月の王国
🍊第32回 3つのお題
🎈お題①:「狼の守り人」
🐾お題②:「満月の記憶」
⏳お題③:「運命を書き換えるペン」
まえがき
今回は、
「3つのお題に空想のひらめき」
自分でお題を決めて、書いてみました。
少し難しいかな、と思いながらも、
書き始めると、
気がつけば、こんな物語になっていました。
よかったら、
月の王国へ、
少しだけお付き合いください。
月の王国
ここは、
狼が守り人として立っている王国。
月は、満ち欠けのない満月のまま。
昼間は薄暗い空、
夜は満月の光で、昼間のように明るい。
狼たちの遠吠えは、
危険を知らせる合図。
今日もまた、侵入者が現れた。
小さな子どものようだ。
こんな場所に、ひとりで。
いったい、何のために。
狼は群れで、
男の子を囲む。
男の子は言った。
「僕は怖くない。
僕が、運命を書き換えるペンを持っている。」
運命を書き換える?
まだ始まったばかりじゃないか。
僕はもう、千年も生きている。
千年のあいだ、
戦争のない時代を、
一度も見たことがない。
だから、
そんなものは無用の長物だ。
お前みたいなやつを、
ごまんと見てきた。
みんな、欲に駆られて、
良心を売り飛ばしたのさ。
お前も、
きっとそうなる。
僕は千年、このままだ。
これからも、そうだろう。
男の子は、静かに言った。
「ここに来るのに、
千年かかっただけだよ。」
なんで、そんなに時間がかかった?
「満月の記憶の中に、
閉じ込められていたから。」
満月は、
やっと僕の記憶を開けたのさ。
狼は、しばらく黙っていた。
「……今から、
何を書き換えるんだ?」
男の子は、
月を見上げて答えた。
「僕の運命を。」

あとがき
運命を書き換える、
というと、
世界を救う話になりがちですが、
この物語では、
「自分の運命」を書き換えることを
選びました。
守り続けてきた者と、
これから変えようとする者。
満月の下で、
そのふたつが、
静かに向き合う瞬間を
描けていたら嬉しいです。
ここまで読んでくださり、
ありがとうございました。
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