ワタシはガイドのランちゃんでス 第三期 普陀山普済寺をご案内しまス 前編
ワタシはガイドのランちゃんでス
第三期 普陀山普済寺にご案内しまス 前編
※今回から、中国語のセリフは『』になりまス
寧波の高級大飯店のお部屋、とってもリッチでゴージャスでス。
ベッドもフカフカでス。
その時、ワタシの携帯に電話がかかってきましタ。
ウワサをすれば、でス。
彼氏の、陸徳心クンかラ。
『麗蘭、元気か?初めての仕事どうだった?』
『はあ?なんでやねん』
『あんたコテコテの上海人のくせに……』
『そっち行ったから言うて』
『何気取って北京語で話してんねん?』
そうなんでス。
徳心クン、今は北京の学校に鉄鋼業の製鉄技術を学びに行ってまス。
つまり、ワタシたちは遠距離恋愛なんでス。
『そうだっけ?上海語……わからないなあ』
なかなかパンチがきいた、とぼけぶりでス。
『まあ、日本人は真面目で勤勉で礼儀正しいから、麗蘭もやりやすいんじゃない?』
『あんた、日本人に知り合いおるんか?』
知ったような口ブリに、ついイラッときてしまいましタ。
『実は、僕の祖父さん日本人なんだよ』
『はあ?初耳なんねんけど?』
『最近知ったんだ、子供の頃に、日本へ引き上げられなかった祖父さんは、長春で人身売買されていたんだって』
『そしたら、教師だった曾祖父さんが、曾祖母さんの作った綿入れと交換で養子にしたんだってさ』
コレは……彼の悪い癖でス。
『長春?それおかしいやん』
『あんた陸遜の末裔で、先祖代々上海やなかったん?』
『さあ……なんのことだか、わからないなあ』
『もうええわ、おやすみ!』
なんだカ、イライラしてツイ電話を切ってしまいましタ。
また何かに影響されたみたいでス。
ちょっと前に、日本の上川隆也サンのドラマを再放送していたのでモ、見たんでしょウ。
確かに、陸で徳と心の字もアルけどモ。
まるで……
中学二年生でス。
そんナこんナで夜が明けて、オイシイ朝ごはンのビュッフェ、食べ過ぎましタ。
バスは寧波の港「大榭埠頭」に到着。
曹社長、朝からピシッとしてます。
「それでは、こちらの港から水中翼船で普陀山に向かいます」
「普陀『山』と書きますが、実際は島です」
「峨眉山、九華山、五台山に並ぶ、中国の四大観音聖地です」
タザワさんと伊藤さん、波の高い海を見ながラ、呟いていましタ。
「コーヒー牛乳の色みたいじゃのう?」
「いや、ミルクティーのほうが合うとるじゃろ」
ワタシ、ツボに入ってしまい、ついつい笑ってしまいまス。
お二人が、我に返ったようにワタシを見ましタ。
「アラ……ランちゃん、どしたんね?」
「ア……ランちゃんはどっちじゃあ、思う?」
『コーヒー牛乳と、ミルクティーて……』
「……チがいガ……ワカりませン」
すると、オ二人もツラれて笑ってくれましタ。
社長は苦笑いで、タメ息をついテいた気がしまス。
そうこウしていルうちに、水中翼船、いわゆるジェットフォイルに乗りまス。
水を吸い込んデ、吐きだしテ。
すごい速さで進みまス。
すると、正面の扉が開き、船員さんが出てきましタ。
制服の着こなしが独特でス。
紺の上下に、上着の前はボタンも止めずにはだけたママ。
ヨレヨレのランニングがまる出しデ……
咥えタバコでス
そのまま、船内の廊下を歩き出しまス。
なんとなク、お客さンみんな緊張してましタ。
船員さん、無表情で無愛想。
煙を吐き出しながラ……
手に持ったDVDを、右に左にビシッと突き出しまス。
「あれ……なにしとるんじゃ?」
高中さんが隣の社長に尋ねると。
「今あのモニターで流しているDVDの……」
「船内販売です」
「……売る気、ないじゃろ?」
ワタシもそう思いまス。
後ろの方の一般のお客さン……
DVDケースが、顔面にバシッとなってましタ
と、いうことデ。
普陀山に到着でス。
これから、普済寺、お参りですヨ!
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