雨の檻という孤独な部屋で
こんばんは、なぎです🍀
のんびりした週末を過ごすはずが、思いもよらないトラブルが発生してしまって、バタバタとしてしまいました。
お昼からは限界が来たのか、ソファでそのまま眠ってしまっていました。
本当は副鼻腔炎の通院に行くはずだったのですが、体が「もう無理」と言っているみたいで、明日か明後日に変更することにしました。
天気予報を見ると、明日からはずっと雨マークが並んでいます。
何となく、気が滅入ってしまいますね。
雨、と言えば、なぎには読みたくなる本があります。
菅浩江さんの「雨の檻」という短編集です。

表題作の「雨の檻」は、何万光年も宇宙を進む宇宙船が舞台です。
窓のない空間での長時間の生活は人間には無理なので、窓型のモニターが設置されているのですが、ある日そのモニターが、雨の風景しか映さなくなってしまうのです。
物語は少し憂鬱なモノローグから始まります。
閉ざされた空間で、ただ延々と降り続ける雨だけを見つめる日々。
けれど、読み進めていくと、そこには悲しい優しさが静かに横たわっていました。
SFの題材としては、もしかしたらありふれた設定なのかもしれません。
宇宙船、閉鎖空間、人間の孤独……どれも使い古された要素です。
だけど、菅浩江さんの物悲しい心理描写、繊細な情景描写に、なぎは何度も何度も読み返したくなってしまうのです。
雨だけが降り続ける窓を見つめる主人公の心に、なぎは不思議と自分自身を重ねてしまいます。
なぎの好きな言葉があります。
詩人・青木景子さんの、こんな一節です。

「そういえばここは、少しさみしい」
初めてこの言葉に出会ったとき、胸の奥がきゅっと締め付けられたような気がしました。
どれほど優しい友人に囲まれていても。
家族が見守っていてくれていても。
満たされないこの気持ちは、なんなんだろう。
忙しい日々を過ごしていると、ふとした瞬間に、この言葉が心に蘇ります。
仕事を終えて、タスクを消化して、メッセージに返信して、笑顔で「お疲れさまでした」と言って。
一日が終わる頃には、なぎは何かを成し遂げた達成感よりも、何か大切なものが少しずつこぼれ落ちていくような、そんな虚しさを感じることがあります。
それは、誰かと一緒にいることの寂しさ、とでも言うのでしょうか。
人と繋がっているはずなのに、本当の意味で触れ合えていない感覚。
言葉を交わしているはずなのに、心の芯の部分は誰にも届いていないような気がする瞬間。
「そういえばここは、少しさみしい」
この言葉は、そんな名付けようのない感情に、そっと名前をつけてくれたのです。
なぎたちは、どんなに忙しく動き回っていても、どんなに人と繋がっていても、心の奥底には誰にも触れられない小さな部屋があるのかもしれません。
そこは、いつもほんの少しだけ寂しくて、ほんの少しだけ冷たい風が吹いている。
菅浩江さんの「雨の檻」の主人公も、きっと同じような部屋を持っていたのでしょう。
何万光年も離れた宇宙船の中で、雨だけが降り続ける窓を見つめながら、その小さな部屋の扉をそっと開けていたのかもしれません。
だからこそ、あの物語は、なぎの心に深く響くのだと思います。
雨は、嫌いです。
お出かけが億劫になるから。お洗濯ができなくなるから。予定が狂ってしまうから。髪が広がって、靴が濡れて、傘を持ち歩く手が疲れてしまうから。
雨は、好きです。
ゆっくりと好きな音楽を楽しめるから。ミルクティーの湯気が似合うから。窓を打つ雨音が、心を静かに落ち着かせてくれるから。本を読むのに最適な、少しだけ薄暗い光が部屋に満ちるから。
どちらも、なぎの心の中にある、真実です。
矛盾しているようで、矛盾していない。
人の心は、いつもそんなふうに、相反するものを同時に抱えているものなのかもしれません。
「雨の檻」の主人公も、きっと雨を愛していたのでしょう。
そして同時に、雨だけしか見えない世界を、少しだけ恐れていたのでしょう。
「そういえばここは、少しさみしい」と気づくこと。
それは、決してネガティブなことではないのだと、なぎは思います。
自分の心の奥底にある小さな部屋の存在を認めること。
そこがほんの少しだけ寂しい場所であることを、否定せずに受け入れること。
それは、自分自身と正直に向き合うための、大切な一歩なのかもしれません。
明日からの雨の日々を、なぎは少しだけ憂鬱に思いながらも、同時に少しだけ楽しみにしています。
雨音を聴きながら、温かいミルクティーを淹れて、また「雨の檻」を読み返してみようかな。
そして、心の中の小さな部屋の扉を、そっと開けてみようかな。
「そういえばここは、少しさみしい」
その言葉を、今日はもう一度、心の中で静かに呟いてみます。
雨の日の孤独は、決して悪いものではないから。
それもまた、なぎ自身の、大切な一部だから。
明日も、明後日も、雨が降るのでしょう。
それでもなぎは、きっと大丈夫です。
雨を嫌いながら、雨を愛しながら、なぎはなぎのまま、ここにいます🍀
コメントをくださっているのに、お返事ができなくてごめんなさい(*´・人・*)
もう少しこの冷たく綺麗な孤独感に浸っていたいのです。
いつも本当にありがとうございます✨
素敵な夜をお過ごしください🍀*゜
