夏の手前│風まかせ文芸部
緑の揺れるこの季節は風の通りがいい。
日差しの強さと、朝夕の冷たい風が交差して春と夏の境を思わせる。
公園の日陰に座ると、遊具が光を反射して外の世界が輝いて見える。
日に日に湿度が高まり、空気が肌に纏うように包み込む。
雨の匂いが近付く季節が好き。
紫陽花の色が緑から、青や紫へとお色直しを始める。
初夏の香りが夏の始まりを告げる。
“今年もきたよ”
木が、花が、風が、土が、水が、伝えてる。
ねえ、見てる?
季節が渡り歩く姿を。
この土地には四季がある。
長くても、短くても、彩りが移り変わるの。
その変化を身体が感じてる。
私は季節の中にいる。
今日もこの世界の中で。
お読みいただいて、ありがとうございました。
本作は風まかせ文芸部さの企画に参加しております。
