「春を待つ猫と消えかけた魔法」
🍊第50回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「春を待つ猫」
🐾お題②:「消えかけた魔法」
⏳お題③:「しゃべる木」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
まえがき
今回の「3つのお題に空想のひらめきを」は、
ファンタジーの世界へ旅してみました😊
空想の扉を開くと、
しゃべる木がいて、
春を待つ猫がいて、
消えかけた魔法を抱えた魔法使いがいました。
さて、
その世界では、
どんな物語が生まれるのでしょうか──。
本文
エレナは、
魔法使いとしてこれからどう生きていけばいいのか、
迷っていました。
このまま魔法使いとして生きれば、
たくさんの人を救うことができます。
現実ではどうすることもできない悲しみも、
魔法の力なら、
救えるかもしれません。
でも、
魔法使いであることをやめれば、
愛する人と、
普通の人間として暮らしていくこともできるのです。
エレナの心は、
揺れていました。

同じ頃、
春を待っている一匹の猫がいました。
猫は、
昔かけられた魔法によって、
この森で暮らしていました。
春が来れば、
魔法は解け、
自由になれます。
けれど、
自由になるということは、
ここを離れるということでもありました。
仲良しだった花たちとも、
優しかった風とも、
お別れしなければいけません。
春を待ちながらも、
猫の気持ちは、
風のように揺れていたのです。

そんな時、
エレナは、
村の外れにある
「しゃべる木」の噂を聞きました。
その木は、
悩みを聞いてくれる不思議な木だと言われていました。
エレナは、
しゃべる木のもとを訪れました。
「私はどうしたらいいのかしら?」
しゃべる木は、
静かに葉を揺らしました。
「随分と悩んでいるようじゃな。」
「ええ……。」
「で、君の本当の気持ちはわかったのかい?」
「私の本当の気持ち?」
「ああ、自分の気持ちじゃ。」
エレナは、
自分の心を見つめました。
愛する人と暮らしたい──。
その想いが、
静かに胸に浮かびました。
「どうじゃ、答えは出たようじゃな。」
「でも、怖いの……。」
「どうじゃ、良かったら、
その消えかけた魔法を、
自分にかけてみるのじゃ。」
「自分に、魔法を?」
「ああ、自分にじゃ。」
エレナは、
そっと自分に魔法をかけました。
その瞬間、
優しい光が、
彼女を包んだのでした。
その後、
春を待っていた猫も、
しゃべる木の下を訪れました。
「僕はどうしたらいいの?」
しゃべる木は、
優しく答えました。
「戻りたいのかい?」
猫は、
少し黙り込みました。
「……。」
「君の場所は、
君が決めてくれる。」
春を待つ猫は、
しゃべる木にお礼を言うと、
元の場所へ戻っていきました。
しゃべる木は、
空を見上げながら、
小さくつぶやきました。
「悩めるものが多いのぉ……。」
そして、
少し考えるように枝を揺らしました。
「さて、
わしの晩御飯は何にするかの……。」
「月のナポリタン、
星のグラタン、
太陽の唐揚げ……。」
「うむ、
迷いながら生きていくもんじゃな。」
そうは思わないかい?

あとがき
今回のお題は、
3つのお題が、
ひとつの物語に繋がるような気がして、
空想しながら書いてみました😊
しゃべる木は、
きっと、
誰かに答えを教えるのではなく、
「自分の気持ち」に気づかせてくれる存在なのかもしれません。
そして、
迷いながら生きていくことも、
悪くないのかもしれませんね🌸
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