くなった」ことを意味しないという点**だ。本体価格は変わらず、税負担が一時的に薄くなるだけ。2年経って税が戻れば、SCIは即座に元に戻る。SCIの一時的な見せかけの改善を、家計の体感としてどう受け止めるか。これが来年以降の重要な観察点になる。
読者への問い
あなたの給料は、この春、本当に変わりましたか。
▼補足
SCI推移(2026年5月)
|週 |銀鮭H&G(円/kg)|SCI |
|----|-----------|----|
|5/11|1,050〜1,100|0.73|
|5/18|1,050〜1,100|0.73|
|5/25|1,050〜1,100|0.73|
|5/29|1,050〜1,100|0.73|
5週連続変動なし。FIS Variation: 0。
参考マクロ
• 日経平均:史上初の66,000円台(5/29)
• ドル円:158円台後半
• 日本10年国債利回り:2.7%台
• 食品消費税1%案:2027年4月1日実施軸(共同通信、5/29)
• 賃上げ実感:「上がった」15.4%、「変わらない(小幅上昇含む)」73.0%(リスクモンスター調査、5/31)
出典
• Japanese Frozen Market Prices, FIS (Fish Information & Services)
• 共同通信社、ITmediaビジネス(リスクモンスター調査)
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄への投資推奨ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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