口紅が写す心
風まかせ文芸部企画参加作品
✨まえがき
朝の支度の中に、ふと見える「心のかたち」。
真紅の口紅は、鏡の中の“もう一人の自分”に問いかけるようです。
この小さな儀式に、今日という日の始まりの鼓動を感じて——。
💋本文:口紅が写す心
カーテンを開けると、まだ暗く、
近所の部屋の灯りだけがポツンと見える。
猫は相手をしてほしいのか、
パソコンの後ろで狸寝入りしている。
眠い顔に化粧をする。
私の変わり映えしない顔。
見飽きることもなく、
それといって、よくもなく——
化粧が少しずつ、私を作っていく。
口紅をつけないと、
どこか顔がおいてけぼりになる。
今日の私の心は、
これからどこに行くのだろう。
真紅の口紅を一筋さして、
笑う顔に聞いてみる。
——あなたは、どこへ行くの?

☕あとがき
誰に見せるでもない“朝の顔”。
真紅の口紅は、
今日も私を「私らしく」してくれる魔法。
鏡の中の自分が微笑むとき、
小さな勇気が唇に灯る。
風まかせ文芸部のお題に書かせて頂きました。
iさん、お題をありがとうございます。
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