結び目のあとー風まかせ文芸部
固く結ばれた関係だと思っていた。
誰にもほどけない。
誰にも切ることはできないって。
でもある時に思ったの。
こんなに固く結ぶ必要が
あったのかなって。
誰もほどこうとなんてしていない。
誰も切ろうとなんてしていない。
私達はとても安全だったの。
そしてね、気付いたの。
誰もあなたを魅力的に思っていないこと。
結び目をほどこうとしたら、
あなたは泣いて怒ったわ。
「俺達は離れないっ」
だけど、その涙は私の心を冷やすばかり。
するりとほどいた先に、
私の体は肩の力が抜けて呼吸が深くなる。
もう結ぶのは止めましょう。
次は赤い糸なんていらないわ。
手を繋いで、優しく微笑むことができたら、それが正解。
風に吹かれた赤い糸は
遠くへ消えて、見えなくなった。
お読みいただいて、ありがとうございました。本作は風まかせ文芸部さんの企画に参加しております。
