上には上が
幸水梨をこよなく愛する私であるが、一つ重大なものを見逃していた。ということが、後になって発覚した。
超高級ブランドの幸水梨が存在するということを。
それは、お手頃価格になった幸水梨を、ウハウハと何個も買い物かごに入れた日の出会いだった。
少し離れた特選物産コーナーで、このような「なし」を見かけた。

「はまなし」
ああ、宮沢賢治の童話の? (←勘違い)
大きいなあ。いくらするのかな、と思い近づいてみると、なんと、すごいお値段。いや、これ、なんでこんなに高いんだろう。とくべつな梨だからかな。宮沢賢治で有名だから。
しかし説明書きを見ると、「横浜でとれた幸水梨」となっている。え、あの童話の「はまなし」って、横浜でとれた梨のことだったの?おかしいなあ、宮沢賢治って、東北の人だよね?
まあとにかく、オサレな街、横浜でとれた梨だか何だか知らないが、5個でこの値段はいくらなんでも高すぎるし、庶民の食べ物じゃないよね?いいや、普通の幸水梨で。
と、いう思考により、普通の幸水梨をゲットして帰宅。
でも、いやしんぼにつき、後で気になり、ネットで調べてみると、これがすごいブランド梨である、ということが分かった。
「浜なし」とは、品種ではなく、横浜市農協認定の特別な梨というブランド。条件を満たした限られた農園でしか栽培できず、樹の上で完熟させて収穫する、大玉の梨。収穫時期により、品種は変化する。
ということだった。へえ。だから、今の時期は、幸水梨、ということなのか。でも、そんなたいそうなものにしては、聞いたことがなかったし(私が無知だったと言えばそれまでだけど)、今まで、デパートの高級な果物コーナーでも、見かけたことがなかったなあ。しかもここは同じ県内なのに。
すると、すごい人気があって地産地消でほぼなくなるとの記述が。なんでも、横浜市内各地に、生産者による直営販売所があり、そこで売り切れてしまい、横浜の外には出ない、「幻の梨」である、と。
「幻の梨」。
恐れ入りました。
横浜に住んでいたこともあるんだけど。全然、知らなかった…
幸水梨が最高の梨だと思っていたが、その幸水梨の中でも、上には上がいたのだ。
風ひかる、一生の不覚!
ところで、宮沢賢治との関係は? と思って調べると、これは私の完全な勘違い。宮沢賢治の童話に出てくる梨は、「やまなし」でしたね。
どうしようか、明日、あのスーパーにまた行って、買う?幸水梨信者なんだから、ここは、試さないと、でしょ?なんであんなフツーのスーパーに置いてあったのか、解せないんだけれども…
いやいや、もうすでに、冷蔵庫に5個も幸水梨があるし、追熟しないんだから、これ以上増やしたら、痛んじゃう。梨に優しくない。
5個で4千円以上だったよ、あれ。1個、800円。
やめておこう。
そして数日たって、またあのスーパーに行くと、「浜なし」はまだ、何袋か残っていた。買う?いや。だって、買わないって結論出していたし。それに、あの時置いてあった梨がそのまま残ってる可能性があるでしょ?庶民用スーパーだし。こんな高いフルーツ、そんなに買う人、いないよ。だから、もう、鮮度があやしい梨かもしれない。(←すっぱいぶどうの心理)
代わりに、その浜なしの横に置いてあった、浜なしの氷結とかいう酒をいくつか買い、それを飲みつつ、浜なしの偉大さに思いを馳せた…
来年は、もしかしたら、フツーの幸水梨を我慢して、浜なしを買いに、直売所まで行っちゃうかも。

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