風を感じて
シロクマ文芸部の企画参加作品
🍃まえがき
ふと立ち止まったとき、
何も変わらない一日の中に、
小さな違いがあることに気づくことがあります。
今日は、そんな“見えないもの”と
少しだけ話をしてみました。
🌸本文
風が吹く。
そんな気がして、空を見上げた。
青い空に、鳥が飛んでいた。
ふと、
「今日はどんな一日だった?」
そう聞かれたように感じた。
今日は、いつもと同じよ。
仕事して、今から帰るところ。
「本当に同じ一日?」
あなたは誰?
「私は風。あなたの周りを吹く風よ」
じゃあ、あなたの一日は?
「そうね。同じように見えても、
少し気温があたたかく感じたり、
冷たく感じたりするわ。
目に見えないものを感じているの」
そうなんだ。
それじゃ、私が落ち込んだときも知っているのね?
「そうね。
でも、あなたを見ていると、
あまりくよくよしない気がするわ。
明日は明日の風が吹く、っていう感じ」
それ、当たりかも。
深く考える機能が備わっていないみたい。
「ふふ、そうね。
どう? 同じ一日じゃないでしょう?」
そうね。
ただなんとなく過ごしているようだけど、
季節は巡って、
もうすぐ桜も咲くわね。
「そう。私は季節とも仲良しよ」
風さん、話しかけてくれてありがとう。
いつも、そばにいてくれるのね。
「そうよ。
あなたの周りには、
見えないものが支えているのを忘れないで」
ありがとう。
風が吹く。
私の髪が、ほんの少しだけ揺れた。

🌷あとがき
同じように見える毎日も、
ほんの少しの違いを感じることで、
違った景色に見えてくるのかもしれません。
目に見えないもの。
風のように、そっと寄り添ってくれている存在に、
少しだけ意識を向けてみたくなりました。
シロクマ文芸部のお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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