御恥出等
会社で隣の席の圭吾さんが、鳥の図鑑を見ている。
「飼ってる文鳥が「おめでとう!」と言いました」
僕「鳥飼ってるんだ。賢い子だね」
「何を祝いたかったのでしょう」
僕「誕生日でないなら、記念日かな。
文鳥と出会った日とか」
「そんなロマンチックな目で私を?」
僕「違うか…なんか思い当たることはない?」
「いちごを食べていたら、パジャマに落としました」
僕「そこに「おめでとう!」がくると、おめでたくはないね」
「“おめでとう”ではなく“御恥出等”と言ってたのかもしれません」
僕「そんな当て字で高度な皮肉を文鳥が!?」
「文鳥は相手を見て行動を変えることができるそうです」
僕「……圭吾さんを見て、どんな行動したくなったんだろう」
「御恥出等……1等賞みたいな響きでしょうか」
僕「恥の1等賞…皮肉が深まってない?」
圭吾さんの私生活が気になったが、本人は少し肩を落として鳥の図鑑を見つめていた。
お読みいただいて、ありがとうございました。
本作ははらとけいさんの企画に参加しております。
