ひさびさ日本に行ってきました その1
日本です。モンゴルではありません。国、間違っていません。
どこかって?
紋別。北海道。
さてなぜこんなところでゲルに泊まったのか。その経緯から始めましょう。
2年ぶりの日本。母は埼玉、父は千葉、いつもなら親に会って、親戚や友人に会って、普通に東京プラプラして2週間あっという間に終了ですが、今回は思いっ切って北海道旅行を詰め込みました。
父は東京下町出身なのでいつでも故郷に行けていいですが、母は釧路出身なのです。団塊世代。東京に出てきた後は、40年前に1度しか故郷に戻った事がありませんでした。
それで歩けるうちに連れて行こうと。
しばらく前に先祖の事を調べ、蝦夷地の頃に小樽に移住した北陸の商人と知りました。母にそのことを伝えると喜んで、もう一度北海道に行こうかと話していたのです。
本当に面白いんですよ。母が覚えている親戚や家にあったもの、家にある写真がことごとくゴールデンカムイの世界。アザラシのバッグがあったとか、冬はトドの肉が外に保管されていたとか、家にたくさん犬がいて、犬ぞりで荷物運んでたとか。
グリーンランドのドキュメンタリーかい。
もしかして、うちアイヌ系なんじゃないの?と期待して調べましたが、そこには繋がりませんでした。写真はみんな着物やスーツや軍服の和人です。
しかし母の話を聞いていると、昔からいる人達は文化的に重なっている部分がある印象ですね。クラスにアイヌの子が普通にいて、学校で習ったアイヌ語や歌も多少覚えているようです。遠足でコタンは定番だったそう。いい話を聞けました。
そんなわけで、母(78)をゲルに泊まらせていいのだろうかと思っていましたが、大丈夫でした。ぐっすり眠っていました。むしろ置いといたら普通に住んでそう。笑
いやホテルが近くにあればそれで良かったんですよ。でも無かったのです。車無しでオホーツクとっかりセンターに朝から徒歩で行くためには、ゲルしかありませんでした。
「とっかり」って何かって?
アザラシの事です。母は知っていました。
そしてアメリカ育ちの高校生の次男も。
半年くらい前でしょうか。音楽やゲームじゃなくて、他に特別な興味ってある?と聞いたら、ポツリと、
Seals.
はい?何のこと?となりましたが、思春期反抗期真っただ中、普段は親とあまり口をきかない16歳が、世界のアザラシについてやたら詳しく説明しだしたのです。
マリーンサイエンスに興味があるの?
いや違う。アザラシ。イルカとか興味ない。
えええ?どういう事?
この辺にもアザラシいるよね。去年、メインで見たし、ボストンの水族館にもたくさんいる。だからなの?
コネチカットにも有名な水族館あるよ。観に行く?
いや。僕が見たいのは、シベリアや日本にいるやつなんだ。
ゴマフアザラシとか?
うーん。それもだけれど、タテゴトとかワモンとか。実は日本はアザラシを見るには一番いい場所なんだよ。
どこの水族館で見れるの?
オホーツクとっかりセンター。
え?なに「とっかり」って?
アイヌ語でアザラシだよ。
オホーツク?いやちょっと待ってよ。どうやって行くのよ?笑
ここからの北海道旅行計画が大変でした。
まず紋別と他の都市が車無しでは結びつかないのですよ。鉄道も無いですからね。東京から直接行くにはANAが1日に1本出している便だけです。もうこれしかない。そこから釧路までどう行くか。ここがまた難問。
知床も行きたかったですが、熊のこともありますし、高齢の母と山に行くのも大変。でもできるだけ楽に北海道の景色を楽しみたい。うーん。
AAAで国際免許も取って紋別からレンタルの予約をしようとしましたが、都市間乗り捨てができない、もしくは上乗せ料金がだいぶかかるようで、タクシー並みに高くついてしまう。
というわけで、こうなりました。
羽田からANAで紋別空港、シャトルバスでゲル到着。
2日間、保護アザラシを見まくり。グッズ買いまくり。近辺の博物館制覇。
夜は、キタキツネも間近で見る。

ここからタクシーで網走監獄博物館まで行く。
2時間で37,000円。でも4人(母、夫、息子&私)で、運転手の解説付きでオホーツクの海岸と農場ののどかな景色を楽しみながらのツアーみたいなものと思えば悪くない。(たぶんここが楽に繋がると紋別の観光客増えると思います。)
網走で一泊。残念ながら街はかなりさびれているが、涼しい夜の散歩が心地良い。翌朝、駅でかにめしを買って釧網線摩周号で釧路に向かう。
ここから3時間「世界の車窓から」状態。40年前に行った知床斜里、川湯温泉、摩周、釧路湿原を通って釧路に到着。凄いと思うのは、こういうところにもオーストラリア人や中国人の日本マニアみたいな人たちが結構いる。
釧路到着後は、タクシーで母が生まれ育った春採湖方面へ。たまたまタクシーの運転手(76)が母と同じ小学校の人で、地元の話題で盛り上がって本当に良かった。涙
チェックイン後は和商市場をまず見て、市内を散策、夕飯はフィッシャーマンズワーフで炉端焼き。涼しいし、霧で肌しっとり、釧路最高。駅前が廃れているが、これからの開発によっては良い感じになりそうな気もする。
翌日は阿寒バスの日帰りバスツアー、ピリカ号で、摩周湖、硫黄山、屈斜路湖、阿寒湖(コタン)を観てまわり、最終日、東京に帰る前に釧路市立博物館に立ち寄る。
ここが思いの外、凄く良い。この地域の環境特性、動植物、90年前の人々の生活、アイヌ文化などが、センス良く展示され、ハーバード大の博物館並みのクオリティ。
どうでしょう?
北海道は広いのでまだまだ見たいところはたくさんありますが、5日間で、母と息子が見たかったところを、かなり巡れたのは良かったです。夫もずっと北海道には行ってみたいと言っていたので、なかなかアメリカ人はできないような旅に満足しています。
リタイア後、のんびり遊びにいくなら北海道がいいかと言っています。
ここボストンが釧路と同じくらいの寒さなのでね。
たぶん冬でも大丈夫です。

