見出し画像

旅日記~みかんとヒョヌ君パートⅡ~

🍊第57回 3つのお題(日本むかし話)
🎈お題①:「月を拾った子ども」
🐾お題②:「虹のかかる峠」
⏳お題③:「雨を呼ぶ小鳥」

お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。

第4話 月を拾った子ども

みかんとヒョヌ君の気球の旅は、まだまだ続いています。

懐かしい景色が広がる小さな村の上を飛んでいると、川のほとりで何かがきらりと光りました。

一人の男の子が、その光るものをそっと拾い上げます。

「なんだろう……。とっても重い。でも、なんか懐かしい気持ちになるんだ。」

男の子が夜空を見上げると、空に何かが浮かんでいました。

その何かが、話しかけてきます。

「それは、月や。家に持って帰ったらあきまへん。」

「にゃー。」

「うん、にゃー。」

男の子は困った顔で尋ねました。

「どうしたらいいの?」

「どうしたらいいの、て聞かれてもなぁ。ヒョヌ君、どうする?」

「にゃー、にゃー。」

「あんたにも分からんか。」

みかんは笑いながら言いました。

「今、降りて行くから。」

気球はゆっくりと川のそばへ降りていきました。

初めて見る大きな気球に、男の子は目を丸くします。

「これ、何?」

「あ、これな。気球いうて、空を飛ぶんやで。」

「どこから来たの?」

「うーん……その話をすると長くなるから、また今度な。それより、その月、どないしよう。」

みかんはスマホを取り出しました。

「電波……まったくあらへん。」

困った時に聞くChatGPTもおらへん。

ふと横を見ると──

「ヒョヌ君……おい、こんな時に寝てどないすんねん。」

ヒョヌ君は気持ちよさそうに眠っています。

男の子がおそるおそる聞きました。

「あの……その猫、さわってもいいですか?」

「ええよ。でも用心してな。すぐ噛みつくから。」

「えっ……。」

男の子はそっとヒョヌ君をなでました。

すると、どうでしょう。

ゴロゴロとのどを鳴らしながら、わてにも見せたことのないような嬉しそうな顔をしています。

「あの子、またたびの匂いでもするんやろか。」

みかんは首をかしげました。

「あかん。このままやと村の人が起きてきて、ややこしいことになる。」

みかんは男の子に優しく声をかけました。

「また、いつか会いに来るからな。それまで元気でな。」

「ヒョヌ君、帰るで。」

「にゃーーーーー。」

みかんは大きなヒョヌ君を抱えて気球へ戻り、再び空へ飛び立ちました。

男の子は手のひらにある月を見つめながら、小さくつぶやきます。

「これ……どうしたらいいんだろう。」

気球はゆっくりと夕焼け空へ溶け込んでいきました。
月を拾った男の子の不思議な一日は、まだ終わりそうにありません。


イラスト:ChatGPT

第5話 虹のかかる峠

気球へ戻ったみかんとヒョヌ君は、再び旅を始めました。

雨があがり、空には小さな虹がかかっています。

「ほら、虹が見えるで。」

「にゃーーん。」

「『虹のかかる峠』って書いてある。ええ名前やな。」

「にゃん。」

その時、みかんは思い出しました。

「あっ、しまった。食料を買い足さなあかん。」

「下の村に着地や。」

「にゃん。」

気球をゆっくり降ろし、ヒョヌ君を気球に残して、みかんは村へ向かいました。

お米に漬物、野菜、川魚、それからお団子。

旅に必要な食料をたくさん買い込みます。

「お金はどないしたん?」

それはな、あれです。

旅には旅の秘密があるんです。

「ヒョヌ君、出発や。」

「にゃん。」

気球はふわりと空へ舞い上がりました。

虹のかかる峠は少しずつ遠ざかっていきます。

道ばたに立つ小さなお地蔵様が、こちらへ向かって手を振っています。

いいえ……

何かつぶやいているようです。

よく聞こえませんでしたが、

きっと、

「達者でな。」

そう言ってくれたのでしょう。


イラスト:ChatGPT

第6話 雨を呼ぶ小鳥

気球の旅は今日もお天気に恵まれ、

みかんとヒョヌ君はのんびり空を旅していました。

すると、一羽の小さな鳥が飛んできました。

「私は雨を呼ぶ小鳥。」

「そんなん、ほな、呼んでもらいまひょ。」

「な、ヒョヌ君。」

「にゃん。」

雨を呼ぶ小鳥は、小さな声で歌い始めました。

みかんは笑いながら聞いていましたが、

次の瞬間、びっくり。

空いっぱいに雨雲が広がり、

ぽつり……

ぽつり……

雨が降り始めたのです。

「あかん!」

「洗濯物が濡れる!」

「ヒョヌ君、取り込んで!」

「にゃーーん!」

ふたりは大慌てです。

「もう、あんたの実力は分かりましたから、雨雲をどこかへ持っていってくれへん?」

すると小鳥は、少し困った顔で言いました。

「私は雨を呼ぶことはできますが、戻すことはできません。」

「そんな、アホな。」

「雨が止むまで、ここで休ませていただきます。」

「ちょっと、待って。」

そう言うと雨を呼ぶ小鳥は、

気球のかごの中で、

すやすやと寝息を立て始めました。

イラスト:ChatGPT



いいなと思ったら応援しよう!

片桐 みかん よろしければ応援お願いします😊これからも続けていく”未来の種”になります。よろしくお願いします。(❁´◡`❁)