恋の告白は明日
せりふ三題噺の企画参加作品
タイトル:恋の告白は明日
「ここだけの話だよ。」
君はそう言って、僕の耳元でささやいた。
ちょうど踏切の音が重なって、うまく聞き取れなかった。
「ごめん、もう一回言ってくれる?」
そう聞くと、君は少しだけ顔をそむけて言った。
「もう、あんなこと一度しか言えない。」
「え、気になるやん。」
僕が詰め寄ると、君はサンダルのまま、公園の奥へ走っていった。
追いかけた先は、藤棚の下。
君は椅子に座って、日焼け止めを腕にのばしていた。
「あのさ」
ぽつりと、君が言う。
「あんたの好きなあの子、転校するんでしょ?」
「え、あぁ…」
「で、告白したの?」
「まだ…」
「え、まだしてないの?勇気出しなよ」
少し強い口調だった。
「でも…転校するし」
そう言うと、君は小さく笑った。
「あんたの気持ちって、そんなもん?」
「なんだよ、さっきから。僕に告白しろって言ってるのかい?」
「そうだよ」
少し間をおいて、君は言った。
「後悔は、私だけでいいから」
君は石ころを蹴って、ため息をついた。
「……わかったよ。明日、告白する」
「約束だよ」
気がつけば、そんな約束をしていた。
――恋の告白は、明日。
そういえば、あいつ……
何を耳打ちしたんだろう。

せりふ三題噺のお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます
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