行き先は雲3丁目
第12回3つのお題に空想のひらめきをの企画参加作品
🍊第12回 3つのお題
🎈お題①:「鏡の中の住人」
🐾お題②:「風船切符」
⏳お題③:「消えない足あと」
まえがき
鏡の中には、もうひとつの世界が広がっているのかもしれません。
そこに住む女の子が、外の世界へ憧れを抱き、風船切符を手にした時、物語は始まります。
今日のお題「鏡の中の住人」「風船切符」「消えない足あと」をつないで、一つのファンタジーを紡ぎました。
本文
行き先は雲3丁目
ある日、鏡の中の住人の女の子は、外の世界を覗いてみたくなりました。
外の世界には自由で、素敵な世界に見えたからです。
鏡の中の住人のおばあさんに助けてもらい、風船切符を2枚もらいました。
1枚は出る時に、もう1枚は帰る時に使うためでした。
行き先は雲3丁目。
そこには、いつか鏡の中を通り過ぎた男の子がいたからです。
女の子は、風船切符を1枚とり出し、鏡の中の世界を飛び出しました。
「雲3丁目までお願い」そう言うと、風船はゆっくりとふわりと上がっていきます。
きれいな田園が見えて、教会のようなところにたくさんの人が見えます。
風船はさらにゆっくりと上に上がっていきました。
遠くに煙が見えます。
近づいていくと、あの鏡の中で見た男の子に似た子が、倒れていました。
女の子は、男の子のそばに降りました。
男の子は苦しそうに言います。
「僕はもうだめだと思う。父さんや母さんともはぐれてしまった。
君も早く安全な所に行くといいよ。消えない足あとについて行くと、帰れるよ。君の鏡の中へ。」
そう言うと、男の子は気を失ってしまいました。
女の子は、男の子の手をつかみ、もう一枚の風船切符を使いました。
「行き先は鏡の中」
雲3丁目へ行くのは、また、いつか。

あとがき
3つのお題が、ひとつの物語に自然につながりました。
鏡と風船と足あと。まるで童話のようなやわらかい世界観の中で、「いつか」という余韻が残るラストになりました。
また別の日に、この女の子と男の子が再びどこかで出会う物語を書けたら
いいなと思います。
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