屍花嫁の式ー風まかせ文芸部
脈々と流れる血というものがある。
もしそんなものがあるとしたら…
私の場合は愛への執着だろうか。
「死んだあの娘の旦那様♡募集中」
娘の写真と一緒にアップしたら、
ピックアップされた。
次々に写真付きの応募が寄せられた。
あの娘のタイプ、大切にしてくれる男を
探しながら、私は娘の結婚式を考える。
幾人かの男達に【屍花嫁の式】を提案する。
私の本気を知ると男達は、
恐れを抱いて消えていった。
しかし残った男がいた。
その男は私の提案を真剣に考え、
受け答えする。
ついに娘の墓の前で式を挙げるか
娘の遺骨をもって教会であげるか悩み
教会のイメージ案までいくつか送ってきた。
この男なら合格だ。
日取りの決まった日
私は黒の喪服を身につける。
遺骨の下には純白のドレスが輝いている。
花婿からメッセージがくる。
「介添人も一緒に逝きましょう」
彼にもまた受け継がれた血が
流れているのだろう。
黒の喪服の裾が、ふわりと揺れた。
脈々と流れる血は、
もはや私一人のものではなかった。
お読みいただいて、ありがとうございました。本作は風まかせ文芸部さんの企画に参加しております。
抗えない血というものを書いてみました。
娘への執着を強く抱いているのに、淡々と事を進めていく母親も怖いですが、淡々と応えていく花婿もミステリアスで、その出会いはSNS。
もう全てがおかしいけれど、運命のようにも感じました。
呪われた血が引き寄せた縁結びと考えると、
耽美ホラーな気がします。
