黒猫と女の子
🍊第49回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「星くず市場」
🐾お題②:「青い鍵」
⏳お題③:「小さなドラゴン」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
タイトル
黒い猫と女の子
【まえがき】
黒い猫のセバスチャンは、時空を彷徨っていました。
ある夜、セバスチャンは「星くず市場」で、一人の女の子と出会います。
その出会いが、小さな奇跡を起こすことになるとは、まだ誰も知りませんでした。
【本文】
第1章 星くず市場
10歳くらいの女の子が、星くず市場にやってきました。

星のかけら、願いごとの瓶、月明かりのランタン。
不思議なお店が並ぶ市場を、女の子は静かに歩いています。
セバスチャンは、そっと声をかけました。
「何を買いにきたの?」
すると女の子は、小さな声で答えました。
「願いごとが叶う星くずを買いにきたの」
「君はどんな願いごとがあるのかい?」
女の子は少しうつむいて言いました。
「私ね、とても病気が重いの。もしかしたら死んじゃうかもしれない。だから、お父さんやお母さんが悲しくならないようにしたいの」
セバスチャンは、しばらく黙っていました。
「そうかい…。そんな星くず、ここにあったかな?」
そう言うと、女の子は泣きだしてしまいました。
セバスチャンは慌てて言いました。
「大丈夫だよ。僕が探してあげる。青い鍵さえ見つかれば」
「青い鍵?」
女の子は涙をぬぐいながら、セバスチャンを見つめました。
第2章 青い鍵
セバスチャンと女の子は、星くず市場から少し離れた古いお店へ向かいました。
その店には、たくさんの鍵が並んでいます。
金色の鍵。
銀色の鍵。
そして、棚の奥には青く光る小さな鍵がありました。
「これが青い鍵?」

「そう。この鍵を小さなドラゴンのところへ持って行くんだ」
「小さなドラゴン?」
「うん。そのドラゴンは小さいだけで、とても賢いんだ。君の願いもきっと叶えてくれる」
女の子は、不安そうに鍵を握りしめました。
第3章 小さなドラゴン
二人は森の奥にある小さな家へ向かいました。
そこには、本当に小さなドラゴンが住んでいました。

女の子は、思わず声を上げました。
「わあ…小さい!」
ドラゴンは少し得意そうに胸を張ります。
「小さくても、ちゃんと立派なドラゴンだよ」
そして、ドラゴンは優しく聞きました。
「君の願いはなんだい?」
女の子は、自分の病気のこと、両親のことを静かに話しました。
ドラゴンはうなずき、小さな青い薬を取り出しました。
「わかった。この秘薬を飲めば、きっと大丈夫さ」
「私が飲むの?」
「ああ、君が飲むんだよ」
女の子は薬を飲み干しました。
すると急に眠くなり、そのまま静かに眠ってしまったのです。
第4章 女の子の夢
女の子は、病院のベッドの上で目を覚ましました。
けれど、病室がとても騒がしいのです。
先生は腕組みをして立っています。
両親は、手を握り合って泣いていました。
私はきっと、天国に召されたんだ。
やっぱり願いは叶わなかったんだ…。
すると突然、先生が言いました。
「信じられない…。私は長年、臨床医をしていますが、癌の細胞が全部消えている症例など見たことがありません」
両親は、涙を流しています。
先生は静かに続けました。
「これは奇跡というしかありません。娘さんは、退院の手続きが済み次第、ご自宅へ帰って大丈夫です。念のため、三ヶ月後に検査へ来てください。退院、おめでとうございます」
女の子は、ぽろぽろと涙を流しました。
こうして、女の子は両親と一緒に家へ帰ったのです。
家の扉を開けると、そこには黒い星のペンダントをつけた猫が待っていました。
「しばらくお世話になるよ」
セバスチャンは、何事もなかったように言いました。
女の子は笑顔で答えました。
「もちろん、喜んで」
それから女の子と黒い猫は、ずっと一緒に暮らしました。
【あとがき】
願いごとは、すぐに叶わないこともあります。
でも、誰かを想う優しい気持ちは、時々小さな奇跡を連れてくるのかもしれません。
星くず市場は、今夜もどこかで静かに開かれています。
そして、黒い猫のセバスチャンは、次の誰かを待っているのかもしれません。
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