恋も化粧も初めから
毎週ショートショートnoteの企画参加作品
まえがき
「好き化粧」というお題を見たとき、
正直、頭の中は真っ白でした。
何を書こうか、
どんな話にしようか、
何ひとつ決めないまま、
気がついたら手が動いていました。
本文
恋も化粧も初めから
昨日は飲み会で飲み過ぎて、頭がんがんするわ。
今日は友だちと買い物に行く約束してるから、もうそろそろ起きんとな。
顔を洗い、鏡の中の顔を見る。
「好き化粧してる顔」
年下のあいつから、告白?
あかん、あいつ酔ってたから、手当たり次第にくどきよったな。
まさか、本気やないやろ。
好き化粧なんて、区切ってほしいわ。
化粧してる私に惚れてるんか、勘違いしてまう。
あかん、あいつの顔が浮かんできた。
ちゃりん。
ラインのお知らせがつく。
あいつからや。
昨日のことは本気も本気、ど真ん中や。
そ、れだけ。
あいつ、女子全員に送ってへんか。
あー、化粧がうまくいかへん。
あいつのことは、妄想や。
私は友だちとの買い物を済ませて、家に帰った。
なんか、男性の姿が見える。
隣のお兄さんかな。
私は、ロックを解除しようとした。
「先輩、なんでおれのライン無視するんですか?」
あ、あいつや。
「無視してへんがな。忙しかったんや。
今も買い物から帰ってきたんやから。」
「先輩、好きです。」
なんや、藪から棒に。
「あんたな、女性は告白する時、雰囲気が大事やねん。
今、それ言う?」
「……」
あいつは肩を落として、
「それは、僕はフラれたということですね。失礼しました。」
あ、あかん。
千載一遇のチャンスが逃げてまう。
「ま、寒いからな。
おまけに、せっかく来てくれたから、コーヒーでも出すわ。」
「僕、甘いのがいいです。」
ほんま、現金やな……。
さてさて、続きは……

あとがき
化粧がうまくいかない日は、
だいたい心も落ち着いていません。
恋も同じで、
考えすぎると、
どこから始めたらええのか
わからんようになります。
でも、
落として、洗って、
また最初からできるのが化粧なら、
恋もきっと、同じ。
恋も化粧も、
初めから。
※この物語はフィクションです。
毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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