パリピと話す機械たち
ここは東京都内。
23区から離れた静かな街。
大きな団地の1室が我が城。
私は花村硝子。
アラフォー。
そしてー
「妖怪ウォッチ 体操!」
私の古いスマホに呼びかける娘のミンちゃん。6歳。
最初は検索画面で一生懸命ひらがなを打ち込んでいた。
小学生もタブレットに触れる時代だ。
文字の打ち方の練習になるし、見守っていた。
「妖怪ウォッチ メダル!」
それが気付けば、音声検索機能を使うというスキルアップを果たしていた。
Google「『妖怪ウォッチ』は、株式会社レベルファイブが展開する大人気クロスメディアコンテンツで…」
「妖怪ウォッチ お話!」
Google「『妖怪ウォッチ』は、株式会社レベルファイブが展開する大人気クロスメディアコンテンツで…」
「うるさいです!!」
物には厳しいミンちゃん。
どうしても毎回、ご丁寧に妖怪ウォッチの説明を始めるGoogleに、先生の如く叱りつける。
軽快な音楽が鳴り出すと、サッと立ち上がり妖怪ダンスを踊り出した。
今や歯磨きの時でもAlexaに声をかけている。
「アレクシャ、“歯磨き上手かな”かけて!」
Alexa「ごめんなさい、よく聞き取れませんでした」
「ママ〜ダメみたい。やって」
Alexaとは少し会話をする。
子どもの世界では、この話す機械たちはどのように映っているんだろうか。
いつか寂しい夜に、1人で泣く時には人でなくてもいいから、この子の味方になってくれる存在が側にいてやって欲しい。
そこに命はなくても、君は一人じゃないよと言ってくれたら、明日を迎える一欠片の希望にはなると思うんだ。
「うるさいです!!」
折り合いのいい相棒だといい。
パリピの扱いは難しいから。
