パリピの美意識
ここは東京都内。
23区から離れた静かな街。
大きな団地の1室が我が城。
私は花村硝子。
アラフォー。
そしてー
「今日はやらな〜い」
風呂上がりのドライヤーから逃げ回るのは娘のミンちゃん。6歳。
髪が細いせいなのか、クシが引っかかるのが嫌で拒否される。
「ホントにやらない?もうしまうよ〜」
娘が怒った顔で走ってくる。
「もう私がやるもん!」
オモチャ箱から百均で買った風船ポンプを手に取ると、おもむろに髪にシューッとかけた。
しばらく見つめる。
「マジか……天才かっ!」
「写メ撮ってもいい!?」
娘がニヤリと笑う。
「いいよ〜」
乾かすのに必要なのは、ドライヤーとは限らない。
機転の利く発想だと感心する。
しかし、それはそれ。
これはこれである。
「ところで、美容師さんがドライヤーをかけた方が髪が綺麗になれるって」
私の前に背中を向けて、スッと座る。
「かけていいよ〜」
美容師さんは美のカリスマ。
それがパリピの美意識。
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