王道を歩きたい
風まかせ文芸部の企画参加作品
✨【まえがき】
お題「抜道」から生まれた短編です。
人はそれぞれ、気づかないうちに“抜道”を歩いているのかもしれません。
そんな男の気持ちを、少しだけ覗いてみてください。
✨【本文】
俺は人生をやり直したい。
妻にも愛想をつかされ、飼い犬まで妻と行っちまった。
なぜ妻が出て行ったのか、正直わからない。
給料は全部渡した。
小遣いも我慢した。
車も欲しかったが、マンションのために諦めた。
なのに、俺の何が悪かったのか?
妻とは紙切れ一枚で結婚して、紙切れ一枚で離婚した。
ただ──俺は妻を愛していなかった。
妻は俺を愛していたのか?それもわからない。
愛なんて、いつか冷めると思っていた。
そんなものに胸を焦がす奴の気持ちがわからなかった。
でも妻と暮らし、少しずつ思ったんだ。
「愛も、悪くないかもしれない」って。
そんな時、妻が離婚届を持ってきた。
俺は「ここまでか」と、あっさり諦めちまったのさ。
人間に“王道”があるなら、
俺はずっと“抜道”を歩いてきたのかもしれない。
今度は、王道を歩いてみたい。
まだ、間に合うなら──。

✨【あとがき】
愛のことを、後になってから気づく人がいます。
失ってから初めて、自分が何を大切にしていたのか知る人もいます。
この物語の男も、そのひとりなのかもしれません。
“抜道”ばかり選んできた人生でも、
どこかで王道に戻れる瞬間はきっとある。
そんな希望を、そっとこの物語に残しました。
※この物語はフィクションです。
風まかせ文芸部のお題に書かせて頂きました。
iさん、よろしくお願いします。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします😊これからも続けていく”未来の種”になります。よろしくお願いします。(❁´◡`❁)