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風邪の神様はちゃぶ台の下にいる

毎週ショートショートnoteの企画参加作品

まえがき

子どもの頃、おばあちゃんの言葉をそのまま信じていた記憶ってありませんか?
今回は、そんな懐かしい迷信と、現代のインフルエンザが思わぬ形で結びついた、
少しヘンテコで、ちょっと温かいショートストーリーです。


本文

おばあちゃんがよく言っていた。
「風邪の神様はちゃぶ台の下にいるから、ご飯を食べんといかんよ」って。

私はそれを本気で信じていた。
ご飯さえ食べれば、風邪の神様なんて撃退できる──と。

でも、インフルエンザには勝てなかった。
高熱が続き、食事も食べられない。味もしない。

そこで私は、ちゃぶ台の下に向かって
「風邪の神様、特別出演お願いします」と小声で呼びかけてみた。

すると、ぐいっとちゃぶ台の陰から出てきて、
「インフル念写と唱えよ」と言うのだ。

……は?
「インフル念写」?
なんじゃそりゃ。

でも、一応、小さくつぶやいてみた。
「……インフル念写」

あはは、何も変わらん。
風邪の神様も、もうろくしたね、とちょっと小ばかにした瞬間──
頭をパチンとはたかれた。

「心から念ぜよ。願いは叶う」と風邪の神様。

そこで、もう一度だけ本気で唱えてみた。
「インフル念写」

すると、なんだか、食欲が戻ってきたような気がした。

風邪の神様は、ちゃぶ台の影から
ドヤ顔でこちらを見つめていた。(420字)


イラスト:ChatGPT

あとがき

子どもの頃にしか信じられなかった“迷信”たち。
大人になると笑ってしまうけれど、
しんどい時には、なぜか一番そばにいてくれる気がします。

もしあなたのちゃぶ台の下にも風邪の神様がいたら、
そっと呼び出してみてください。
もしかすると、少しだけ元気が出るかもしれません。
※この物語はフィクションです。

毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。


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