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今更2025年もらって嬉しかったもの

 買ってよかったものリストを考えよう!と考え始めた矢先、夫婦そろって口にする「2025年に家にやってきて嬉しかった物」は、その半分以上が「もらったもの」でした。
 それもそのはず、私たちが好きなものは基本的に明治~昭和初期くらいがいっとう好きで、次に昭和中期~平成初期のもの。新しく物を買うより、中古品や、古くていらなくなった家財道具に心惹かれて生きています。それをいろんな方々に伝えていると、ご縁がつながって、ありがたいことに頂戴できることがあります。2025年は特にそういった流れが多くて、自分たちが人に愛されて生きていることを、強く実感した年でもありました。本当にありがたい、うれしいなぁ。

 古いものたち、もらったものたちには、それぞれその物が歩んだ日々の営みの歴史が載っている。そういうことがたいそう愛おしいので、少しばかりそれらも踏まえて伝えられたらうれしいです。

 ちなみにこれは私たち物をなかなか買わない夫婦がそれでも2025年に買ってよかったものをリストアップしたもの。見ごたえはありませんがどうぞ!




⸜𖦞⸝ 大工さん家のダイニングテーブル

かわいい木のダイニングテーブル、上にはお菓子の山!

 我が家のリフォームをしてくれた大工さんが突然「いりませんか~」と声をかけてくれたダイニングテーブル。息子さんのお引越しを機に、不要になった物だそうなのだけれど、これがとっても丈夫な上、シンプルなのにいいデザイン。食事などに使っていた天板にある小さな傷跡が、家族の風景を感じさせてくれてとても好きです。
 彼は家のデザインの要望に応えてくれるだけでなく、私たちの生活の在り方を慮って細かなデザインの調整をして施工してくれた大工さんです。リフォームが終わっても、こうやって私たちを気にかけてくれるんだもの、なんて素敵なのかしら。

⸜𖦞⸝ 隣のおじいちゃんからの家財道具

お膳入れ・木の番重・箱など

 隣のおじいちゃんの生家である古いお家が、解体すると聞いた日。いてもたってもいられず「おじいちゃん!古いお家、最後に見せてくれませんか?」とお願いしに行きました。
 快く承諾してくれたおじいちゃん夫妻と一緒に家の中を巡ると、いや~面白い。築100年くらいだそうなのだけれど、古いガラス窓に、土間うちされたお勝手、一部高床な部分があって、ダムができるまで洪水になりやすかったこの土地の歴史まで見えてきました。

 そんな中、「もうこれも捨てるんや~」と仰った宝の山を発見した私は、図々しくも「頂戴してもいいですか!!!!!」と大興奮。「そうや古いものが好きなんやったな!いくらでも持っていきや!」といつものにこにこなお顔で伝えてくれて、山ほど持って帰りました。

木のパズルと大きなアルミ鍋
切子の入った小さな盃
煙草盆やガラスの砂糖入れ、そして殺人事件でよく見る灰皿

 こちらの灰皿、煙草に使うのではなく、絵を描くときに筆をおくのにかなり重宝します。パレットのようにも使えます。これを置いてると、多くのお客様はみんな「サスペンスでしか見たことないわ!」とみんなしげしげと眺めてくれるのでそれもまた楽しいところ。

玄関の様子。左端の木製の箱がお膳入れ。今は棚になっています。
隣のは2024年に名古屋からいただいた木製の本棚、かわいい!
分厚めの器、かっこいい~~~~

 このほか、ヤカン、番重、手あぶり火鉢などを頂戴して、たいへんほくほくでした。頂戴するとき、「これは明治って筆で書いてあるやろ?私のおじいさんが買ったもんや」とか「黒塗りのお膳を持っているということは立派なことでな。結婚式とかがあると借りたり、借りられていったりするもんなんや」とか「昔は粗品でこういうガラスの灰皿をよう作って配ったもんなんや。せやからこんなに多いねん」とか、いろいろな話を伺いました。

 現代だったら、こんな立派なガラスの灰皿はそんな簡単に粗品にならなそうだもの、ある意味で相当豊かだった時代だなと思います。そういえば我が家の古民家に残された団扇も、竹でできていてとても綺麗だったけれど、粗品として配られたやつでした。プラスチックじゃない、手作業でのものを配れるって、すごい…!
 それでも、古いものってみなさん毛筆でお名前と、いつ入手したか、どこから入手したかなどを記載することが多いですよね。物ひとつひとつが手作りが多かった時代、物をやりとりするという意味は、現代の私たちの感覚より価値が高いのかもしれませんね。

 そういう価値観や細かな風習、そこに確かに生きていた人の営みを感じられることがとても心地よく感じられます。太く勇ましく書かれた毛筆の字を見て、この笑顔のかわいいおじいちゃんを可愛がった方が書いたんだなぁと想像してはにんまりしてしまいます。

⸜𖦞⸝ 隣のおじいちゃんがくれるお花

お家の庭でとれたたくさんの椿

 隣のおじいちゃんはお花が好き。お庭には季節に合わせてたくさんのお花があります。きれいなお花が咲いたら「お花あげよ思て」と言って摘んではもってきてくれるおじいちゃん。隣でおばあちゃんが「もっときれいなの切ってくださいな、こっちにあるでしょう」と突っ込みつつ、みんなで笑うのがいつもの景色です。
 そんなおばあちゃんの好きなお花は、いつもおばあちゃんが洗濯物を干すところに咲くウツギ。洗濯物を持ちながら「私この花がいちばんすきですのよ」と嬉しそうに仰った日を覚えています。

 この時いただいたのは椿でした。2026年、つい先日いただいたのは蝋梅。今我が家は、おじいちゃんのところの蝋梅の香りでいっぱいです。いつも、本当にうれしい。

⸜𖦞⸝ 故郷からの家財道具

長火鉢、故郷では「ぶしょぐろ」というらしい
調べても出てこず、漢字や由来を知りたいところ

 私の母の実家は、古くから続く麹屋さんでした。古くていいものが多いのだけれど、伯父が「もういらねがら、ぶなげんびゃ~どおもてだなよ」(意:もういらないから捨てようと思っててね)と言うので「けろ!!!!!」(意:ください!!!!!)と言っていくつかのものを保存してもらっていました。

 それを母が修理に回してくれたり、父が一式積んで車で持ってきてくれたり、たくさんの人に助けていただきながら我が家にやってきました。本当にありがとう、大切にします。

 この長火鉢は、私の曽祖父が使っていたものだそう。いつもここに座って煙草を吸っていたのだって。伯父も母も伯母も、「その火鉢で釣ってきた魚ば焼いてくうっけ~」と口々に言っていました。ずっと憧れていた長火鉢、とっても嬉しかったです。

文机と、隣のおじいちゃんからもらった火鉢

 これは麹屋さんの番頭さんが使っていたという文机。非常に使いやすい!座って作業するのに最高の高さ、軽さで、どこへでも持っていけます。
 このほか折り畳みの机ももらいました。それは母が幼い頃、おままごとにも使っていたという古い机。使い込まれて黒くなった表面はてらっと光って、撫でたくなる机です。

かわいい食器棚は靴箱に
上に置いてある箱は、隣のおじいちゃんに戴いた箱をカットしたもの
お膳
これは庭仕事の途中のごはんの様子

 そして、朱塗りのお膳。お膳で食事したい!と思っていた私たちにとって、とっても嬉しい戴きものでした。

 このお膳を使いながら話していたのだけれど、文机も火鉢もお膳も、使っていると季節をとても感じやすくなる気がします。着物もそうだけれど、風土に合っている、そこの土地で生まれるべくして生まれた形をしている。

オガ炭の備長炭を焚く
このヤカンは隣のおじいちゃんからもらったもの

 それに加えて、面白い体験だと感じるのは火鉢です。
 普段家にある火と言えば、ガスコンロやストーブ類なので、比較的安全に火を扱えます。それに対して、火鉢の火はそんなに安全ではない、私たちのコントロール下に完全にはいない、火。恐ろしく、美しく、恵みを与えてくれるこの存在に、自然と畏怖のような気持ちが生まれていく。多くの民族で火が重要な役割を持っていたり、そこに神様がいると信じていたりするのも大変納得します。
 また、灰の断熱性能を全然信じていなかったのだけれど、灰があれば周りの木は全然熱くならないし、炭に灰をかぶせるだけで静かに消火していきます。なんてすごいんだ。灰、すごい。

 火鉢が廃れたのは、関東大震災が直接的に大きな原因となったと聞きます。確かに、なかなか炭の火は消えないから、地震が起こって木片が近くにあれば、火事は免れません。我が家は火鉢の隣にいつも多めの灰を用意しているのと、火消壺の用意をしているので対策していますが、南海トラフの危険性があるうちは、ちょっとずつしか使えないかもなぁと思っているところです。(でも使いたいときには使うゾ!)

⸜𖦞⸝ お客様にいただいた灯油ストーブ

ダルマストーブ!大好き!最高!

 買ってよかったもの2025にも記載していた「ストーブファン」を買う前のこと。ファンがいいのか、それともがっつり石油ファンヒーターを買った方がいいのか、と迷っている時、一度ホームセンターなどに見に行こう!とおでかけしました。ホームセンターの前に、我が家の美術室に来てくれているお客様の苺農家さんがやっている直売所に伺って、苺を買いながら「寒すぎて新しいストーブを検討してるんですよね~」と世間話をしました。

 ばいば~い!とそこを離れて数分後、お客様から「いらないストーブあるんですがどうですか?」のメールと、大好きなダルマストーブの画像に「待って!?!?そんなことある!?!?!」と、かなり驚き、速攻で戴きに戻りました。

 え、そんなことある???????

 でもこれは、石油ファンヒーターではなくストーブファンを買えということかも!?と思って、我が家は昨年のベストバイ、ストーブファンを手に入れたというわけです。

 え?

 戴いて、今はもう1か月ほどになりますが、未だに驚いています。快く「もっていって~!」と仰っていたお客様ご夫婦に、心から感謝します。昨年から新しくできた友人でもあるおふたり、心根のやさしい友人ができた幸せの方が、自分を温めてくれています。(うまいこと言った)


 以上、2025年もらって嬉しかったものでした。

 ここでご紹介できなかったものも実はもっとたくさんあります。
 他の美術室のお客様の、ご親戚のおばあちゃんからいただいた着物たち。私の夫は、冬になると着物で過ごすので、大変うれしくいただきました。
 故郷にいる友人から届いた、オーガニックの美味しいクッキーとグラノーラ。東京で働く友人から届いた、ねずみとくじらの絵本。イギリス土産に戴いた、街並みが描かれた綺麗なクリスマスオーナメント。その他にも、たくさん、たくさんあります。

 古いものをいただくことも、新しいものをいただくことも、常に誰かの想いをいただく嬉しさでいっぱいになりますね。

 今年もたくさんのやりとりができますように、遠い場所に住んでいても、いつも心で想っていることが伝え合えますように。
 いい年にしたいですね。

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