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向日葵が泣いた日

🍧 まえがき
夏といえば、青空と入道雲、そして向日葵。
このお話は、ある夏休み、自由研究で向日葵を育てることになった少年・トムの物語です。
ちょっと忘れん坊なトムと、まっすぐな向日葵との心の交流。
植物と心が通じ合う、ひと夏の小さな奇跡をどうぞ。


本文:向日葵が泣いた日
片桐みかん

トムは夏休みの自由研究に、向日葵の成長日記をつけることにしました。
だけどトムはちょっぴり忘れん坊で、学校でもよく先生に注意されている子。
最初の数日は頑張っていたけれど、友だちと川遊びに夢中になって、水やりをすっかり忘れてしまいます。
次の日も、その次の日も……
ベランダの向日葵は、元気がなくなっていきました。
ある日、トムが出かけようとすると、どこからか「しくしく……」という声が聞こえます。
声のする方へ行くと、そこには、しおれた向日葵が泣いていました。
「私はもうすぐ枯れるでしょう。
あなたの成長日記には、今日が最後となるでしょう。
あなたと出会い、大きく咲いて語り合いたかった……
でも、もう無理です。お別れを言わせてください。」
トムはびっくりして泣きそうになりました。
「ごめん……!忘れてたんじゃないんだ……!僕、ほんとに忘れっぽくて……。
でも、君を助けたい!どうしたらいい?」
向日葵は弱々しく答えました。
「もう……無理です……」
でもトムは諦めませんでした。
それからというもの、友だちと遊ぶ時間も惜しんで、毎日せっせと水をあげ、日陰を作り、声をかけてあげました。
やがて、しおれていた向日葵は、少しずつ元気を取り戻し、また太陽に向かって堂々と咲くようになりました。
トムの成長日記には、こう書かれていました。
朝7時に水やり。
日差しが強い日は、鉢の下にも水を流す。
3時には一緒にかき氷(メロン味)を食べる。
5時にもう一度水やり。
向日葵とトムは、夏休みの間、毎日一緒に過ごしました。
おしゃべりして、笑って、そしてかき氷を食べて。
向日葵の好きな味は、メロン味なんだそうです。
気がつけば、向日葵はトムにとって、大切な友だちになっていました。

イラスト:ChatGPT

☀️ あとがき
植物に心があるなら――
こんなふうに語りかけてくれるのかもしれません。
忘れてしまった優しさや、小さな命との約束。
向日葵の涙は、トムだけじゃなく、私たちにも大切なことを教えてくれるような気がします。
さて、今年の夏、あなたは誰と過ごしますか?

風まかせ文芸部の「向日葵」にふわっと書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。


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