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鏡の予言

風まかせ文芸部の企画参加作品

〈まえがき〉

今日のお題は「錯覚」。
笑いの世界から一転して、心にそっと触れる物語が生まれました。
“自分が見えている自分”は、果たして本当の姿なのか。
鏡の奥に隠れていた真実と、気づきの瞬間を書いてみました。
短いお話ですが、どこか心の片隅に残れば嬉しいです。


鏡の予言(本文)

化粧しながら鏡をのぞき込むと、そこにうつる顔は、
見覚えのある——そう、アイドルの顔だった。

え、私の顔があのアイドルの顔に?
これは夢?そう、私は夢の国に来たんだわ。

すると鏡が言った。
「これは本当のことです。」

鏡がしゃべった——。

「それじゃ、私の顔はどこへ行ったの?」
「あなたの顔は、アイドルのところへ。」

え…じゃあ、私がアイドルになったの?
「いいえ、あなたの顔がアイドルになったのです。」

私のなんの変哲もない顔がアイドルに?
「はい、そうです。」

私はクラスでも目立たない、いてもいなくてもいい存在。
そんな顔がテレビに出るなんて…?

「はい。今、人気のドラマに出ていますので、ご覧ください。」

私はテレビのスイッチを入れた。
そこには、イケメン俳優とラブシーンを演じる“私”が映っていた。

——私って、こんなにきれいだった?

鏡は答えた。
「はい、あなたは綺麗でした。ただ、見ようとしていなかっただけ。」

私はいつも自分の顔を避けていた。
もっと目が大きければ、もっと色が白ければ…。
そんなことばかり考えていた。

鏡は言った。
「あなたは、自分の顔を錯覚していたのです。
 本当の自分の顔をちゃんと愛せていれば、違う未来もあったかもしれない。」

涙があふれた瞬間——私は目を覚ました。

急いで鏡をのぞく。
そこには、いつもの私の顔がうつっていた。

よかった。鏡は何も語らない。
でも、いつも、心の中を映してる。

イラスト:ChatGPT

〈あとがき〉

どんな顔であっても、長い時間をともにしてきた “自分” です。
鏡が語らなくても、心はいつも本当の姿を知っています。
この物語が、誰かの「自分を少しだけ好きになるきっかけ」になれば嬉しいです。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。
※この物語はフィクションです。

風まかせ文芸部のお題に書かせて頂きました。
iさん、よろしくお願いします。


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